ワークフローを管理し自動化するワークフローシステムは、オフィスでの業務を可視化・効率化するのに有効です。テレワークの重要性が高まる昨今、特に注目されています。この記事では、ワークフローとは何かといった基本から、導入におけるメリット・デメリット、おすすめのワークフローシステムをご紹介します。
そもそもワークフローとは?まずは基本を整理
ビジネスの現場で「ワークフロー」という言葉がよく用いられますが、そもそも何を指しているのでしょうか。まずはワークフローとワークフローシステムについて、それぞれ解説します。
ワークフロー=業務の流れを図式化したもの
ワークフローとは英語で「Workflow」と書き、その名の通り「仕事や業務(=Work)」の「流れ(=flow)」を図式化したものです。オフィス内では、ワークフローで表すことが可能な「業務の流れ」が多々あります。
たとえば、社内で備品を購入する場合、直属の上司、経理部の担当者、経理部の部門長といった順番でチェック・承認を受けるといった決まった流れが存在します。このようにあらかじめ決められた業務の流れを分かりやすくまとめた図式を、ワークフローと呼ぶのです。
ワークフローシステム=ワークフローを自動化したもの
従来、例で出した経費精算書のような各種申請書は、手書きの書類で管理されていました。一方ワークフローシステムは、それまで紙を使っていた申請手続き(ワークフロー)を、電子化・自動化した仕組みのことです。
ワークフローシステムを採用する場合、従業員は紙の代わりに、手元のPCやスマートフォンの専用アプリから電子データ形式の申請書(申請フォーム)を使って、申請手続きを行います。
ワークフローシステムの機能やできること
続いて、ワークフローシステムで使える機能について代表的なものを紹介します。
①申請・帳票
あらかじめシステム上に用意された各種テンプレートを利用し、申請書を作る機能です。
②承認
申請書を確認し承認する機能のほか、差し戻し・承認ルートの参照や変更・関係者間での共有といった機能も含みます。
③申請状況の確認・通知
自分が提出した申請書の進捗状況をチェックしたり、承認が滞っている場合や承認が完了した場合に担当者へ通知したりする機能です。
④申請書の検索
すべての申請書を、申請者や起票日・承認日・承認者などさまざまな条件から絞り込んで、検索する機能のことです。
⑤ワークフローの一元管理
申請書のテンプレートや承認ルートを作ったり、データをインポート・エクスポートしたりする機能のことです。承認ルートに関しては、さまざまな条件で分岐させることもできます。
ワークフローシステムの導入メリット
ワークフローシステムをオフィスに採用することによって、どんなメリットが生まれるのでしょうか。一つずつ詳しく説明していきます。
電子化・ペーパーレス化によるコスト削減
ワークフローシステムを導入すれば、紙の申請書が不要になります。その結果、用紙代・印刷代・郵送代・FAXの通信代が必要なくなります。申請書1枚ごとのコストは小さいかもしれませんが、企業全体でみれば、その総コストは決して安いものではありません。
また、申請書が電子化されれば、申請書をまとめるためのファイル、そのファイルを収納しておくためのスペースも不要となります。
業務プロセスの可視化
前述の通り、ワークフローシステムには申請書を検索したり申請状況をチェックしたりする機能があります。
従来のように紙の申請書を使っていた場合、その承認がどこまで進んでいるか確認しにくいのが難点でした。それらをワークフローシステムで電子化することで、申請のプロセスまでも可視化することができるのです。万が一、自分が出した申請書の承認が止まっていても、進捗を確認することで催促することもできます。
業務効率・生産性の向上
紙の申請書を使う場合、記入や印刷、さらには申請書を運んで人に手渡す手間がかかります。
ワークフローシステムであれば、手元のパソコンやスマートフォンの画面上で、全ての作業を進めることが可能です。その結果、業務効率がアップします。
また起票された申請書は、ネットワークにさえつながっていれば、外出先においてもスマートフォン等でのチェックしたり、差し戻されたものを修正したりできます。業務効率が高まる上に、業務スピードを加速することができ、全体的な生産性の向上も目指せるのです。
テレワーク・働き方改革への対応力向上
働き方改革の推進でテレワークを採用するにあたり、「紙の書類の承認手続きをどうするか」は大きな課題となっています。紙を使って承認手続きを進める限り、申請者や承認者は紙のある場所に出向かなければなりません。
その点、ワークフローシステムを導入しネットワークに接続していれば、どこからでも申請や承認の作業を行えます。場所が問われないため、テレワークする上でも非常に有効的です。
社内ルールの徹底・内部統制力強化
2007年に「内部統制報告制度」(日本版SOX法)が施行されるなど、日本では内部統制の強化が重要な課題となっています。これらの体制づくりにおいても、ワークフローシステムの導入が一助となります。具体的には、申請・承認の手続きを厳密にルール化・システムすることによって、従業員に対して業務ルールの徹底を促すことができるようになります。また、後から申請書の履歴・アクセス記録も閲覧可能です。
ワークフローシステムの導入にデメリットはある?
以上のようにメリットが多いワークフローシステムですが、デメリットがないわけではありません。
たとえば、ワークフローシステムを使い高度な申請ルールが作成できますが、それが複雑化し過ぎると従業員に定着しない可能性があります。
また従業員のITリテラシーが低い場合、システムにログインするためのID・パスワードが流出するなどの問題も起こりかねません。ワークフローシステムを採用し社外でも利用できるようにする場合は、管理を徹底し従業員のセキュリティ意識を高める必要があるでしょう。
さらに、ワークフローシステムによって申請手順を複雑に作りこむほど、個々のルールを変更しづらくなると言った面もあります。その結果、「紙の方が管理しやすかった」なんてことも。
しかし、これらは導入する過程においてリスクを把握し、一つずつ対策を講じていけば解決できる問題であるため、総じてワークフローシステムの導入はメリットの方が大きいといえます。
ワークフローの導入・運用時のポイントや注意点
ワークフローやワークフローシステムを導入し、持続的な運用をしていくためには、おさえておくべきポイントと注意点があります。
まず、「どの業務において導入し、目的が何であるか」を明確にしなければなりません。これらを明確にすることで、ワークフローシステムのどの機能を使用すれば運用に結びつくかを見極めることができます。
また、ワークフローシステムを選択する際に、「自社で扱いたい業務において、必要な申請フローを築けるか」を見定めることも重要です。システムの操作性などもしっかりと確認しておくことをおすすめします。この過程では、従業員向けにITリテラシー教育や、従業員がシステムを使いこなせるようにするための研修なども行う必要があります。
さらに、ワークフローシステムの本格的な運用が始まってからも、「従来通りの申請フローに無駄がなかったか」や、「これから作る申請フローは複雑すぎないか、あるいは簡略化できる部分はないか」など常に検討していくべきでしょう。
まとめ
ワークフローとは業務の流れを図式化したもの、ワークフローシステムとはワークフローを電子化し、自動的に作成できるようにしたものです。
自社の業務に照らし合わせてワークフローシステムを導入することにより、各種申請業務を効率化が期待できる上に、紙の書類を使う必要がなくなることから、テレワークを進めるにあたっても役立ちます。
当社が提供するテレワークフローシステム「AppRemo(アップリモ)」では、これまで使っていたエクセル形式の申請書類をそのまま利用でき、操作も非常に分かりインターフェースで利用することが可能です。
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- ワークフロー(申請業務)
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