働き方改革が注視される昨今、業務改善の手段のひとつとして「ワークフロー」が注目されています。とはいえ、言葉を耳にしたことはあるけれど、詳しい意味までは分からないという方も多いはずです。本記事では、ワークフローの意味や具体例をはじめ、意外と知られていない一般的なワークフローシステムの主な機能や、システム化されていない場合の問題点、ワークフローが業務効率の改善化に大きく寄与する理由を解説します。
また、ワークフローシステムの導入にあたり、どのような点に注意してシステムを選択するべきかを把握する必要があります。ワークフロー導入のメリットを明確にするとともに、導入方法や実際の導入事例についても紹介します。
ワークフローとは|例を交えて簡単に解説
「ワークフロー(workflow)」とは、組織内での業務のなかで複数の人が関わるやりとりの流れ、あるいはそれを図式化したものを指します。
例えば、稟議(りんぎ)申請のワークフローを例に考えてみましょう。申請者が購入希望の商品やその金額を稟議申請書に記入した後、以下のような流れで承認が進んでいきます。
- 申請者が稟議内容を作成し、申請を行う
- 所属の部長が内容を確認し、チェックおよび承認を行う
- 次に経理担当者が金額や予算の整合性をチェック
- 最終的に経理部長が全体を確認し、承認を完了
業務内容や申請書の種類などによって、必要になる承認の数が異なり、複雑になることもあります。ワークフローはこのような業務の流れをできるだけ分かりやすくするために活用されています。
社内におけるワークフローの具体例
企業や組織内で重要な意思決定を行う際には、決められたワークフローに基づき、申請や承認を進めることが一般的です。ここからは、社内業務でよく見られるワークフローとして、以下4つの例を紹介します。
- 稟議の申請
- 受発注の申請
- 支払いの集計
- 機器の貸出申請
稟議の申請
1つ目の例は社内稟議の申請です。新規プロジェクトの提案や外部企業との契約締結など、組織内で重要な決裁を行う際には、次のようなワークフローで処理されることが一般的です。
- 申請者が稟議書類を作成する
- 所属の課長が稟議書を確認し、承認を行う
- 所属の部長が内容を確認し、さらに承認を進める
- 経理担当者または承認グループが最終確認を行う
なお、稟議の申請は、申請内容の重要度や金額によって承認者が異なる場合もあります。例えば、新商品の開発や新規市場への参入など、会社全体の利益に大きく影響を与えるような案件は、複数の承認者を設けているケースも珍しくありません。当然、承認者の数が多いほど、決裁が下りるまで時間がかかります。
受発注の申請
2つ目の例は、受発注業務に関する申請です。企業間の取引において、見積書、発注書、請求書などの書類を作成・処理する際は、以下のようなワークフローで進めていきます。
- 発注先企業(A社)から見積書を取得する
- 見積内容にもとづいて発注書を作成し、発注を行う
- 発注した商品やサービスを受け取る際、内容を確認して検収書を作成する
- 取引先企業(B社)からの発注に対して、受注書を作成し対応する
- 取引内容にもとづき、請求書を発行する
このように、受発注業務では各種書類が相互に連携し、業務が進行します。適切なワークフローを整備することで、書類間の紐付けや処理の抜け漏れを防ぐことが重要です。
支払いの集計
3つ目の例は、支払いの集計です。社員が出張費や経費精算を申請する場合、一般的に以下のようなワークフローが用いられます。
- 各社員が支払い申請書に内容を記入し、申請する
- 部門ごとに上長が申請内容を確認し、承認を行う
- 各申請書が経理部に提出される
- 経理部が全ての申請内容を集計し、支払い状況を確認する
支払いの集計は、社員一人ひとりの申請内容を紙やExcelで管理するケースが多く、申請ミスや記入漏れが発生しやすい他、確認・集計作業に時間と労力がかかる点が課題といえます。
機器の貸出申請
4つ目は、社内での機器の貸出申請です。社員が業務用のパソコンやタブレット、プロジェクターなどの機器を利用したい場合、以下のようなワークフローで処理を行います。
- 申請者が貸出申請書を作成し、必要事項を記入して提出する
- 所属の課長が申請書を確認し、承認を行う
- 所属の部長が申請書を確認し、承認を行う
- 管理担当者が申請内容を確認し、最終承認を行う
上記のワークフローはあくまでも大枠で、例えば、機器の種類によって承認手順が追加されたり、貸出状況の記録方法が会社によって異なったりする場合もあります。
ワークフローを効率化する意義
ワークフローの効率化は、業務全体の効率化につながります。ワークフローが非効率では、申請から承認、決裁へいたるまでに無駄な時間が発生し、意思決定の遅れも招きます。スピードが要求される現代ビジネスにおいて、意思決定のスピードを失うのは致命的といっても過言ではありません。
ワークフローの効率化は、働き方改革の推進にも有効です。申請や承認業務の流れを見直し、効率的に遂行できる環境や体制を構築できれば、社員は場所や時間にとらわれることなく、自由度の高い働き方が可能です。積極的に働き方改革へ取り組んでいる企業であるとアピールできれば、働きやすい職場と認識され、採用力の強化にもつながります。
ワークフローシステムとは? - 仕事の流れの機械化
ワークフローとは先述の通り一連の作業の流れのことを指しており、タスクを見直すだけでもかなりの業務の効率化が見込めます。しかし、仕事には必ず複数の人が関わっており、人と人との仕事の連携の間には表面化していない多くの問題点が潜んでいます。
「どの申請書を使えばよいのか悩む時間」「申請書を誰に回せばよいのか悩む時間」「業務が忙しく承認が溜まってしまった」「申請書類を保管する場所がもうない」「申請結果の入力に時間がかかりコア業務に手がつけられない」etc…。小さな問題が積み重なって本業の足を引っ張ることはよくある話です。この業務の表面上に現れない仕事の流れを機械化し、業務をスピードアップすることを目的としてつくられたシステムがワークフローシステムです。
申請書類は電子化されており、申請者は誰か、書類を誰に回せばよいのか、今書類はどこまで回っているのかなどを簡単に確認できます。仕事の流れをスムーズにするために、ワークフローを電子化することは企業に大きなメリットをもたらします。
ワークフローがシステム化していない場合の問題点
ワークフローがシステム化していないと、さまざまな問題が発生します。例えば、紙を用いたワークフローの運用においては、「どの申請書を使えばよいのか分からない」といった問題の発生が挙げられます。いくつもの申請書類を用意している企業の場合、社員がこのような状況に陥るケースは珍しくありません。そのときどきに応じた申請書類を使わなければならないものの、どれを使えばよいのか分からず無駄な時間が発生します。
書類を誰に回せばよいのかと悩むケースも少なくありません。どこで承認を得られるのかが分からないと、同僚や上司に聞く羽目になります。同僚や上司は業務の手を止めなくてはならないため、業務効率の低下につながりかねません。
ワークフローのシステム化が進んでいないと、決裁者の業務も非効率です。毎日のように大量の書類が届くため、気付いたときにはデスクの上に書類が山積みになっていることもあるでしょう。大量の書類を一枚一枚チェックするのは骨の折れる作業であり、内容の確認漏れが発生しやすくなるリスクもあります。
紙による運用は保管も大変です。申請の結果をパソコンへ入力し、その後ファイリングなどして保管しなくてはなりません。書類の数が多くなるほど作業の手間と時間、労力が増加します。毎日のように大量の申請書類が発生する企業であれば、保管スペースがいくつあっても足りません。別途保管スペースを用意しなくてはならず、余計な経費が発生します。
ワークフローをシステム化する4つのメリットとは?
ワークフローの改善によって得られる効果は多岐にわたります。導入するワークフローシステムや会社の業務などによっても、求める機能やアウトカムはさまざまです。ワークフローについて概要を整理したところで、続けてワークフローシステムを導入するメリットについて取り上げます。
テレワークや在宅勤務の対応が可能
ワークフローがシステム化されていないと、テレワークや在宅勤務へのシフトが困難です。例えば、自宅で業務を遂行していた社員が申請のためだけに出社して書類を提出する、決裁者が印鑑を押すためだけに出社するといったことが起こり得るためです。
このような状況では、テレワークや在宅勤務のメリットを最大限活かせません。その都度、オフィスへ出社しなければならないため社員はストレスが溜まり、業務効率も余計に低下してしまいます。
ワークフローシステムの導入によって、テレワークや在宅勤務への対応が可能です。申請や稟議をオンラインで行えるため、社員はオフィスへ出社する必要がありません。承認者や決裁者も、スマートフォンやタブレット端末などで内容の確認、承認を行えるため、テレワーク環境下でも問題なく業務を遂行できます。
テレワークや在宅勤務への対応が可能になれば、多様で柔軟な働き方ができる企業であると対外的にアピールできます。これにより、優秀な人材の確保につながる可能性があるのはメリットです。また、テレワークや在宅勤務に対応できれば、家庭の事情や健康面などさまざまな事情でオフィスへの出社が難しい人材も採用できるため、人手不足の解消にもつながります。
テレワーク導入のメリット・デメリットについてはこちらの記事でも解説しています。
業務効率化が進みスピーディーな決裁が可能
ワークフローのシステム化に伴い、スピーディーな決裁を実現できるのもメリットです。申請書や稟議書など紙文書で運用するケースでは、どうしても無駄な時間が多く発生します。文書を作成した上で承認を得るために担当者のもとへ届け、数人を経由して決裁となるため時間がかかります。
承認を得るのに複数の拠点をまたぐとなれば、なおさら無駄な時間が発生するため注意が必要です。例えば、支社から本社の営業部長に承認を得る必要がある、といったケースです。承認を得るのに申請書や稟議書を郵送するとなれば、どうしてもタイムラグが発生します。
ワークフローシステムを導入すれば、こうした課題の解決が可能です。申請者が端末から手続きを進めると、自動的に承認者や決裁者のもとへデータが送られます。なかには、スマートフォンやタブレット端末で利用できるシステムもあるため、担当者がオフィスにいなくても問題ありません。外出先や出張先からでも確認、承認ができるためスピーディーな決裁が可能です。
現代ビジネスにおいて、スピード感は何より重要です。決裁が遅れてしまったばかりに、魅力的な取引の契約が流れてしまう、といったことも考えられます。決裁の遅れによる機会損失を招かないためにも、ワークフローシステムの導入は必須です。
紙文書の作成・管理の手間を削減
ワークフローがシステム化されていないと、その都度文書を作成しなくてはなりません。新規契約に関する稟議書や購買申請書、情報共有に要する回覧文書などの作成が必要であり、手間がかかります。
また、決裁した申請書や稟議書などは、そのまま廃棄するわけにはいきません。決裁した証として保管しなくてはならず、適切な管理が求められます。日付や種別ごとに区分した文書をファイリングし、所定の場所で管理しなくてはなりません。保管期限をすぎた文書を放置してしまうと、保管スペースを圧迫する一方であるため、適切なタイミングで廃棄する手間も発生します。
ワークフローのシステム化によって、これらの手間を大幅に削減できます。ワークフローシステムを導入すれば、オンライン上で申請や稟議を行えるため、その都度文書を作成する必要がありません。作成した文書はデジタルデータとして管理できるため、従来のようなファイリング作業が発生しない点もメリットです。
システムによっては、保管期限がすぎたデジタルデータを自動的に削除できるものもあります。社員がこまめに期限をチェックする必要がなくなり、効率的な文書の管理が可能です。
内部統制とコンプライアンスの強化
ワークフローシステムの導入は、内部統制とコンプライアンス強化にも有効です。業務の進め方を明確にし、可視化することで法令違反やヒューマンエラーを回避できるためです。社員が業務の進め方をよく理解できていないと、本人の意思とは関係なく法令違反を犯してしまうかもしれません。その結果、企業そのものが世間から批判の対象になってしまうリスクが生じます。
また、紙を用いたワークフローの場合、内部不正を招きかねません。例えば、購買申請書に記載された金額が改ざんされる、稟議の内容を書き換えられる、といったケースが考えられます。このような行為は組織に不利益をもたらす行動です。
ワークフローシステムを導入すれば、上記のようなリスクを回避できます。業務の流れを可視化することで意図せぬ法令違反などを未然に防ぐだけでなく、文書の内容を改ざんされるリスクも抑えられます。システムを用いた申請や稟議では、デジタルデータをやり取りするため改ざんしづらくなり、承認のタイミングなども記録に残るため安心です。
内部統制の強化についてはこちらのブログ記事もご参考ください。
ワークフローをシステム化するデメリットとは?
ここまでお伝えしてきた通り、ワークフローシステムにはさまざまなメリットがありますが、デメリットが全くないわけではありません。例えば、システムを導入することで申請ルールを細かく設定できる反面、運用が複雑化すると社員が使いこなせず定着しない可能性があります。
また、社内にITリテラシーが低い社員が多くいる場合には、ログイン情報(ID・パスワード)の管理が不十分となり、セキュリティリスクが高まるといったことも考えなければなりません。
ただし、これらのデメリットはシステム導入時に適切な教育や運用フローの設計を行うことで克服できるため、システム化のメリットは十分に大きいといえます。
ワークフローシステムの役立つ機能
業務フローの見える化やペーパーレス化が急速に進むなかで、ワークフローシステムも多機能化が進行しています。自社にあったシステムツールを選択するには、まずワークフローシステムの機能がどのように種類分けできるかを把握しておく必要があります。
ワークフローシステムの5つの基本機能
近年の一般的なワークフローシステムの機能を種類ごとに大別すると、およそ次の5項目になります。
- 申請および起票機能
- 申請書作成および帳票機能
- 承認機能
- 管理機能
- 通知機能
申請および起票機能
各種申請書をExcel等のテンプレートで作成し、提出する機能です。各利用者が添付ファイルやコメントを付け加えることもできます。ツールによっては、起票や提出を他のユーザーが代理で行うことも可能です。
申請書作成および帳票機能
人事や勤怠、交通費や出張経費精算などの申請書がフォーマットとして用意されています。必要事項を記入するだけで、誰でも簡単に各種申請ができます。
承認機能
各種申請に対するレスポンスの手続きを簡略化できる機能です。レスポンスには承認の他、差戻しや保留、委任、破棄などがあります。また、承認ルートや承認先の変更といった「案件フロー操作」、申請書を関係者間で閲覧できるようにする「情報共有」もこの承認機能に分類されます。
管理機能
ワークフローをいかに管理するかは、システムツールの重要な目的の1つです。承認ルートの制御や内部統制に関わるセキュリティ、データ移動および運用組織の管理などがこれに当たります。
通知機能
申請者および承認権者の双方に、期限や結果など必要な情報を確実に通知する機能です。メールやシステムツール上でのポップアップ表示が基本ですが、最近では通知媒体も多様化が進んでいます。
その他の機能
ワークフローシステムには、付加的な機能として以下のようなサービスを搭載したものもあります。
多様なデバイスに対応
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも使えるタイプのシステムツールも少なくありません。外出先からでも申請や承認が可能となる他、在宅ワークでも活用できます。
外部システムとの連携
会計や見積もり・請求など、他のシステムと連携できる機能です。PDFやExcelとの互換性のあるシステムツールも、外部システム連携に柔軟なタイプです。
その他の付加機能
工数管理や業務プロセスのソート、予算実績の管理、外部データの取り込みなど、ワークフローシステムごとにさまざまな機能が付加的に備えられています。
ワークフローシステムの導入方法
ワークフローシステムは、さまざまなベンダーから製品がリリースされており、実装されている機能や価格、操作性などがそれぞれ異なります。機能や価格だけを注視するのではなく、自社の業務にマッチしているか、現状における課題の解決や目的の達成につながるか、といった部分を重視して検討を進めましょう。
自社にあったシステムを検討する
多くの機能を備えたシステムが、必ずしも優れているとは限りません。また、高額なシステムだからといって、自社の課題解決に必ず役立つとも断言できません。重要なのは、自社にあったシステムを選定することです。以下の4つの観点を軸にシステムを選定しましょう。
自社の業務に必要なシステム
自社の業務を洗い出し、業務に必要な機能を実装したシステムを選定するのが基本です。ワークフローシステムとひと口にいっても、実装されている機能は製品によって大きく異なります。申請や起票機能、承認機能、通知・管理機能などはほとんどの製品に備わっていますが、それ以外にも連携性に優れたものやマルチデバイス対応、外部データ取り込み機能などを実装した製品も多く見受けられます。
例えば、営業活動がメインで、多くの社員が連日外出するような企業であれば、マルチデバイス対応の製品を選ぶのは必須です。マルチデバイス対応なら、スマートフォンやタブレット端末でシステムを利用できるためです。また、さまざまな外部データを取り込んでシステム上で使用したいのなら、CSV形式のデータを取り込める機能を実装した製品が適しています。
他にも、近年では予算実績管理が可能な機能を実装したツールをはじめ、業務プロセスや工数管理を行えるシステムも誕生しています。自社の業務と照らしあわせつつ、最適なシステムを選定しましょう。
パソコン操作に不慣れな社員も使いやすいシステム
企業に在籍している社員のITリテラシーはさまざまです。優れたITリテラシーを有する社員がいる一方で、パソコンをほとんど使えない、ITやデジタルに強い苦手意識を抱いている、といった人もいます。ITリテラシーが低い社員が多いと、システムを導入しても使いこなせません。宝の持ち腐れになってしまうため、パソコン操作に不慣れな社員でも使いやすいシステムを導入しましょう。
自社の社員が扱えないような難易度の高いシステムを導入してしまうと、紙で運用していたときのフローに戻ってしまうおそれがあります。そうなると、業務効率化どころではありません。ペーパーレス化やテレワークも推進できず、働き方改革も進みません。
このような事態を避けるためには、誰もが問題なく操作できる、扱いやすいシステムの選定が重要です。あらかじめ社員のITリテラシーを把握しておき、その上で使いこなせるシステムを選びましょう。
カスタマイズできるシステム
カスタマイズ性も重要なポイントです。どこまで、どのようなカスタマイズができるかは、システムによって大きく異なります。例えば、承認ルートを柔軟に変更できる、項目を自由に追加できる、他システムとの連携ができる、といった具合です。
また、申請書類のレイアウトを自由に編集できる製品もあります。紙で運用していたときと同じレイアウトにカスタマイズすれば、慣れ親しんだ書式で運用できるため、申請者や承認者が迷う心配もありません。
システムを運用していれば、いずれ変更したい部分も出てきます。もっと項目を増やしたい、既存システムと連携させて便利に利用したいといった希望が出てくる可能性があるので、このようなときに対応できるよう導入前にカスタマイズ性はチェックしておきましょう。
カスタマイズできるかどうかは、セキュリティの面からも外せない要件です。ワークフローでは各種申請書の他に、稟議書や決裁書など部外秘・社外秘の文書も取り扱われます。自社のセキュリティポリシーやセキュリティ認証と関連付けられるかどうかも、しっかり確認しておきましょう。
外部連携できるシステム
外部連携できるワークフローシステムを導入すれば、さらなる業務効率化と生産性の向上が見込めます。せっかく最新かつ多機能なシステムを導入しても、社内の他のシステムと連携できなければ、重複する業務プロセスを削減して効率化を図るという主要件を果たせません。既存のシステムウェアとの互換性を確認することは、非常に大切なポイントです。
例えば、ワークフローシステムとコラボレーションツールの連携は、業務効率化と生産性の向上に有効です。ビジネスチャットとシステムの連携によって、承認依頼をチャット上に表示できるため、うっかり忘れる心配がありません。承認の要請をメールで受けとっていた場合、受信ボックスのなかで埋もれてしまうおそれがありますが、このようなリスクを回避できます。
文書管理システムとの連携もおすすめです。オンラインでやり取りした申請書や稟議書も、あとから見返せるように管理しなくてはなりません。文書管理システムと連携させれば、ワークフローシステム上でやり取りしたデータをスムーズに移行でき、効率的な管理が可能です。
他にも、採用管理システムや人事評価システム、給与計算システム、経費積算システムなどと連携できるワークフローシステムもあります。自社で運用しているシステムとの連携が可能かどうか、導入前の確認は必須です。
トライアルを通じて、採用するシステムを決定する
自社にマッチしたワークフローシステムであると判断しても、実際に使ってみると使いにくかった、思ったような機能ではなかった、といった状況に陥るおそれがあります。ワークフローシステムに限らず、ITツールやシステムは実際に使ってみないと分からない部分が多いため、まずはトライアルを通じて試用し、その上での検討をおすすめします。
無料トライアルが可能なワークフローシステムは少なくありません。製品によっては、機能や期間などに制限が設けられているケースもありますが、実際にシステムを操作できるのはメリットです。
気になる製品をいくつかピックアップしたら、トライアル体制を社内に構築しましょう。試験的にシステムを運用するグループを作り、その上で実際に使用してみた感想や率直な意見を抽出します。ITリテラシーが高い社員だけでなく、あまりITが得意でない社員もトライアルグループに加えることで、偏りのない意見を抽出できます。
調整を重ねながら運用する
ワークフローシステムの運用をスタートしても、思い描いた通りにうまく進むとは限りません。うまく運用できない、業務効率化につながらないなどと頭を抱えるシーンも出てくるはずです。
初めて導入、運用するシステムであれば、このような壁にぶつかることはよくあります。むしろ、最初からうまく進むことのほうが珍しいため、焦らずにトライ&エラーを繰り返しつつ改善を進めていきましょう。
ワークフローシステムの導入事例を紹介
ワークフローシステムを導入するかどうか迷っているのなら、すでに導入している企業の事例に目を通すと参考になるかもしれません。ここでは、AppRemoによるワークフローのシステム化に取り組んだ企業の事例を紹介します。
事例1 ペーパーレス化でコスト削減、決裁時間短縮に成功
駅ビルの管理や運営に携わっている株式会社アトレは、ペーパーレスと働き方改革の推進に取り組んでいました。特に、ペーパーレスは同社にとって重要なプロジェクトとして位置づけられており、その一環として社内稟議の電子化とワークフローシステムの導入に踏み切ります。
AppRemoを導入した決め手は、操作性のよさと柔軟性です。詳細なマニュアルなしでも使用でき、Excelフォーマットを利用できるため柔軟性も高く、社内稟議の申請書に加えて住所変更や休暇申請など20種類以上の申請書を簡単に整えられるようになっています。
導入を決定したあとは、社員の理解を得られるよう丁寧に説明を行ったとのことです。最初のうちは、電子化に抵抗を抱く社員も少なからずいたようですが、導入によってどのようなメリットを得られるのかを丁寧に伝えることで、理解を得ることに成功しました。
結果的に、同社はAppRemoの導入によってペーパーレス化が進み、コスト削減に成功します。また、決裁スピードが飛躍的に高まり、いつでも承認や決裁を行えるようになりました。
導入事例:株式会社アトレ 様
事例2 Excelを活用するためスムーズに移行、時間短縮で生産性UP
包装や板紙、流通といった事業を手掛ける三菱商事パッケージング株式会社は、経営戦略の一環として業務の自動化やデジタル化を進めてきました。そのなかで喫緊の課題として取り組んだのが各種社内申請のシステム化です。
紙を用いた申請や稟議に多大な時間と労力が発生していたため、これを何とか解消したいと考えました。そこで同社が目をつけたのが展示会で知ったAppRemoです。視認性や操作性のよさ、シンプルな機能性が目を引きました。
特に大きなトラブルもなくスムーズにAppRemoの導入に成功しましたが、システムの導入にあたり社員向けの説明会を開催したときには、やや戸惑いの声も聞こえてきたとのことです。ただ、申請書はこれまでと同様にExcelで作成できる、これまで以上に申請や承認業務がスピーディーになる、と丁寧に説明を続けた結果、社員から好意的なリアクションを得られるようになりました。
導入後に実施したアンケートでは、多くの社員が「業務が便利になった」と回答したそうです。導入によって1カ月あたり70時間以上の作業時間を削減でき、リソースをより有効に活用できるようになりました。また、業務負荷が大きく改善されたのも特筆すべきポイントです。情報システム部におけるパソコン持ちだし申請では、申請書に記載された内容を台帳へ転記する必要がなくなりました。文書の保管や管理も不要になったことから、大幅な業務負荷軽減につながり、その時間をコア業務に充てられるようになっています。
導入事例:三菱商事パッケージング株式会社 様
1ヵ月あたり70時間以上の作業工数削減により、
コア業務への集中が可能に フォームの自由度やグループウェア連携など拡張性も評価
まとめ
ワークフローの効率化を進めれば、業務全体の効率化と生産性の向上に寄与します。スピーディーな決裁が可能になるためビジネスチャンスを逃すことがなくなり、企業としてさらなる高みにのぼれるのもメリットです。
システムを導入する際には社員のITリテラシーを考慮した上で、誰もが使いやすいシステムを選定しましょう。カスタマイズ性や他システムとの連携性も確認し、トライアルを実施してから導入を進めるのが安心です。
ワークフローシステムの導入を検討しているのなら、AppRemoがおすすめです。操作性に優れたシステムであり、慣れ親しんだExcelを用いて申請書を作成できます。トライアルも可能なので、まずは気軽にご相談ください。
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- ワークフロー(申請業務)
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