今やバックオフィスシステムとしてマストツールである電子決裁・ワークフローシステム。それに加え、今まではExcelや紙で管理していたような様々な情報を簡単にシステム化できる、アプリ開発プラットフォームであるkintone(キントーン)も数多くの企業に導入が進んでいます。どちらのシステムも「業務の見える化」「業務の効率・質・速度アップ」を実現するためのシステムです。特にリモートワーク化が加速する昨今の働き方において、オフィス以外の場所からや人を選ばずに管理、確認、利用、運用できる仕組みは必要不可欠となっております。
kintoneにもワークフロー機能は搭載されていますが、今回は申請・承認業務に特化したワークフロー専用システムとkintoneを併用することのメリット、併用運用に加えノーコードとアプリの観点からも解説致します。
ワークフローシステムとkintoneの概要
まずはワークフローシステムやkintoneとはどのようなサービスか、サービス内容の概要についてご説明致します。
「ワークフローシステム」とは、電子化された申請書や通知書をあらかじめ決められた作業手順や申請承認ルールに従い、進捗状況の可視化や決裁処理を行う仕組みです。例えば、稟議申請・報告書・各種届出申請の承認手続きを電子化して、業務の見える化、業務効率化、処理速度向上、内部統制強化を実現する事ができます。
ワークフローシステムには構築や運用を行うために開発やプログラミングの知識が必要なもの、不要(ノーコード)なもの、利用開始から利用中にかけて多く発生する申請書の作成・修正がWebフォーム型かExcelフォーム利用型か、オンプレミス版かクラウド版かというように、製品・サービスによって様々な特性があります。
続いて「kintone」について概要をご説明します。
kintoneとは、システム開発の知識がなくても自社に合わせた業務システム(アプリ)をWebベースでかんたんにノーコードで作成できるサイボウズ社のクラウドサービスです。
従来であれば、外部のシステム開発会社に依頼しないと作れなかったような業務システムを、自分で簡単に作成することができるようになります。
例えば、顧客情報や案件情報、売上情報、プロジェクトの進捗状況、ワークフローの申請状況など、チームや仕事に必要なあらゆる情報を管理、リアルタイムに共有できます。また、あらゆる情報を一元管理することで、業務全体の見える化が可能になり、仕事の質や業務効率、処理速度アップを実現する事ができます。
ワークフローシステムとKintoneそれぞれの導入効果
ここでそれぞれの製品・サービスの導入効果について解説していきます。まず、ワークフローシステムです。前述の通り稟議書などの申請承認業務というビジネスプロセスをシステム化するものですが、様々なメリットがあります。
申請・承認完了までの時間短縮
ワークフローシステムを導入することにより、申請業務は電子化できます。紙媒体での申請では必要だった手渡しや郵送といった作業やその時間的コストを削減し、申請から承認完了までの時間を大幅に短縮できます。また、申請や差し戻し、承認依頼が発生したタイミングで担当者に通知が来るので、見落としのリスクを抑える事が可能です。承認プロセスの迅速化は業務全体のスピードアップにも繋がり、職場全体の生産性の向上をもたらします。
進捗状況の可視化
ワークフローシステムを確認すれば、申請した書類がどこまで進んでいるかが簡単に分かります。紙運用時はどこで停滞しているかを確認するには、‘人が人に確認する’以外方法はなく、時間をロスしていました。しかし、ワークフローシステムでは停滞先が即座に分かり、ピンポイントで催促することも可能です。このように申請・承認フローを可視化することによって、担当者間・部署間の連携を改善し、ワークフロー自体を見直せます。
多様なワークスタイルに対応
スマートフォンやタブレット端末などマルチデバイスでの操作に対応している製品が数多くあります。モバイルを活用すれば担当者がテレワーク中や外出先でも都合の良いタイミングで承認・決裁がおこなえるため、柔軟なワークスタイルを実現可能です。
内部統制の強化
申請・承認業務を可視化したり、申請・承認のルールをシステム化したりすることによって、書類の改ざんなどの不正を抑止し、組織のガバナンスを強化できます。申請・承認フローがすべて電子化されますので、情報漏洩のリスクを未然に防ぐことにもつながり、内部統制やコンプライアンスの強化ができます。
続いて、kintoneの導入メリットです。
業種・業務を選ばない
特定の業種・業務に向けたサービスではなく、Webデータベース開発プラットフォームであるため、あらゆる業種・業務で利用可能です。顧客情報や案件情報、売上情報、プロジェクトの進捗状況、ワークフローの申請状況など、チームや仕事に必要なあらゆる情報を管理、リアルタイムに共有できます。
ノーコードで誰でも使える
業務に必要なシステムをプログラミングの知識を持たなくても使用できます。なぜなら、ノーコードでWebブラウザ上にてドラッグ&ドロップ等で作成ができますので人を選ばず、構築・運用が可能です。
コミュニケーションの簡潔化
社内外問わずすべてのコミュニケーションを簡潔化できます。業務内容によって関わるメンバーや情報の整理が可能です。統一した形式によるデータ入力や、データに紐付けたコミュニケーションが簡単に行えます。
一元管理が可能
あらゆる情報を一元管理することで、業務全体を見える化。仕事の質や処理速度がアップします。データの登録・共有はもちろん、集計やグラフ化も簡単に行えます。
豊富な外部サービス連携
連携APIを活用し、外部サービスや基幹システムとデータ連携することで、kintoneの持つ機能の拡張が可能です。上記のようにkintoneは様々な業種・業務において利用が可能です。なかでもやはり最大のメリットは業務システムをプログラミングの知識を持たなくても、ノーコードで作成、アプリ作成時の変更が可能な点があげられます。
ワークフローシステムとKintoneの併用ポイント
Kintoneでは基本機能の「プロセス管理機能」を利用してワークフローのように使う事が可能です。ただし、申請・承認業務に特化したワークフロー専用システムではないため、専用システムで実現できることでもkintoneだけでは実現が困難な場合があります。そこで今回は2つの運用方法についてご説明致します。
【併用するためのポイント】
- 利用組織が限られており、シンプルな申請・承認業務フローの場合
kintone基本機能のワークフロー機能でも申請、承認、拒否、条件分岐等が実現できますので、シンプルなワークフロー運用であれば可能です。kintone内のデータを利用出来る事、追加費用が不要である事がメリットです。 - 利用組織が大きく、複雑なルールが存在する申請・承認業務フローの場合
ワークフロー専用システムでは、例えば稟議などの申請がどういう経路で設定され今どこまで進んでいるかなどが簡単に把握でき、申請毎の参照権限を細かに設定できることや、申請取戻し、代理申請・承認、OR承認等、今まで紙で行っていた申請業務そのままのイメージで利用することを前提とした標準的機能が多数搭載されています。このようなワークフロー専用機能は、主要目的が異なるkintoneの基本機能内では実現が難しいものもあり、プラグインやカスタマイズが必要となります。また、設計が複雑になり、運用メンテナンスも非常に困難になるためあまりお勧めできません。 - 申請・承認フローとデータ管理業務を分担、併用利用が効果を発揮
ワークフロー専用システムで承認されたデータは、システム上で簡単に検索し確認することが可能ですが、異なる申請に含まれる情報をデータレベルで集計・統合し管理していくことは苦手です。そういったケースにおいてはkintoneとの連携、併用利用が効果を発揮します。
ワークフロー専用システムでは、システムのデータベースに情報が蓄積されていきますので、蓄積されたデータから必要なデータを出力しkintoneに一括登録したり、APIによる連携を行うことで、申請・承認フローとデータ管理業務を分担し、それぞれの強みを生かした運用が実現できます。
kintone単独で複雑な承認処理に困った場合や、ワークフロー専用システム単体で承認後データの管理まで自動化したい場合などの場合にお勧めの利用形態です。
現状の申請・承認業務から何を改善すべきなのかを明確にし、それがkintoneのプロセス管理機能の標準範囲内で対応可能かを確認してみましょう。「プロセス管理機能」=「ワークフロー専用システムの機能」ではない事を認識した上で、利用するユーザー数、組織規模、必要な承認機能、メンテナンス性、費用を加味した検討をお勧めいたします。
まとめ
ここまでご説明したように、業務の見える化や業務効率化の実現のためにはワークフロー専用システムやkintoneは非常に便利です。システムを導入、運用していく事は常に変化していく社会を生き抜く企業様にとっては必須ツールと言えると思います。まだ導入されていない企業様は是非とも前向きにご検討頂きたく思います。
そこでシステム導入、活用において非常に重要なポイントをお伝えします。それはズバリ、「メンテナンス性」です。いくら安価なシステムでも、どんなに優れたシステムでも導入後のメンテナンス性が悪ければ、システムはどんどん陳腐化していき、使われないものとなってしまいます。それでは導入しても全く意味がありません。
今回、ご紹介したkintoneの最大のメリットとして「業務アプリをプログラミングの知識を持たなくても、ノーコードで作成、変更が可能な点」を挙げた事もメンテナンス性に繋がります。人を選ばず(非属人化)、いつでもだれでもシステムのメンテナンスが可能である事は導入時だけではありません。導入後に必ず発生する業務・組織の変更に合わせて、柔軟にシステムの変更が可能な事、は非常に重要なのです。
同様にワークフローシステムも業務の中心となるシステムなので、「メンテナンス性」は重要です。そこで、導入のし易さ、メンテナンス性が高いワークフローシステムをご紹介致します。
「Excel申請書がそのまま使えるAppRemo(アップリモ)」です。
一般的なワークフローシステムの申請フォームの作成は、Webフォームで設計・登録が必要です。その場合、システム管理者 = 専門的な作業 = ITスキルのある人が必然的に担当しなければなりません。それでは属人化されてしまい、メンテナンス性が高いとは言えません。
AppRemoは「だれでも申請書フォームが作成可能」なワークフローシステムです。その特長は、Excel(エクセル)フォームで申請書が簡単に作成・変更・登録ができるところです。エクセルはどんな企業にも慣れ親しまれたツールですので、使いやすさは折り紙付きです。
エクセルで作成できるメリットはたくさんあります。エクセルフォームは専用作成ツールではないため、エクセルフォームを使い申請書フォームを作成する時は、ITの専門知識は不要です。よって情報システム部門ではなく、現場(各事業部門)で申請書のフォーム作成ができるのです。その結果、迅速に申請書フォームの作成が可能となります。
これまでのエクセル申請書がそのまま使えて、専門的なスキルは不要のワークフローシステムのAppRemoは日本人にピッタリであり、どの企業様でも効果を発揮できるのはないでしょうか?AppRemoに関する詳しい資料をぜひダウンロードいただき、ご覧いただければ幸いです。
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