ワークフローシステムとは?
簡単に解説!基礎知識を理解しよう!

 2025.04.15  株式会社システムエグゼ

企業の業務効率化を進める上で、ワークフローシステムの導入を検討する担当者は多いでしょう。また、「そもそもワークフローとは何か」「システム導入でどんな効果があるのか」など、基本的な事項を詳しく知りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。本記事では、ワークフローの基本からシステムの概要、主な機能や導入のポイントまで、分かりやすく解説します。

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簡単に解説|ワークフローシステムとは

まず、「ワークフローシステム」とは、どのようなシステムなのか解説します。

「ワークフロー」とは

ワークフローとは、企業や組織内で業務を進める際の一連の流れを指します。特に、申請や承認が必要な業務では、担当者ごとの役割が決められ、手順に沿って処理されるのが一般的です。

例えば、備品を購入する場合、申請者が購入申請書を作成して上司へ提出した後、管理部門や経理担当者のチェックを経て、最終的に総務担当者が発注を行います。業務の種類によっては、部長や役員の承認が必要になるケースもあるでしょう。

ワークフローを明確に定めておくことで、手続きの漏れを防ぎ、業務の円滑化につながります。また、フローを可視化することで、作業の進捗を把握しやすくなり、業務改善にも役立ちます。

ワークフローシステムとは

簡単にいうと「申請から承認、決裁、保管に至るまでの流れを、自動化するシステム」を指しています。申請者は、画面上で一元管理された申請フォームの中から、適切なものを選んで申請書を作成します。作成された申請書は内容にしたがって、自動的にしかるべき承認者に送信される仕組みです。なお、決裁された書類はデータや電子ファイルとして、自動的に保管されます。

また、申請内容に適した書類を探す手間を省いたり、書類の停滞を防いだりするなどの効果が期待できるので、社内のIT化を図れるでしょう。また、業務の流れを円滑にするだけではなく、さまざまなメリットを享受できます。

グループウェアのワークフロー機能との違い

グループウェアのワークフロー機能と、専用のワークフローシステムには大きな違いがあります。グループウェアのワークフロー機能は、主に情報共有やコミュニケーションを目的としており、簡易的な申請・承認業務には対応できます。
しかし、承認フローの細かい設定や外部システムとの連携には制限があるため、複雑な業務プロセスには適していません。

一方、専用のワークフローシステムは、申請・承認の自動化や業務の可視化を目的としており、柔軟な承認ルート設定やデータ活用が可能です。企業の業務効率化を本格的に進める場合は、専用のワークフローシステムの導入が効果的です。

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ワークフローシステムを導入するメリット

ここでは、ワークフローシステムの導入により得られるメリットについて、6つ紹介します。

メリット1|業務の効率化

ワークフローシステムを導入することで、業務の効率化が大きく向上します。従来の紙やメールを使った申請・承認業務では、書類の作成や回覧、承認の待ち時間が発生し、手間がかかることが課題でした。しかし、ワークフローシステムを活用すれば、申請から承認、決裁までのプロセスをデジタル化し、自動で処理を進められます。

また、過去の申請履歴の検索や、申請内容のテンプレート化も可能なため、作業の手間を削減できます。

メリット2|業務のデジタル化

ワークフローシステムを導入することで、業務のデジタル化が進み、紙の申請書や押印の必要がなくなります。従来の紙ベースの業務では、書類の作成・印刷・保管・回覧などに時間やコストがかかるだけでなく、紛失のリスクや管理の手間も発生していました。

ワークフローシステムを活用すれば、全ての申請・承認手続きをオンラインで完結でき、遠隔地からの申請・承認もスムーズに行えます。

メリット3|決裁の遅延防止・進捗状況の可視化

システムを活用すれば、申請書類は自動で承認者・決裁者に回ってくるため、回し忘れなどで決裁が遅れるリスクを減らせます。また、社内にいなくても承認が可能なので、外出中や欠勤、出張中などであっても、滞ることなく決裁業務を進められるでしょう。それにより、申請から決裁までにかかる時間の短縮を見込めます。

さらに、現時点で書類が誰に回っているのかを可視化できるため、業務の停滞や他の業務への支障を防ぐ効果が期待されます。

メリット4|データの有効活用

ワークフローシステムを導入すると、業務プロセスが電子化され、データの蓄積と有効活用が可能です。これにより、過去の申請内容や承認履歴を容易に検索・分析でき、業務改善や意思決定に役立てることができます。

さらに、データの自動集計やグラフ化機能の活用で、全体の状況把握や報告書作成の時間を短縮できます。また、他の業務システムとの連携で、データの一元管理が可能となり、さらなる効率化が実現するでしょう。

メリット5|多様な働き方に柔軟に対応

ワークフローシステムの導入により、申請・承認業務が電子化され、時間や場所にとらわれずに業務を遂行できるようになります。 これにより、テレワークやリモートワークなど、多様な働き方に柔軟に対応可能です。

また、外出先や出張中でもスマートフォンやタブレットを利用して申請・承認が行えるため、業務の停滞を防ぎ、生産性の向上に繋がります。 さらに、ワークフローシステムは業務プロセスの可視化を実現し、進捗状況の把握やボトルネックの発見が容易になるでしょう。

メリット6|内部統制を強化

ワークフローシステムの導入は、企業の内部統制を強化する上で非常に有効です。申請・承認プロセスをシステム化することで、業務フローの標準化と可視化が進み、不正やミスの防止につながります。

また、承認履歴や操作ログが自動的に記録されるため、監査時の確認作業がスムーズになる点もメリットです。さらに、アクセス権限の設定によって情報漏えいやデータの改ざんを防げるため、セキュリティレベルの向上にも貢献します。

ワークフローシステムの基本的な機能

では、ワークフローシステムにはどのような基本的な機能があるのでしょうか。以下より解説します。

申請フォームの作成

申請時に使用するフォームの作成が、システム上で行えます。必須設定や入力制限機能の付加ができるものであれば、申請時の入力ミスの未然防止に役立ちます。

申請・承認ルートの設定

申請から最終決裁までの承認経路を事前に設定する機能が備わっています。承認者の複数設定や指名設定などが可能です。また、申請金額などの特定の条件をもとに、承認経路を個別に設定する、といった承認ルートの柔軟な分岐設定ができるものもあります。

承認依頼通知・承認・回覧機能

申請から決裁完了までの間に、必要な機能として承認依頼通知や承認機能などが付与されています。

承認依頼通知機能

承認依頼通知は、承認者に申請書が届いたことをメールやポップアップで知らせる機能で、確認の遅れを防ぐ効果が期待できるでしょう。

承認機能

承認機能に関しては、申請された案件に対しての承認や差し戻し、保留や否認が行えます。また、情報共有を目的に、関係者間で申請書の閲覧が可能です。

回覧機能

回覧者は申請の進捗状況を確認できるため、どこかで滞っている場合でも、該当者に直接対応を促せます。

外部システムとの連携・便利な通知機能

外部システムと連携することで、より一層の業務効率化を図れるでしょう。外部システムの種類には、経費精算システムや会計システム、人事システムなど、さまざまなものが想定されます。連携することで通知に気付きやすくなったり、システム状況を外出先から確認できたりといったメリットがあります。

内部統制やセキュリティ対策の強化

ワークフローシステムを導入することで、申請書毎の承認フローが整備され、承認者の誤りや情報漏えいを防ぐことができ、内部統制の強化につながります。また、申請データは全てシステムに保存されるので紛失リスクを最小限にし、セキュリティ強化にも効果を発揮します。

ワークフローシステムの活用法|効率化できる業務内容と対応部署

ワークフローシステムの活用法|効率化できる業務内容と対応部署

ワークフローシステムは、各部門のさまざまな業務プロセスを効率化し、組織全体の生産性向上につながります。具体的な業務内容と対応部署を紹介します。

稟議(部署共通)

稟議は、企業や組織内で重要な事項を申請し、承認を得るための手続きです。しかし、紙の稟議書やメールを使った申請では、承認者が不在で処理が遅れる、どこで止まっているのか分かりにくいといった課題が発生しやすくなります。

ワークフローシステムを導入すれば、稟議の申請・承認プロセスを可視化でき、進捗状況の把握が容易です。また、承認依頼の自動通知やモバイル端末での承認にも対応できるため、手続きをスムーズに進められます。

会議資料(部署共通)

会議資料の作成・共有は、多くの企業で欠かせない業務の1つです。しかし、紙やメールでのやり取りでは、最新の資料がどれか分からなくなる、修正の反映に時間がかかるといった問題が発生しやすくなります。

ワークフローシステムを導入すれば、資料の提出・承認・共有を一元管理でき、関係者全員が最新の情報にアクセス可能です。また、修正依頼や承認フローをシステム上で完結できるため、確認作業の抜け漏れを防ぎつつ、効率的に進められます。

総務部門:社内掲示板

社内掲示板は、従業員への重要なお知らせや規程の共有、イベント情報の告知などに活用されます。しかし、紙の掲示やメール配信では、情報が見落とされやすい、更新管理に手間がかかるといった課題が生じることがあります。

ワークフローシステムを導入すれば、掲示内容の作成から承認、公開までを一元管理でき、適切な手続きを経た情報のみを発信可能です。また、更新履歴が自動で記録されるため、常に最新情報を維持しやすくなります。

人事部門:社員の目標管理

社員の目標管理は、人材育成や業績向上に欠かせない業務の1つです。しかし、紙やスプレッドシートを使った運用では、申請・承認の手間がかかる、進捗状況を把握しにくいといった課題が生じることがあります。

ワークフローシステムを導入すれば、目標設定から進捗管理、評価までを一元化でき、手続きをスムーズに進められます。また、承認フローの自動化やリマインド機能により、未対応者への対応漏れを防ぐことが可能です。

営業:見積書の審査

見積書の審査は、営業活動の中でも重要な業務の1つです。しかし、紙やメールでの運用では、承認に時間がかかる、修正の履歴が分かりにくいといった課題が発生しやすくなります。

ワークフローシステムを導入すると、見積書の作成・提出・承認の流れを一元管理でき、進捗状況の可視化が可能になります。また、金額や取引先に応じた承認ルートの自動設定により、適切な判断を迅速に行えるのもメリットです。

開発部門:顧客の声の管理

開発部門にとって、顧客の声の管理は製品やサービスの品質向上に欠かせない業務です。しかし、メールやスプレッドシートで対応すると、情報が分散し、対応漏れや共有の遅れが発生しやすいという課題があります。

ワークフローシステムを導入すれば、顧客の意見や要望を一元管理でき、対応状況をリアルタイムで把握できます。また、重要度や緊急度に応じた処理フローを自動化できるため、迅速な対応が可能です。

ワークフローシステムを選ぶときのポイント

ワークフローシステムを選ぶときのポイント

ワークフローシステムを選定する際には、以下の5つのポイントを考慮することが重要です。

自社の申請フォーマットに適しているか

ワークフローシステムを選ぶ際は、自社の申請フォーマットに適応できるかを確認することが重要です。既存のフォーマットをそのまま利用できれば、スムーズな移行が可能になります。

また、入力項目やレイアウトを柔軟にカスタマイズできるかもポイントです。プルダウンやチェックボックスなどの入力形式を設定できるシステムなら、入力ミスを防ぎ、業務の標準化にも繋がります。自社の運用に合ったフォーマットを設定できるか、事前に確認しましょう。

自社の承認ルートに対応できるか

ワークフローシステムを導入する際は、自社の承認ルートに対応できるかを確認することが重要です。企業ごとに承認フローは異なり、申請内容や金額によって承認者が変わるケースもあります。

そのため、複数の承認者設定や条件分岐に対応できるかをチェックしましょう。特に、承認ルートの変更が簡単にできるシステムなら、組織改編や業務変更にも柔軟に対応できます。適切な承認ルートを設定できるか、導入前に確認しておくことが大切です。

自社で利用しているグループウェアと連携できるか

ワークフローシステムを選ぶ際は、自社で利用しているグループウェアと連携できるかを確認することが重要です。既存のグループウェアと連携できれば、申請・承認業務を一元管理でき、従業員の負担を軽減できます。

また、シングルサインオン(SSO)に対応している点もポイントです。SSOを活用すれば、複数のシステムに個別ログインする手間を省き、利便性を向上できます。
さらに、カレンダーや通知機能と連携できると、申請や承認の抜け漏れを防ぐ効果も期待できるでしょう。

コストは最適か

ワークフローシステムを選ぶ際は、導入・運用コストが自社の予算に合っているかを確認することが重要です。システムによって、初期費用や月額料金、ユーザー数に応じた課金形態などが異なります。

また、コストと機能のバランスも考慮する必要があります。必要な機能を備えつつ、無駄なコストが発生しないシステムを選ぶことで、費用対効果を最大化できます。さらに、無料トライアルやサポート体制の有無を確認し、コストに見合う価値があるかを事前に検討しましょう。

導入サポートや無料トライアルはあるか

製品の中には、導入サポートや無料トライアルを設けているものもあるため、システムの導入が初めての場合は、これらを活用すれば、安心して選定・導入を進められます。

なお、「AppRemo」では、1カ月間の無料トライアルを実施しています。AppRemoは、お持ちのExcel申請書をそのまま申請フォームとして利用でき、申請データの出力・集計が容易に行える点が特徴です。トライアル環境には、申請書テンプレートなどのサンプル情報も設定されているので、お申込後すぐに利用できます。ぜひ「AppRemo」の使いやすさをお試しください。
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ワークフローシステムをリプレイスするタイミングは?

ワークフローシステムをリプレイスするタイミングは?

ワークフローシステムのリプレイスは、現行システムに課題がある場合や業務の変化に対応できなくなったときが適切なタイミングです。具体的には、操作性の悪さやエラーが頻発している、保守費用が高騰している、システムの老朽化やサポート終了が迫っているといったケースが挙げられます。

また、他システムとの連携強化や新機能の追加が必要になった際も、リプレイスを検討すべきポイントです。業務効率化やコスト削減を図るため、最適なタイミングを見極めましょう。

まとめ

ワークフローシステムを導入することで、決裁の遅延防止や進捗状況の可視化ができるだけではなく、一覧の作業の手間やコストの大幅なカットも可能です。決裁作業にかかっていた時間を、他の業務にあてられるので、全社的な業務効率の向上も期待できるでしょう。

なお、初めての選定・導入に不安がある場合は、各製品の営業へ直接問い合わせをしたり、導入サポートを活用して、自社に適切なシステムかを納得するまで確認していきましょう。

具体的な導入方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

本ブログがワークフローシステム選定にお役立ていただければ幸いです。


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