ワークフローシステムの導入により、企業の業務プロセスが大幅に効率化されることをご存知ですか?ワークフローシステムは、申請書の作成や承認フローの設定、外部システムとの連携など、さまざまな機能を備えている業務効率化の味方です。本記事では、ワークフローシステムの基本機能や具体的なメリット、活用方法について詳しく解説します。
【簡単解説】ワークフローシステムとは?
ワークフローとは、「ある業務の一連の流れ」を指します。これらの業務の流れを電子化し、効率的に管理するためのシステムがワークフローシステムです。例えば、請求書処理なら、申請→上長承認→経理処理→支払い、といった流れをシステム化します。誰が、何を、いつまでにやるのかが明確になり、業務の効率化、迅速化、可視化、標準化を実現します。
なお、ワークフローシステムについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
ワークフローシステムの6つの基本機能
ここからは、前述したワークフローシステムの6つの基本機能について、それぞれ詳しく解説します。
1. 申請書の作成機能
各種申請の書類を作成する機能です。システムによってはテンプレートを利用した申請書の作成や、Excelを利用した申請書フォーマットの作成などもできます。申請に関連する情報として添付ファイルを追加したり、補足コメントを記載したりできる機能もあります。ワークフローシステムによっては、代理で申請を起票して提出できるものもあります。
ワークフローシステムを導入していない場合には、各種申請書を白紙の状態から作成する必要があり、時間や手間がかかります。また、申請書類や申請方法がわからない場合もありますが、ワークフローシステムを導入していれば「申請はワークフローシステムで行う」というルールさえ周知できていれば、このような課題も解決できます。
2. 申請書の検索、履歴表示機能
多くのワークフローシステムでは、申請者や承認者の情報、案件名、申請時期などの複数のフィルターによって過去の申請データを検索できるため、該当の申請をすぐに確認することが可能です。一方、ワークフローシステムを導入していない企業では、過去の申請書の確認が非常に不便になります。特に紙媒体での運用では、申請書の検索性が極めて低く、必要な情報を見つけることに多大な時間と労力を費やすことになります。
現在、多くの企業がエクセルファイルを使用して申請書を管理していますが、これにも課題があります。デジタル化して保管している場合でも、ファイル名やフォルダ構造の命名規則などを徹底していないと、目的の申請書を容易に見つけ出すことは困難です。さらに、申請書の修正や承認のやり取りを重ねるうちに、ファイル名が変更されていき、最新版がどれなのかわからなくなるケースも少なくありません。
しかしながら、多くの従業員が使い慣れているエクセルファイルのまま申請業務を行いたいという需要も依然として高いのが現状です。このようなニーズに応えるためには、エクセルファイルをそのまま使用できるワークフローシステムの導入がおすすめです。
3. 申請、承認フローの設定機能
ワークフローシステムでは、システム側で申請者の組織情報やユーザー情報を取得し、あらかじめ各申請に応じた承認ルートや承認ステップを設定しておくことが可能です。人事システムと連携させて、承認ルートに反映させるケースも多く見受けられます。
ワークフローシステムによっては、承認フローを詳細に設定できるものもあります。たとえば、承認ステップとして承認者・決裁者・閲覧者の指定をしたり、1つの承認ステップに複数の承認者を指定したり(グループ承認)、申請者が特定の役職の場合に承認ステップを省略したりするなどの機能が挙げられます。また、承認ルートの一部をテンプレートとして複数の承認ルートで使い回すことや、選択肢や金額などの条件に応じて承認者・決裁者を変更したり承認の段階を増やしたりといった、条件分岐による承認フローの自動判定も可能です。
ワークフローシステムを導入していない場合、組織変更などにより承認ルートが変更になった際は、承認ルートの変更を申請者にメールなどで周知する必要があります。しかし、周知漏れや承認ルートが変更さされたことを忘れるなどして、混乱する申請者が発生してしまうケースも存在します。加えて、申請書によって承認ルートが変わるため、承認ルートが複雑になり、社内に浸透せず申請未対応や申請漏れが発生する懸念もあります。
4. 承認、差し戻し、却下の決定機能
ワークフローシステムで作成された申請書は申請後に起票され、承認手続きへと進んでいきます。承認ルートは、先ほどの承認フローで設定されたルールに基づき、自動で振り分けられます。
ワークフローシステムには、「承認」「差し戻し」「保留」「委任」「却下」「引き取り」「取り戻し」などの承認手続きの機能が搭載されていて、どのような承認ルートになっているかを参照できます。場合によってはルートの変更や承認メンバーの追加といった操作も可能です。
また、申請書のステータスが変更されたり、差し戻しや却下があったりした際、申請者に通知される機能も実装されています。同様に、承認が必要な申請書が起票された場合は、承認者に通知されます。
通知の方法はワークフローシステムによって異なりますが、ワークフロー画面上でのポップアップ、メール、チャットなどで通知されるのが一般的です。承認者から申請者宛に追加情報の提出や再申請が必要な旨を通知し、申請者は申請内容にしかるべき対応を行い、再申請を行います。
ワークフローシステムを導入していない場合、申請者自身が承認者から個別に承認を得て、押印やサインをもらう必要があります。しかし、承認者は上長となるケースが多く、外出が多く捕まらなかったり、多忙の際は対応を後回しにされたり、そのまま忘れられたりすることも少なくありません。承認者一人ひとりの空き時間を狙って依頼するとなると、申請者側の負担はかなりのものとなります。
その点、ワークフローシステムであればシステム上で手続きが完結するため、申請・承認作業の円滑化が期待できます。さらに、手続きの進捗が可視化されるので、承認プロセスのどこで滞留しているかも一目でわかります。
5. 外部システムとの連携機能
ワークフローシステムの中には、販売管理システムや見積システム、会計システムといった外部システムとの連携機能が備わった製品もあります。各システムと連携することにより、PDF出力やCSV出力、Excelファイル入力などの操作が可能になり、各種システム間のデータ移行がスムーズに行えるため、業務効率の大幅な向上が期待できます。
外部システムと連携することには多くのメリットがあります。たとえば、出退勤システムと連携させることで、残業申請の提出、上席の承認、申請・承認の証憑付与といった一連の流れを、出退勤システムにそのまま反映させることが可能です。また、リアルタイムでのデータ更新も可能になるため、関係者が遅延なく閲覧でき、最新の情報に基づいたスムーズな作業につながります。
6. マルチデバイスでの管理・操作機能
PCだけではなく、スマートフォンやタブレットからも利用したい場合には、マルチデバイス対応のワークフローシステムが便利です。出張先や外出先でも、場所を選ばずに申請・承認処理を実行でき、BCP対策にも寄与します。たとえば、重要な承認が必要な場合でも、担当者がすぐに対応できるため業務の停滞を防止できます。
ワークフローシステムを導入するメリット
以下では、ワークフローシステムを導入する具体的なメリットを解説します。
ペーパーレス化につながる
ワークフローシステムを導入することで、紙の使用を大幅に削減し、ペーパーレス化を実現することが可能です。紙の印刷や決裁者の押印といった手間を省くことで、申請内容がスムーズに承認される効果も期待できます。紙の保管スペースや印刷コストも削減できるため、コスト面でも大きなメリットがあります。
ビジネスの迅速化につながる
決裁が必要な業務においてワークフローシステムを活用すれば、申請から承認までのプロセスを電子化し、紙での回覧を省略することが可能です。ビジネスにおける意思決定の迅速化が図れたり、フローがどこまで進んでいるかをシステム上で確認したりできます。承認依頼の行き違いや承認漏れといったミスが起こりづらくなるのも、業務効率化と迅速化に繋がります。
また、リアルタイムでの進捗管理が可能になるため、業務の透明性も向上します。
多様な働き方へと対応できる
ワークフローシステムを導入すると、外出先からでも承認を行えるようになるため、承認のためにオフィスに出社する必要がなくなります。テレワーク中や出張中の対応が可能となり、多様な働き方に対応できます。社員のワークライフバランスも改善され、業務の効率性を向上させることも可能です。
内部統制強化につながる
申請から承認のプロセスは全て履歴として残るため、後から確認することも容易です。この透明性により、企業内の内部統制が強化されます。内部統制の強化は、企業のコンプライアンス向上やリスク管理にも寄与するため、全体的な業務の健全性を保つ上で重要です。
なお、ワークフローシステムを用いた内部統制強化について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
ワークフローシステム導入時に押さえておきたいポイント
以下では、導入時に特に注意すべきポイントを解説します。
既存システムとの連携が可能かを確認する
まず、導入しようとするワークフローシステムが、自社の既存システムと連携できるかどうか確認することが重要です。たとえば、給与計算等の人事労務系のシステムや、契約書の管理に使用する電子契約システム、電子帳票システムなどと連携することで、一連の業務プロセスをスムーズに進行させることが可能です。これにより、データの二重入力や手作業によるミスの発生を防止でき、全体の業務効率向上が図れます。
ただし、システムの導入にあたっては、必要以上に機能を充実させたり、連携システムを増やしたりすることがないよう注意が必要です。導入する機能は、実際に使われると想定できるものに絞り込みましょう。
自社のセキュリティーポリシーとの整合性を確認する
ワークフローシステムで扱われる稟議書や各種申請書類には、社外秘の情報が含まれていることも少なくありません。そのため、システム側にも十分なセキュリティ対策が設けられていることが望ましいです。具体的には、データの暗号化やアクセス制限、監査ログの記録などが考えられます。
さらに、システム上で作成される書類以外にも、機密性の高い文書を電子化しワークフローに載せる際には、自社のセキュリティーポリシーに合致しているかを確認する必要があります。
簡単に使えるかを確認する
ITリテラシーが高くない社員が多い場合、複雑なシステムはかえって利用されず、導入したところで定着しない可能性があります。そのため、システムは誰でも直感的で使いやすく、必要な機能に絞ったものを選びましょう。
たとえば、複雑な承認ルートを設定する必要がない企業では、ワークフローシステムをできるだけシンプルに構築することで、社員が抵抗なく利用できるようになります。システムの定着率が向上すれば結果的に、業務効率化の効果を最大限に引き出すことにもつながります。
まとめ
ワークフローシステムには、申請書の作成から承認フローの設定、外部システムとの連携、マルチデバイスでの操作など、多岐にわたる機能が備えられており、企業のさまざまなニーズに対応できます。これらの機能を効果的に活用することで、業務の透明性が高まり、迅速な意思決定が可能となります。また、ペーパーレス化やリモートワークの推進にも寄与し、柔軟な働き方を支援できることも特徴です。今後のビジネス環境の変化に対応するためにも、ワークフローシステムの導入を検討してみてください。
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