働き方改革の推進や感染症対策にともない、テレワークの導入を考えている企業は少なくありません。すでに導入しているものの、課題を抱えている企業担当者の方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、テレワークにおける主な課題や、対策について分かりやすく紹介します。
テレワークにおける課題とは
まずは、テレワークにおいて想定される課題について整理してみましょう。コミュニケーション、申請・承認業務、勤怠管理、セキュリティ、4つの面に分けて考えることができます。
コミュニケーションに関する課題
テレワークを導入することで、従業員が同じ空間で作業する機会が少なくなります。その結果、直接顔を合わせて会話する機会も減少し、コミュニケーション不足に陥りやすくなる点が問題です。わざわざ連絡を取ることが面倒になり、メンバーとのコミュニケーションに消極的になる人もいるでしょう。
電話やメールで伝えるにも、会ったときのようにスムーズなコミュニケーションを取れず、業務の進捗状況や問題点をチーム内で共有しにくくなることがあります。結果として業務に滞りが出る可能性もあり、会社全体の生産性にも影響を及ぼしかねません。
また、周囲に同僚がいないことで、仕事中に孤独を感じる人が出てしまうこともあるでしょう。同じ空間にいれば、雑談をしながら相手の様子を感じ取れるものの、テレワークになるとそれが難しくなります。そのため、周囲の人が問題に気付くのも遅くなってしまう恐れがあり、注意が必要です。
申請・承認業務に関する課題
一般的に申請・承認業務は、申請内容を上司など複数人が確認し、それぞれの承諾印を押して決裁が行われています。従来の紙ベースの承認フローを継続する場合、申請・承認業務のために出社が必要になり、テレワーク中でも「ハンコ出社」をしなければなりません。
承認者がいるタイミングを見計らって出社しないといけないため、業務の進捗が承認者の行動に依存しがちになります。特に複数人の押印が必要なものだと、決裁までの時間が長くかかり、業務が滞りかねません。
テレワーク期間中に、ハンコやサイン、または紙書類の確認のために出社した経験があると答えた人は6割以上にのぼるという調査もあります。テレワークを導入する場合、紙ベースの承認フローを従来通り続けていくのは、限界があるといえるでしょう。
・「参考サイト」
勤怠管理に関する課題
テレワークの場合、顔を合わせて働く場合に比べて上司の目が届きにくく、部下の勤務状況を把握することが難しくなります。上司に見られていないからと、勤務時間中に別のことをする社員もいるかもしれません。
一方で、勤務時間内に業務が終わらず、勤務時間外や休日に作業してしまう社員も出てくるでしょう。過労によって身体的・精神的ストレスがたまり、気が付いたときには症状が深刻になっている可能性もあるのです。
また、子育てや介護をしている社員は、勤務時間中に仕事を離れざるを得ないこともあるでしょう。そのような場合、正確な労働時間を把握しにくい点が問題となります。
セキュリティに関する課題
テレワークをする社員に対して、企業がパソコンを貸し出す場合は、セキュリティソフトが導入されていることが多いため比較的安全といえます。一方、個人のパソコンを業務用に使用する場合は注意が必要です。
十分なセキュリティ対策が行われていないと、ウイルス感染を引き起こす可能性が高まります。また、業務に関係のないサイトを閲覧したり、ソフトウェアをインストールしたりすることで、マルウェア感染してしまうこともありえるので気を付けましょう。
ほかにも、ノートパソコンやタブレット端末などを持ち出すことにより、紛失や盗難の被害に遭う恐れもあります。
マルウェア感染や端末の紛失・盗難による情報漏えいや改ざんのリスクへの対策を、これまで以上に強化しなければなりません。
テレワークにおける課題への対策
ここからは、上記で紹介した課題を踏まえて、どのような対策があるかを紹介します。多くの対策の中でも特に必要なものを取り上げますので、自社でまだ導入または整備していないものがないか、確認してみてください。
ツール・ソフトウェアの導入
コミュニケーションに関する課題に対しては、チャットやWeb会議システムなどを組み合わせて利用するのが効果的です。チャットはチーム内での情報共有のため以外にも、雑談するためのツールとして利用すると良いでしょう。Web会議システムではお互いの顔を見ながら話せるため、直接会うときと同じような感覚で会話ができます。
申請・承認業務に関する課題に対しては、ワークフローシステムの導入を検討しましょう。ワークフローシステムは、申請や承認業務の効率化を目指して開発されたシステムです。システム上で手軽に申請や承認ができ、必要に応じて複数の承認者に自動で回付されるため、出社の必要がありません。
申請から承認までの流れがスピーディーかつスムーズになり、業務効率化にも繋がります。さらに、電子化することで書類の印刷代や郵送費などのコスト削減になるほか、持ち運ぶ際の紛失リスクも減らせるなど、多くのメリットがあります。
勤怠管理に関する課題については、勤怠管理機能システムの導入がおすすめです。他システムと連携させ、業務に必要なシステムへアクセスできる時間を制限することで、業務時間外や休日などの長時間労働を防止できます。
セキュリティに関する課題に対しては、ウイルス対策ソフトやVPNなどの使用が効果的です。マルウェア感染によるリスクを減らせますし、通信内容を保護することで第三者の介入を防げるでしょう。
ルール・仕組みの整備
定期的にミーティングを開くなど、社員同士でコミュニケーションが取れる機会を意識的に作る必要があります。
勤怠管理のため、メールや電話で報告するなどのルールを設けましょう。社員に企業から管理されている意識を持たせることで、業務時間とプライベートの線引きをしやすくし、安心して働ける仕組みを整えられます。企業側も労働時間を管理することで、社員の過労を防げるでしょう。
社員からの自己申告に不安があるなら、パソコンの使用状況を記録する操作ログ機能がついているシステムを利用し、上司が定期的にチェックすることもできます。
また、パソコンやタブレット端末の紛失や盗難が起きないように、社員自身が高いセキュリティ意識を持って端末管理を行わなければなりません。ほかにも、不要なソフトウェアのダウンロード禁止や、公衆Wi-Fiを使用する際はVPNの利用を求めるなど、セキュリティに関するルールを整備し、社員へ周知していくことが必要でしょう。
まとめ
テレワークの導入にあたっては、コミュニケーションや申請・承認業務、勤怠管理、セキュリティに関する課題に取り組まなければなりません。しかし、チャットツールやワークフローシステム、ウイルス対策ソフトを導入し、ルールや仕組みを整備することで、課題を解決していけるでしょう。
なお、ワークフローシステムの一つに、「AppRemo(アップリモ)」があります。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末を使って申請や承認業務ができる、使い勝手のよいツールです。チャット機能があって申請情報についてやり取りができ、コミュニケーションもスムーズに行えます。
申請書はExcelで作成し、そのまま申請できるため、誰でも簡単に利用できるでしょう。ペーパーレス化を進めれば書類の紛失リスクを減らせるので、セキュリティ面でもメリットがあります。
テレワークを開始する際は、「AppRemo」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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