近年導入する企業が増加している「テレワーク」。新型コロナウイルスの影響もあり、導入を開始した、あるいは検討している企業も多いことでしょう。一方で「導入する場合にはどんな準備が必要なのだろうか」「労務管理はどのようにすればよいのだろうか」など、様々な疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、テレワークに関して相談できる窓口をいくつか紹介します。テレワークの導入についてお困りの場合には、ぜひ参考にしてください。
テレワークに関する主な相談先
テレワークを導入する際や導入した後に、疑問点や不明点が出てくることもあるでしょう。そんな疑問は、主に次のような窓口で相談できます。
厚生労働省:テレワーク相談センター
「テレワーク相談センター」は、厚生労働省の委託を受け、「日本テレワーク協会」が運営している窓口です。
企業を対象とした相談窓口で、対面による面談に加えて、電話やメールでも受け付けています。面談には予約が推奨されており、費用は無料です。また、テレワークの導入に従事した経験を持つ、人事や労務管理の専門家による「訪問コンサルティング」も無料で行われています(最大5回まで)。
場所は都内のお茶の水ですが、飯田橋にもテレワーク相談コーナーが開設されています。
総務省:テレワークマネージャー相談事業
「テレワークマネージャー相談事業」は、総務省が専門家と認定した、豊富な実績を持つ「テレワークマネージャー」が、テレワークの導入を検討している企業に、無料でコンサルティングを行う事業です。令和2年度は、2020年4月から翌21年3月末まで実施されています。
コンサルティングは1回あたり最大6時間まで可能で、電話やWeb会議で行う場合は回数の上限はありません(直接訪問による場合は3回まで)。実際は「1回1~2時間、トータルで3回前後利用」というケースが多いようです。
東京テレワーク推進センター
「東京テレワーク推進センター」は、テレワークの普及推進によって企業の人材確保や生産性の向上を後押ししようと、国と東京都が共同で設置した施設です。主に都内の企業を対象に、各種の相談を無料で受け付けています。先述のテレワーク相談コーナーが入っているのも、この施設です。
相談だけでなく、テレワークに関するセミナーやイベントも多数開催されており、企業と求職者を結び付ける「マッチングイベント」も定期的に行われています。また、テレワークに必要な製品やサービスを体験できる「常設展示コーナー」も設けられています。
企業がテレワークを導入する目的
2020年5月に発表された総務省の調査によると、現在テレワークを導入している企業は20.2%で、導入を予定している企業も1割ほど(9.4%)という結果が出ています。
その理由としては、68.3%と7割近くの企業が「業務の効率性(生産性)の向上」を挙げています。それに次ぐのは「勤務者のワークライフバランスの向上」(46.9%)と「勤務者の移動時間の短縮・混雑回避」(46.8%)で、社員に配慮する姿勢もうかがえます。
また、「非常に効果があった」(25.9%)と「ある程度効果があった」(61.3%)を合わせると、およそ9割の企業が導入による効果があったと回答しています。
・参照元:「令和元年通信利用動向調査」
なお、新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークを導入する企業はその後も増加していると考えられます。
企業がテレワークを導入しない理由
一方、テレワークを導入していない、導入予定がない企業は7割近くにのぼります。その理由としては、「テレワークに適した仕事がないから」が74.7%と最も多くなっています。これに続くのは「情報漏えいが心配だから」(23.3%)と「業務の進行が難しいから」(22.3%)で、社内外のコミュニケーションに支障が出ることを懸念する回答も、2割近くありました。
また、「導入するメリットがよく分からないから」と答えた企業も1割ほど(10.2%)あり、テレワークに対する理解は、まだ十分に進んでいるとは言えないようです。
・参照元:「令和元年通信利用動向調査」
テレワーク導入のメリット
先述した通り、テレワークを導入した企業の多くが、導入による効果があったと回答しています。そこでここでは、テレワーク導入による主な効果を、2つ紹介します。
生産性・業務効率の向上
テレワークでは、個々の社員にとどまらず、会社全体の生産性や業務効率の向上が大いに期待できます。
社員は、基本的に出社する必要がなくなるので、通勤や移動に要していた時間を、業務にあてられます。もちろん、時間だけでなく精神的なストレスも解消され、急な来客や連絡などで作業が中断するようなこともありません。こうしたメリットによって、社員のモチベーションが高まれば、生産性や業務効率につながるでしょう。
また、介護や子育てのために優秀な社員が退職してしまうと、生産性や効率が大きく低下してしまう可能性があります。しかしテレワークを導入していれば、働き方を変えて継続して勤務してもらえることが可能です。
コスト削減
出社が必要なくなることにより、「コスト削減」というメリットがあります。通勤に要する交通費は当然不要であり、Web会議などを利用すれば出張も減らせるため、それに伴う交通費や宿泊費もかかりません。
また、机や椅子を並べて社員のワークスペースを確保する必要もないため、通信費や光熱費、パソコンのリース代なども節約できます。企業によっては、オフィス自体を不要とすることすら、可能です。
さらに、テレワークなら、紙の書類でやり取りすることはないため、印刷代なども削減できます。
もっと見る:テレワークとは?意味・働き方・導入方法・注意点などを簡単に解説
まとめ
テレワークを導入すれば、新型コロナウイルスなどの感染拡大防止だけでなく、業務効率自体の向上も期待できます。さらにICT(情報通信技術)が生み出す各種のツールを活用すれば、会社のオフィスと変わらない、あるいはそれ以上の業務が遂行できるでしょう。
しかし実際にテレワーク導入、運営を行っている企業は現実的にはまだまだ少数です。もしテレワーク導入に不安や疑問を抱えているなら、ぜひ、今回ご紹介した窓口で相談してみてください。
弊社には「テレワーク改善手順ガイド」というタイトルの資料があります。テレワークを導入したけど、問題点も多く発生している企業様向けに、課題整理マトリックス表や、ワークフロー導入前の改善手順ガイドがついています。ぜひダウンロードし、テレワークの改善にご活用ください。
また、テレワーク時の業務効率化に貢献するツールに、テレワークフローシステム「AppRemo(アップリモ)」があります。
これは申請・承認業務に特化したツールで、どのような場所からでもExcelで申請書を作成し、提出することを可能にします。かつ、それに対する承認も同様に、スマートフォンから行えるようになります。さらに、その場で、申請に関する質問や連絡ができる「簡易チャット機能」も備えていますので、煩雑になりがちな申請・承認フローを、その業務プロセスを「見える化」しつつ、迅速化できます。
テレワークを始める際は、ぜひ一緒に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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