多くの企業において、業務に欠かせないソフトウェアとして根付いているもののひとつが、表計算ソフトのExcel(エクセル)です。しかし、その存在が業務改善の妨げとなってしまうケースも、往々にしてあります。本記事では、Excel文化の脱却が求められる理由や、脱却をせずとも業務改善が叶うツール「AppRemo」を解説します。
Excel文化からの脱却が求められる理由
Excel文化の脱却が叫ばれるようになった理由として、主に以下の業務効率が低下するデメリットが挙げられます。
情報共有の即時性がない
Excelは、複数人で同時に行う作業にはあまり向いていません。ひとつのファイルを複数人で共有する場合は、共有ブック機能または共同編集機能を利用して、データの送信やクラウドへのアップロードなどの作業が必要ですが、即時性がなかったりExcelのバージョンに依存したりなど、制限があります。
共有ブック機能は、Excelのバージョンに関係なく利用できますが、最初にファイルを開いた人が編集している間に、次に開いた人が編集できないようロックがかかるなど、情報共有の即時性が失われるとともに、多くの制限も加わります。ファイルをコピーして別々に作業する人たちが現れますが、それでは複数のファイルが入り乱れ、フォルダ内に複数ファイルが存在する、編集状況が異なるファイルを上書きしてしまうなどのリスクがあります。最新の内容が反映されているファイルを判別するのに、無駄な時間を取られることが常態化しかねません。
共同編集機能は編集中にロックがかかることなく、複数人がリアルタイムで同時に作業できます。ただし、共同編集機能は、「Excel for Microsoft 365」の最新版がインストールされていることが前提です。共同編集者のPCのうち、1台だけでも旧バージョンのExcelがインストールされていると、ロックがかかってしまいます。
フォーマットが統一されずに管理されていることが多い
Excelは、ファイルのフォーマットやテンプレートを、自分の思い通りに決められる自由度の高さが利点ですが、それが災いになることもあります。社外で作成されたファイルはもちろん、社内で作成されたファイルであっても、いつの間にかデータが部署単位でオリジナルになっていたり、新しいバージョンで社内共有したデータが使われていなかったりと、フォーマットがバラバラになりがちです。
フォーマットが統一されていないと、承認フローの途中で「フォーマットが異なるため」と差戻しが発生したり、あるいは「どの項目がそもそも違うのか」と確認したりまとめ直したりと、大幅な作業時間が発生することも考えられるでしょう。
属人化しやすい
Excelを利用している職場では、ファイルを作成した本人のPCでデータを管理することが多く、それが習慣化すると、第三者が特定のファイルを利用しようとした際に問題が生じてしまいます。
属人化の代表例が、業務効率化のために組んだマクロです。マクロの技術は個人のスキルが大きく出るため、その仕様がブラックボックス化しがちです。
マクロにエラーが出た際や、ルール変更によってマクロに更新が必要になった時に作成者が不在だと、作成者が戻ってくるまで作業が滞ってしまう可能性があります。その状態のまま作成者が退職してしまうと、マクロが使えなくなったことで従来の非効率だった作業に戻さざるを得ないという事態にも陥りかねません。
Excel文化から脱却して業務改善する方法
以下より、Excelから他のツールに乗り換えて、業務改善を行う代表的な方法について紹介します。
Googleスプレッドシートを利用する
「Googleスプレッドシート」は、Webブラウザ上で表計算ソフトとして利用できる、Google社提供のWebアプリケーションです。Excelのように、個々のPCにインストールされているソフトウェアバージョンの違いを気にせずに済みます。
また、ファイルの共有と自動保存が可能な上、複数人が特定のファイルに同時にアクセスし、コメント機能を用いてコミュニケーションを取りながら、リアルタイムで編集できます。
しかし、ExcelからGoogleスプレッドシートに乗り換えたとしても、表計算ソフトならではのデメリットは解決しません。なぜなら、ファイル単位での管理状況は変わらず、テンプレートが統一されないため、マクロの利用により属人化しやすくなる点は、Excelと同様と言えるからです。
また、Googleスプレッドシートは基本的にファイルの作成者がオーナーとなるので、ファイルのオーナーが退職する際にはオーナー権限を別の社員に譲渡する必要があります。これを行わなかった場合、退職した社員のアカウントを削除した際に、その社員がオーナーだったファイルも消えてしまうというリスクがあります。アカウント削除後20日間以内であれば復元が可能ですが、それを超えてしまった場合、Googleのサポートでもファイルの復元はできません。
専用の業務システムを導入する
販売管理システムや顧客管理システムなどを導入し、社内全体を強制的にシステム統一することも、業務改善には効果的です。
業務システム導入の最大のメリットは「自動処理ができる」点です。データ集計はもちろん、承認が必要なフローもシステム上で設定できるため、手作業によるミスが減らせて業務効率が向上します。一方で、入力フォーム項目を全社で統一する必要があり、社員のリテラシーレベルによっては導入後の運用でつまずくこともあるため、注意が必要です。
ノーコード・ローコードを利用する
最近は、専門知識がなくても直感的にアプリを作れる「ノーコード」ツールや、最小限のプログラミングで比較的簡単にアプリを作れる「ローコード」ツールが、多数出回るようになりました。これらのツールが登場したことにより、アプリ開発へのハードルは一気に下がり、現場の声を反映した業務用のアプリを自作する企業が増えています。現場で活躍する便利な機能がそろった、複数人でのデータ共有が可能な扱いやすいアプリを開発すれば、業務改善に大いに役立ちます。しかし一方で、アプリの動作環境によっては「今使っているPCや業務端末では動かない」「他のアプリと一緒に開くと落ちる」といったデメリットも含んでいるため、こちらも自社のIT環境と合わせて導入時の検証が必要です。
Excel文化からの脱却は本当に必要?脱Excelのデメリット
ここまで、Excel文化を脱却する方法について解説してきましたが、社内にExcel文化が根強く浸透している場合、新しいサービスを導入して環境を大きく変えることは、決して簡単なことではありません。Excelを残しつつ他のサービスを導入する方法や、Excelをベースとしたサービスを導入する方法を採用すれば、使い慣れたExcel環境のまま、作業のスピードを落とすことなく、効率よく業務を進められます。無理をして脱Excelせずに業務改善を実現する方法をご紹介します。
「AppRemo」で解決!Excel文化から脱却せずに業務改善を実現
「AppRemo(アップリモ)」はExcelを利用しながら、承認フローや押印業務などをシステム化するワークフローシステムです。AppRemoの導入は、特にExcel文化が根強く浸透している企業におすすめです。AppRemoには、どのような特徴が備わっているのでしょうか。
Excelだから誰でも申請フォームが作れる
申請用のフォームを、新たにWebフォームとして作成しなければならない場合、担当者はシステム固有の操作を覚える必要があるため、大幅な時間と労力をかけることになります。しかし、AppRemoはExcelで作成した申請フォームをそのまま利用できるので、これまで通りに申請フォームを作成し、承認フローや押印業務を簡単に行えます。
いつでもどこでも簡単に使える
AppRemoは、マニュアルを読まなくても直感的に操作できるように、誰にでもわかりやすい操作方法を採用しています。PCだけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応しており、自宅や外出先でも申請・承認業務が簡単に行えるようになることから、業務効率の向上が図れます。
これからの働き方に対応できる
AppRemoを導入すると、申請書や決裁情報がデータとして管理され、ペーパーレス化が実現します。いつどこで作業を行っていても、やり取りの証拠がしっかり残るため、内部統制や外部からの改ざんなどの課題へ対策を講じることも可能です。
まとめ
情報共有の即時性がなく、フォーマットがバラバラになりがちで属人化しやすい理由から、Excel文化の脱却を求める声があります。しかし、Excel文化が社内に根付いており、脱Excel化をするほうがかえって業務効率が低下する場合は、無理に脱却する必要はありません。AppRemoを導入し、Excel文化の脱却が求められる理由を解決しながら、効果的に業務改善を行えるでしょう。
30日間無料でお試しもできるため、ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。
- TOPIC:
- 課題解決