エクセルを使った営業日報の作成や管理業務は、営業担当者にとって地味ながら煩雑になりがちな作業のひとつです。本記事では、エクセルによる営業日報管理のメリット・デメリットをはじめ、営業日報関連の作業を業務効率化する方法について解説します。従来のエクセルデータを活用しつつ業務改善する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
営業日報とは
営業日報とは、営業職担当者が毎日の営業活動で行った仕事内容や成果を記録・報告するための書類です。上司は、この営業日報を確認することで、部下の成果を評価したり、業務改善すべき点を検討したりします。外回りの多い営業職の業務を可視化するうえで、営業日報の果たす役割は重要です。
営業日報を書く目的
営業日報を書く目的は、以下のように分かれます。
- 上司にとっての目的
上司は、部下の行動や活動を把握することで、フィードバックや業務改善への活用などができます。また、営業職のノウハウを蓄積し、よりよい営業活動の支援を可能にすることも大きな目的です。 - 営業担当者にとっての目的
営業日報を社内共有することで、営業活動に役立つ助言や情報、支援を受けられます。また、自身の営業活動の振り返りを行い、改善点を把握するためにも営業日報は有用です。さらに、自身の成果や実績を客観的に把握することで、目標設定や業務改善につなげられます。
このように、営業日報を活用することで、情報共有や業務改善などを促進し、効率的な営業活動を実現することが可能です。
営業日報に記載する項目
営業日報には、以下のような項目が記載されます。
- 営業目標:当日や週間・月間の営業目標を記載します。
- 訪問先:訪問した企業名や顧客名を記載します。
- スケジュール:訪問先や打ち合わせの日時・場所を記載します。
- 業務内容:訪問先で行った仕事や商談の詳細を記載します。
- 成果:商談の結果や、その日の成果を記載します。
- 所感:営業活動の手応えや反省点などを記載します。
- 次回の目標:次回の営業目標や改善点を記載します。
これらの項目は、業務の可視化や営業の進捗管理などに役立ちます。
営業日報にエクセルを使うメリット
多くの企業では、営業日報を作成するためにエクセルが利用されています。営業日報にエクセルを使うメリットは、主に以下が挙げられます。
- 自由にカスタマイズできる
エクセルでは、文字のサイズや色、レイアウトなど、自分好みに書式をカスタマイズできます。また、表やグラフを挿入することで、視覚的に分かりやすい報告書を作成することも可能です。こうした機能を使って社内用にアレンジをすることで、会社や業務に合わせた報告書を作成できます。 - 使い慣れた人が多い
エクセルは特に普及しているツールのひとつであるため、多くの人が使い慣れているのもメリットです。新たに操作を覚える手間が省けるので、営業職の方でも簡単に報告書を作成できます。 - 導入コストが抑えられる
Microsoft Officeをすでに導入済みの場合、エクセルを利用するために追加のコスト必要がありません。また、エクセルには無料で利用できるテンプレートがあるため、人的・時間的なリソースも最小限に抑えて営業日報を作成できます。
営業日報にエクセルを使うデメリット
上記のようなメリットがある一方で、エクセルには以下のようなデメリットがあるのも事実です。
- 過去のデータを探しにくい
エクセルはファイル横断的な検索機能が弱いので、それぞれのファイルを開かないと細かな情報を探しにくいのが難点です。そのため、データへのアクセス性が悪く、活用しにくい面があります。 - リアルタイムで共有できない
エクセルでは記入した情報が即時更新されず、メールなどでの送信が必要になることが多いため、リアルタイムでの情報共有にはあまり向いていません。また、スマホやタブレットでの操作性が悪く、外出先から手軽にデータを入力しにくいのもデメリットです。 - コミュニケーションしにくい
エクセルには、ファイル上でリアルタイムにコメントをやりとりできるような機能はないので、日報について何か情報をやりとりしたくても、ほかの方法が必要です。上述したデータへのアクセス性の悪さも手伝って、エクセルだと日報を介して情報共有を促進するのは困難でしょう。
営業日報の作成・申請・承認を効率化するには?
では、これらのデメリットを解決するには、どうしたらよいのでしょうか。
文字起こしサービスを使用して記入の手間をなくす
文字起こしサービスとは、音声や手書きのメモなどをテキストデータ化するサービスです。スマホで使える文字起こしサービスを活用すれば、移動中などにアプリへ話しかけるだけで営業日報に必要な情報を自動入力できるため、時短になります。商談中にメモをとる代わりに録音しておき、文字起こしサービスでテキスト化して商談内容を見直す、といった活用方法も考えられます。
SFA(営業支援ツール)を導入して日報をクラウド化する
SFAとは、営業日報の作成を含め、営業活動を自動化・効率化する数々の機能が搭載されたITツールです。クラウド型のSFAを導入することで、データ入力作業の簡略化や、データへのアクセス性の改善、スマホ対応、情報共有の促進など数々のことを実現できます。
さらに、SFAをほかのツールと連携させることで、入力した情報をほかの場所にも自動反映できるので、営業担当者の負担を大きく減らすことが可能です。
エクセル申請を効率化するワークフローシステムを導入する
ワークフローシステムの活用により、既存のエクセルデータをそのまま活かして業務効率化する手もあります。
ワークフローシステムとは、稟議や各種申請に対する決裁プロセスをデジタル上で処理できるようにするツールです。ワークフローシステムには入力補助機能やコメント機能が付いたものもあるので、入力作業の効率化や情報共有の促進を図れます。
ワークフローシステムには、日報を作成する機能が搭載されたものもあれば、エクセルと連携できるものもあります。新しいサービスは業務プロセスをガラリと変えてしまうため社内への浸透が難しいですが、既存のエクセルデータをそのまま使えれば、慣れ親しんだ方法を無理に変えることなく業務効率化できるのでおすすめです。
エクセルを使った営業日報の申請・承認作業は「AppRemo」で効率化!
エクセルを使って営業日報の申請・承認作業を効率化するなら、ワークフローシステム「AppRemo」の導入がおすすめです。
AppRemoなら、営業日報を上長承認に出せば、承認フローを自動化できます。AppRemoには過去の申請・承認データが蓄積されるため、人事評価の見える化や業務改善へつなげることも可能です
さらに、承認が下りた書類は、kintoneなどのグループウェアと連携して保存することも可能です。これにより過去のデータ検索が容易になり、業務改善のための分析などをする際にも有用です。
またAppRemoでは、エクセルデータをネットにつないでリアルタイムで日報の提出が可能なため、営業担当者は社外からでも日報を提出できます。日報の提出のためだけに会社へ戻る必要がなくなれば、営業先から直帰することも可能になるので、働き方改革を推進するためにも効果的です。
「AppRemo」で業務改善を実現した企業事例
最後に、「AppRemo」の活用により業務改善を実現した企業事例を紹介します。
三菱商事パッケージング株式会社は従来、エクセルで作成した紙ベースの申請書で各種申請処理をしていました。しかし、紙ベースの申請処理では、申請書のやりとりに多大な時間や労力が必要です。かといって、システムに合わせて数多くの申請書を新しく作成し直すのも多くの手間がかかります。
そこで同社は、従来のエクセルベースの申請書を活用できるAppRemoを導入し、申請処理のペーパーレス化と効率化に取り組みました。その結果、同社は1ヵ月あたり70時間以上の作業工数削減に成功し、コア業務により集中することが可能になりました。
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まとめ
エクセルで営業日報関連業務を行うことは、不便な点が多いのも確かですが、従来の方法を丸ごと変えるにも大きな労力が必要となります。その点、ワークフローシステム「AppRemo」なら、従来のエクセルデータを活かしつつ、エクセルのデメリットを改善可能です。本記事の内容を参考に、ぜひ営業日報業務の効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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