基幹システム・ERPを導入するメリットと導入時の課題解決方法について解説

 2023.11.10  株式会社システムエグゼ

基幹システムとは、財務、会計、人事、生産、在庫、販売などの基幹業務を管理する業務システムです。一方のERPは経営資源を統合的に管理するマネジメント手法であり、近年では基幹業務を一元管理する統合基幹業務システムの別名として浸透しています。本記事では基幹システム・ERPを導入するメリットや導入時の課題について解説します。

エクセルでの業務管理に限界を感じるシチュエーション

小規模事業者や中小企業の場合、基幹業務に関わるデータをエクセルで管理しているケースが少なくありません。しかし、取り扱う業務データの総量が増大すると、エクセルによる管理ではやがて限界が生じます。エクセルでの業務管理に限界を感じるシチュエーションとして挙げられるのが以下の5つです。

1. データの集計・分析が難しい

エクセルは非常に高性能なソリューションではあるものの、他のアプリケーションやソフトウェアとの連携には制限があります。そのため、各部門で管理している業務データの統合や集計・分析などの作業がしにくくなります。

2. 入力ミス

基本的にエクセルには登録されたデータの整合性を判断する機能がありません。つまり、バックオフィス業務の負荷が増えれば増えるほど、入力の漏れや誤り、二重登録といった問題が発生する可能性が高く、それゆえにデータ自体の正確性が失われ、売り上げの分析などに支障をきたすおそれがあります。

3. 同時編集が難しい

エクセルは基本的に初期設定のままではひとつのファイルを複数人で同時編集できません。仮に同時編集ができるようになってもいくつかの機能が制限されるため、作業効率の低下が懸念されます。

4. 大量のデータ処理ができない

エクセルはあくまでも表計算ソフトウェアであり、大量のデータセットや複雑な計算を処理するために設計されたソリューションではありません。そのため、データセットの増大とともにレスポンスが低下し、計算処理や編集作業の遅延を招く場合があります。

5. 最新の情報がわからない

先述したように、エクセルは他のソリューションとの連携に制限があり、基本的には同時編集ができないため、入力の漏れや誤りが発生する可能性があります。また、ファイルを閲覧・編集するタイミングによっては最新の情報でない場合があり、データの完全性を確保できません。

基幹システム・ERPを導入するメリット

近年ではデジタル化の進展に伴い、さまざまな分野で基幹系システムの需要が拡大傾向にあります。とくにERPは大企業向けのシステムと思われがちですが、現代市場では企業の競争力強化にデジタル技術の戦略的活用が欠かせなくなっているため、中小企業でも導入が進んでいます。基幹システム・ERPの導入によって得られる主なメリットは以下の3つです。

1. 業務効率が向上する

基幹システムやERPを導入するメリットは、エクセルによるファイルの個別管理が不要になり、基幹業務の管理効率が大幅に向上する点です。たとえば販売管理システムを導入すれば、仕入れや受発注などの業務フローを一元的に管理できます。また、在庫管理システムであれば原材料や入荷数、在庫数、出荷数などをひとつのプラットフォームで正確に管理できます。さらにERPであれば販売管理システムと在庫管理システムを統合し、売り上げや支出、仕入れ、在庫などのデータを会計システムに送出し、資産と負債の財政状態を可視化するといった連携も可能です。

2. 業務の標準化をおこなえる

比較的小規模な企業では売上帳や仕訳帳、現金出納帳、損益計算書などをエクセルで作成するケースが少なくありません。しかしエクセルは自由度の高いソフトウェアであるがゆえに、ユーザーの知識や技術に対する依存度が高い傾向にあります。担当者が変更になると関数の適用や集計の形式などがブラックボックス化する可能性があり、それによって基幹業務の管理プロセスが属人化しかねません。一方、基幹システムやERPは基幹業務の管理に特化したソリューションであり、作業手順やフォーマットが確立されているので業務プロセスの標準化に寄与します。

3. データの管理・分析をおこなえる

基幹システムやERPは基幹業務を一元的に管理できるのはもちろん、蓄積されたデータを起点として経営状況をリアルタイムかつ俯瞰的に分析できる点がメリットです。たとえば生産管理システムや販売管理システム、在庫管理システムなどの連携により、過去のデータから精度の高い需要予測が可能です。それにより、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化や過少在庫による販売機会の損失を最小限に抑えるとともに、見込み客の潜在的な需要や消費者インサイトに基づく製品開発ができます。また、ERPの導入によって基幹業務のデータを統合できれば情報のサイロ化を防止し、全社横断的な情報共有と業務連携の実現に寄与します。

基幹システム・ERP導入時によくある課題や問題点

基幹業務の管理をエクセルから基幹システム・ERPに切り替える場合、さまざまな問題が生じる可能性があります。なかでも重要度の高い課題として挙げられるのが以下の2つです。

1. 業務フローの変更が進まない

これまで基幹業務のデータをエクセルで管理していた場合、基幹システムやERPの導入によって既存の業務フローを変える必要性が生じます。たとえば新システムの導入に伴ってデータの入力や処理、人的資源の配置、アクセス権限の管理、データガバナンスの指針、稟議の承認フローなどを変更しなくてはなりません。こうしたオペレーションの変更は一朝一夕で実行できるものではなく、導入初期の段階では一時的に生産性が低下するリスクが懸念されます。また、人間は基本的に現状維持を望む心理作用が備わっているため、新システムへの移行や作業工程の変化に抵抗感を抱き、業務フローの変更が進展しない可能性があります。

2. システムの運用が定着しない

新たな業務システムを導入する場合、必ずしもソリューションの運用が定着するとは限りません。たとえばITリテラシーが低い企業の場合、基幹系システムを使いこなせずに運用が定着しないケースがあります。それによって期待した効果を得られず、新規導入した業務システムがお蔵入りしてしまうことも少なくありません。また、新しい業務システムを使いこなすためにはIT人材の育成が必要になるため、相応の教育コストが発生します。さらに基幹システム・ERPの導入によって業務効率の向上が期待できるものの、これまで存在しなかった業務フローが発生し、一部の業務負荷が増大する可能性もあります。

システム導入成功の鍵は、スモールスタート

近年、さまざまな分野でDXの実現が急務となっているものの、新規システムの導入やITインフラの刷新は相応の投資リスクを伴います。とくに基幹業務の管理をエクセルから基幹システム・ERPに移行する場合、既存の業務フローに大きな変更が生じるため、事業活動における不確実性が増大します。このようなリスクを最小化するためには「スモールスタート(少しずつ始めること)」を意識し、段階的に変革を進めなくてはなりません。

そこでERPの導入と合わせて検討をおすすめしたいのが「AppRemo」の導入です。AppRemoとは、申請書の作成・提出・承認といった社内稟議を効率化するワークフローシステムです。AppRemoはエクセルで作成した既存の申請書をそのまま使えるので、現状のシステム環境や業務フローを大きく変えることなく基幹業務の中で申請に関わる業務の一部を合理化できます。システム環境の変革は大きなリスクを伴うので、まずはAppRemoの導入によって社内稟議の効率化・自動化からスタートしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

基幹システム・ERPは基幹業務の管理を目的とする業務システムです。基幹システムは会計システムや人事給与システム、生産管理システム、販売管理システム、在庫管理システムといった企業経営の中核に関わる業務システムを指し、その基幹系システムを統合したソリューションをERPと呼びます。小規模事業者や中小企業では基幹業務をエクセルで管理するケースが少なくありませんが、それでは組織規模の拡大とともにやがて限界が生じます。しかしシステム環境の刷新は相応のリスクと不確実性の増大を伴うため、スモールスタートを意識することが大切です。DXの段階的な推進を目指すならAppRemoの導入をご検討ください。

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