建設業が業務効率化を実現する鍵とは? せまる2024年問題の解決策

 2023.06.21  株式会社システムエグゼ

建築業界における喫緊の課題が「2024年問題」です。この記事では、「2024年問題」の概要や求められる対応、業界が持っている危機感を取り上げ、業務効率化する方法やポイントについて解説します。業務効率化に役立つ「AppRemo」の導入事例も紹介します。

建設業界にせまる「2024年問題」とは?

建設業では人材不足による長時間労働や業務効率化の必要性など、さまざまな問題を抱えています。建設業の「2024年問題」とは、働き方改革関連法の適用が始まる2024年までに建設業界が取り組むべき労働環境に関わる問題です。具体的内容について、以下に解説します。

時間外労働の上限規制

建設業では人材確保が難しく、長時間労働が慢性化しています。問題の改善に向けて施行されるのが、時間外労働の上限規制です。

労働基準法で定められた労働時間(法定労働時間)は原則1日に8時間、1週間で40時間です。労使協定を結べば、月45時間、年360時間まで法定労働時間を超えて働けます。

従来、月45時間、年360時間の上限は大臣告示による制限にとどまっており、違反しても罰則がありませんでした。また、臨時的、特別な事情がある場合には特別条項付き労使協定を結ぶことで、実質的に上限なく時間外労働を行うことが可能でした。

しかし、2019年4月から施行された働き方改革関連法により、月45時間、年360時間の上限は罰則付きで法律に規定されました。臨時的、特別な事情がある場合も、月に100時間未満(時間外労働と休日労働の合計)、年に720時間、複数月平均80時間以内(時間外労働と休日労働の合計)と、法律による上限が定められました。上限を超えた場合には、罰則を科される可能性があります。

これが働き方改革における時間外労働の上限規制の概要ですが、建設業に関しては現場の人手不足や取引慣行の課題などを背景に、5年間、適用が猶予されていました。

2024年3月をもって猶予期間が終了し、同年4月からは建設業にも上限規制が適用されます。

同一労働同一賃金

同一の企業において、正規雇用者と非正規雇用者(派遣社員やアルバイトなど)との待遇差が問題となっていました。同一労働同一賃金によって、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、同じ労働に対して同じ待遇を用意する必要があります。単なる雇用形態の違いなどを理由とした不合理な待遇差を設けることは許されません。

同一労働同一賃金は大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月から適用されました。建設業では同一労働同一賃金についても猶予期間が設けられていましたが、時間外労働の上限規制と同じく、2024年4月から適用されることになっています。

基本給や各種手当などの賃金だけでなく福利厚生や休暇、教育制度なども、同一労働同一賃金の対象です。今のうちから各待遇や制度の見直しを行い、待遇差の解消に向けて福利厚生の拡大や能力開発などに取り組む必要があります。

月60時間超の残業割増賃金率

月に60時間を超えて時間外労働をした場合の割増賃金率は50%です。大企業は2010年4月からこの規定が適用されていましたが、中小企業は長らく適用が猶予されてきました。しかし2023年4月からは中小企業も月に60時間を超えた場合の割増賃金率が50%に引き上げられます。

引き上げ対象となるのは時間外労働のみであり、深夜労働(割増賃金率25%)と法定休日労働(割増賃金率は35%)は含まれません。

2022年の建設業における月間総労働時間は163.5時間(※1)と、依然として他の業界よりも長い状況が続いています。有効求人倍率も5.16倍(※2)で人材確保が困難であることがうかがえ、猶予期間の間に各制度に適応できる環境が整ったとは言い難い状況です。

前項の同一労働同一賃金も含めると、基本給も残業代も上がることになるため、2024年4月から従業員1人あたりの人件費が大幅に増えることが予想されます。
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「2024年問題」に対する建設業界の危機感

建設業界における「2024年問題」の受け止められ方を押さえましょう。

株式会社シムトップスが行った「建設業におけるアナログ業務に関する課題調査」によると、86.2%の現場監督が「2024年問題」に危機感を持っていると回答しました。危機感の理由として上位を占めているのは「人材不足の深刻化」が64.9%、「生産性を向上させなければならない」が54.3%です。
約9割近くの現場監督が危機感を持っていることから、人材不足解消や生産性向上に向けた対策や取り組みが求められます。

建設業界における業務効率化の課題

同じく「建設業におけるアナログ業務に関する課題調査」から、建設業の現場監督のうち89%が業務の非効率さに悩みを抱えていることがわかりました。
実際、約半数となる47.7%の企業で現場の報告書(帳票)の電子化システムが未導入です。未導入企業のうち88.4%がシステム導入の必要性を実感しています。システム導入のハードルとして挙げられている回答は、「紙やエクセル文化からの脱却」が40.4%、「システム導入後の現場での浸透」が38.5%です。

上記の調査結果より、多くの企業が業務効率化の課題を抱えているものの、いくつかのハードルにより有効な打開策を生み出せていないことがわかります。

建設業界における業務効率化の鍵は「浸透した文化を脱却しないこと」

人材不足は対応すべき課題ですが、すぐに解決できるものではありません。人材不足をカバーするには、業務を効率化して1人あたりの生産性を向上させる必要があります。
現場の声を取り入れつつ、役立つツールを早急に導入しましょう。

上述の調査において、多くの現場監督が現場の報告書に電子化システムを導入すべきと考えていることがわかりました。しかし、システム導入には「紙やExcel文化からの脱却」「システム導入後の現場での浸透」などの課題を解決しなければなりません。

この結果を踏まえると、会社に浸透したツールや文化を脱却して全く新しい方法へ切り替えるよりも、使い慣れたExcel文化のメリットを残しつつ、業務を電子化・自動化できるツールで効率化を図る方が、現在直面している2024年問題の解決により効果的でしょう。

「AppRemo」はすでに使っているExcel申請書を、そのままフォームとして使えるワークフローシステムです。Webフォームの構築が不要な上に、誰でも直感的に操作できるため、現場で浸透しているExcel文化を脱却することなく業務効率化を図ることができます。

「AppRemo」の導入で業務効率化を実現した事例

「AppRemo」を導入した多くの企業が課題解決や業務効率化に成功しています。

三井不動産レジデンシャルウェルネス株式会社

三井不動産レジデンシャルウェルネス株式会社ではメールや紙の申請書を回覧させ、申請・承認業務を行っていました。

紙とExcel申請書を併用した業務は、事業所や社員数が増えるほど負担がかかり遅延が生じます。同社においてもコロナ禍で増えた在宅勤務や新規事業の影響もあり、申請書対応の業務負荷は大きなものでした。
そこで親会社が利用している「AppRemo」を導入したところ、申請・承認状況が可視化され、データの一元管理が可能になりました。導入時のサポートは手厚く、安心感を与えるものでした。 承認遅延も解消し承認手続きがスムーズに行えるようになったため、申請数の増加にも柔軟に対応できています。

導入事例:三井不動産レジデンシャルウェルネス株式会社 様

小林住宅株式会社

小林住宅株式会社では、Excelで作成した「お客様カルテ」で顧客情報や申請管理、工程情報を一元化しています。しかし、会社と現場で書類を行き来させることで承認作業が遅延し、承認状況も不明瞭になるという問題が発生します。お客様カルテを更新するたびにメールで各担当に連絡する方法に変えたものの根本的な解決とはならず、現在の体制に限界が近づいていました。
同時期に会社としてペーパーレス化を検討する流れになったこともあり、「AppRemo」を選びました。他の製品に比べてサポートが手厚く、Excelが使えるワークフローとの相性が良かったことが決め手です。

お客様カルテの情報をひとつのワークフローシステムで管理することで、申請・承認作業が可視化され、遅延が解消されました。いつでもどこでも業務ができるようになり、操作も簡単なため承認や差し戻しをスピーディーに行えます。
Excelのフォーマットは変えずにペーパーレス化でき、申請・承認作業が健全化されました。

「導入事例:小林住宅株式会社 様」

まとめ

建設業界は、時間外労働の上限規制を中心とした「2024年問題」を抱えています。問題解決のためには業務効率化が必要ですが、使い慣れたツールからの脱却や新規システムの運用負荷は大きなハードルです。

「AppRemo」はExcelを活用する業務の電子化・効率化に特化しており、自社に浸透しているツールの利用を継続できます。業務効率化に悩まれているならば、ワークフローシステム「AppRemo」の導入がおすすめです。

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