業務効率化と生産性向上の違いとは?効率化の方法やメリットを紹介

 2022.04.13  株式会社システムエグゼ

企業とは、製品やサービスの創出を通じて市場に価値を提供し、社会貢献することが存在意義といっても過言ではありません。企業が発展するためには、いかにして「業務効率化」と「生産性向上」に取り組むかが重要な課題なのです。本記事では業務効率化と生産性向上の違いを解説するとともに、具体的な効率化の方法やメリットを紹介します。

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業務効率化と生産性向上の違いとは?数値化するための計算式も紹介

企業経営において組織の「業務効率化」と「生産性向上」は非常に重要な経営課題です。この2つの用語は企業で働く人間であれば誰しも耳にする言葉かもしれません。業務効率化と生産性向上は混同されがちな用語ですが、厳密には定義が異なる概念です。本記事のテーマである業務効率化を正しく理解するためにも、この2つの定義の違いを把握しておく必要があります。

業務効率化とは

業務効率化とは、作業工程の無駄を省いて能率化したり、費用対効果を高めて合理化したりと、業務におけるさまざまなプロセスを改善する施策を指します。業務効率化は大きく分けると「組織レベルでの戦略的な施策」と「個人レベルでの戦術的な取り組み」の2つに分類されます。たとえば、戦略的な人員配置やITシステムの導入、業務のアウトソーシング化などが組織レベルでの業務効率化です。

具体例を挙げるなら、ワークフローシステムを導入することで稟議書の作成・申請・承認が効率化され、さらにペーパーレス化によって経費削減に貢献します。その他にも、グループウェアを活用して社内コミュニケーションの円滑化を図ったり、ERPシステムを導入して基幹業務を統合管理したりといった施策も組織レベルでの業務効率化です。

個人レベルで考えれば、PCのショートカット機能を活用、Excelでマクロを組んで自動化、スケジュール管理の徹底などが業務効率化の一例です。業務の優先順位を設定する、デスク周りや資料の整理整頓、適度な休憩を取り入れるなど、こうした取り組みも個人の業務効率化につながります。このように、業務プロセスにおける時間的・費用的なコストを軽減することが業務効率化の定義といえるでしょう。

生産性向上とは

生産性とは、経営リソースの投入量に対して得られた成果を示す指標です。企業はヒト・モノ・カネなどの経営リソースを活用し、事業活動を通じて製品やサービスを生産します。企業にとって生産性向上は非常に重要な経営課題であり、正確に把握するためには具体的に数値化しなくてはなりません。生産性を数値化する基本的な計算式は以下の通りです。

生産性=産出量÷投入量

「産出量」は生産物の生産額や付加価値額などを表し、「投入量」は経営リソースの利用度合いを示しています。生産性には「物的生産性」「付加価値生産性」「資本生産性」など複数の種類があり、産出量と投入量の値にどのような指標を代入するかで変化します。たとえば、投入量の値に「労働投入量(従業員数×労働時間)」を代入することで算出されるのが、従業員一人あたりの産出量を示す「労働生産性」です。

労働生産性=産出量÷労働投入量(従業員数×労働時間)

生産性向上の鍵となるのは、いかに最小の投入量で最大の産出量を生み出すかという点にあります。そこで重要となるのが業務効率化です。業務プロセスの短縮化やコスト削減によって分母の投入量が減少することで生産性向上につながります。つまり、業務効率化は生産性を向上する施策のひとつといえるでしょう。

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業務効率化のメリット

ここからは業務効率化のメリットについて見ていきましょう。具体的なメリットとして挙げられるのは「業務時間・経費の削減」「従業員のモチベーション向上」「新規ビジネスへの注力」の3つです。

業務時間・経費の削減

作業工程の短縮化や合理化によって業務が効率化されることで、業務時間の短縮につながります。より少ない労働投入量で多くの産出量を生み出せるようになり、組織全体における生産性の向上に寄与します。また、余った人的資源を利益に直結するコア業務に注力できると当時に、人件費の削減につながるという点も大きなメリットです。業務効率化によって業務時間の短縮や経費の削減につながることで、結果として利益の最大化に貢献します。

従業員のモチベーション向上

2019年4月に「働き方改革関連法」が施行され、企業ではワークライフバランスの実現や長時間労働の是正など、新しい時代に即した労働環境の構築が求められています。そのためには、これまで以上に高い成果を生み出す生産体制や業務を効率化する仕組みが必要です。こうした労働環境を整備できれば、従業員の労働意欲や貢献意識が高まり、業務に対するモチベーションが向上します。従業員エンゲージメントが高まることで組織力の強化に寄与し、ひいては企業価値の向上につながるでしょう。

新規ビジネスへの注力

業務効率化によって既存事業に投下する経営資源を削減できれば、企業の新規ビジネスへリソースを集中的に投入できるでしょう。たとえば、ITインフラをオンプレミス環境からクラウド環境へと移行することで、情報システム管理部門の業務負担が軽減できます。そして空いた人材を新規ビジネスに投入できるのです。人的資源を効率的に運用できるようになれば組織全体の生産性が向上し、結果として企業の成長と発展につながります。

業務効率化の方法

業務効率化を実現する方法はいくつかの施策がありますが、代表的なものとして「適材適所に社員を配置する」「システムやツールや導入する」「外注化を導入する」などが挙げられます。

適材適所に社員を配置する

同じ企業の従業員でも一人ひとりに特性があり、それぞれ得意分野が異なります。人的資源のパフォーマンスを最大化するためには、従業員一人ひとりの適性や能力を把握し、定量的な分析に基づいて適材適所に配置しなくてはなりません。適切な人材配置は従業員の労働意欲や貢献意識の向上に寄与し、高いパフォーマンスを生み出す好循環につながります。組織全体の業務効率化を目指す上で、戦略的な人材配置は欠かせない施策のひとつといえるでしょう。

システムやツールや導入する

20世紀後半に起きたIT革命によって市場の在り方は大きく変化し、いまやITシステムの活用なくしてビジネスの発展はあり得ないと言っても過言ではありません。優れたITシステムを導入することで、タスクの実行速度を高めると同時に、業務の正確性向上によりヒューマンエラーの軽減にもつながります。どのようなITシステムが必要になるのかは企業規模や事業形態によって異なるため、自社の経営課題を洗い出して可視化し、適切なソリューションを導入することが大切です。

外注化を導入する

業務効率を高めるためには、外注化を導入することも検討しなくてはなりません。たとえば、単純作業やルーティンワークを外注化することで、自社の人的資源をコア業務に集中投入できるようになり、組織全体における業務効率化に寄与します。また、アウトソーシング先の専門性の高い高度な技術を取り入れられるという点も大きなメリットです。自社の経営体制を俯瞰的な視点から分析し、ノンコア業務は外注化するという経営判断も重要な戦略といえるでしょう。

まとめ

企業経営において業務効率化と生産性向上は非常に重要な経営課題のひとつです。少子高齢化による労働力不足や働き方改革の推進による雇用の流動化など、企業はさまざまな課題や問題を抱えています。このような社会的背景のなかで競争優位性を確立するためには、業務を効率化する仕組みや新たな生産体制の整備が必要です。

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