コロナ禍や少子高齢化の影響などを受けて社会全体で「働き方改革」が進む中、業務効率化は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。しかし業務効率化といってもどのように取り組めばいいのか、二の足を踏んでいる企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では業務効率化の方法や手順について解説していきます。
業務効率化とは
業務効率化とは、普段行っている業務に隠れた「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけ出し、それらを改善することを意味します。業務に必要な経済的・時間的・人的なリソースを最適化することで生産性を向上させ、最終的に企業全体の業績を発展させることがその大きな狙いです。
業務効率化が求められる背景
業務効率化は一企業だけではなく、日本社会全体が取り組むべき課題であるといわれています。というのも、日本は国際的に見て労働生産性が悪いと評価されている上、少子高齢化が急激に進行しており、将来的には深刻な労働人口の不足が懸念されているからです。
働き手が減った未来の日本において、企業ないし日本経済全体が競争力を維持していくためには、主に2つの方法が考えられます。1つには、従来の仕組みでは働けなかった人・働きづらかった人でも働きやすい社会環境や労働環境を作ること。2つには、少ない人数でも仕事を回せるようにすることです。これらの目標を達成するには、従来の仕事の仕方を大きく変革する「働き方改革」が不可欠であり、業務効率化はそこにおいて革新的な役割を果たすと捉えられています。
業務効率の進め方
では、業務効率化はどのような手順で進めればいいのでしょうか。以下では、3ステップに分けて解説していきます。
ステップ1.現状の課題を把握する
業務効率化に取り組む際には、まず自社の業務の進め方がどうなっているのか正確に現状把握することから始めなければなりません。というのも、現代企業の業務プロセスは相互に複雑に入り組んでいるため、安直に手を加えると予想外の悪影響が生じかねないからです。
現状把握する際には、これまで暗黙裡に行われていたような業務も全てリストアップするなどして、できる限り「業務の見える化」をしましょう。その上で、何をどのように合理化すれば効率的に課題解決できるか検討し、計画的に改善していきます。
ステップ2.業務効率化する業務を選ぶ
現状把握が終わったら、どの業務を優先的に改善していくべきか対象業務を選定しましょう。その有力な対象候補としては、業務効率化をしやすい「単純業務」や「マニュアル化しやすい業務」のほか、改善の効果が大きい「発生件数の多い業務」などが挙げられます。
改善すべき業務の見極め方としては、前項で述べた「ムリ・ムダ・ムラ」がないかがポイントです。たとえば複数の人や部署で重複する作業をしていないか、業務プロセス間で無駄なタイムロスが発生していないか、特定の従業員の努力や能力に業務が依存(属人化)していないかなどが注目事項として挙げられます。
ステップ3.業務改善策の検討と実施
改善すべき業務を決定したら、業務効率化の方法の検討と実行に移ります。業務効率化の実施においては、便利なフレームワークを活用するのがおすすめです。たとえば「ECRS (イクルス)」というフレームワークによれば、次の順序で進めることが推奨されています。
排除(Eliminate):不要な業務や利益率の低い業務をなくすこと
統合(Combine):重複・類似した業務を一本化すること
入れ替えと代替(Rearrange):担当者・担当部署・使用機材・業務プロセスの順序などを変更すること
簡素化(Simplify);複雑な業務をツールの活用などによって簡単にできるようにすること
ECRSという名称はつまり、上記の手順の頭文字を取ったものです。業務効率化の効果もこの頭文字順で大きいとされています。
業務効率化を成功させるための方法
続いては、業務効率化を成功させるために有効な主要施策について解説していきます。
不必要な業務をやめる
先に紹介したECRSでも示されているように、真っ先に取り組むべきは、不要な業務や利益率の低い業務をなくすことです。「そもそもこの業務は必要なのか」を検討し、思いきってなくしてしまうことで、業務効率化を一気に進められます。たとえば会議の削減や、出勤をなくしてテレワークを導入するなどはその代表例です。
業務に優先順位を付ける
業務に優先順位を付けることも重要です。たとえば重要度の低い仕事や労力の少ない仕事に何人もの人員を割り当てていたら人的リソースの無駄遣いになってしまいます。それゆえ、重要な業務や大変な業務をピックアップし、そこに優先的にリソースを注力することが業務効率化の基本です。業務に優先順位を付けるためには、業務の可視化をする時点で洗い出しておいたり、ToDoリストを作ったりしておくとよいでしょう。
ツールを活用する
ITツールの導入も大きな力になります。たとえば業務システムのクラウド化をすればテレワークの導入が容易になりますし、AIやRPA、あるいはExcelのマクロ機能などを活用することによって、これまで人間が手作業で行っていた仕事の自動化・効率化が可能です。こうした業務の自動化はヒューマンエラーの防止にもなります。また、従業員は単純作業から解放され、人間にしかできないクリエイティブな作業に集中できるでしょう。
アウトソーシングを行う
ノンコア業務や自社で行うには適していない仕事をアウトソーシングするのも有効な手です。企業の中には、誰でもできるけれど誰かがやらないといけない仕事が数多く存在します。たとえばオフィスの掃除や、単純なデータ入力作業などはその最たるものです。こうした作業を社外の受託会社やフリーランスに代行してもらうことで、自社の貴重な人材をコア業務に専念させることができます。
業務効率化のメリット
業務効率化は企業・従業員双方にとって益のあることです。以下では、業務効率化の主なメリットについてご紹介します。
コスト削減
業務効率化を実現することで、企業はさまざまなコストを削減できます。たとえば書類のペーパーレス化を実現すれば、紙の購入費や郵送費、保管スペースを削減し、印刷業務にかかる従業員の労力も削減できるでしょう。このような取り組みを通して業務に潜む「ムダ」を改善していくことで、従業員の不要な残業や休日出勤などを減らし、人件費や光熱費などのランニングコストを削減することも可能です。
従業員のモチベーション向上
労働時間の短縮や働きやすい環境づくりは、ワークライフバランスの改善を可能にし、従業員のモチベーション向上に寄与します。モチベーションの高い従業員は、そうでない従業員よりも高い労働生産性を発揮することが知られています。業務効率化を通して働きやすい職場、働きがいのある職場を作ることで、離職率の抑制や、有能人材の引き込みも期待できるでしょう。
新しいビジネス展開につながる
業務効率化によって煩雑なノンコア業務を削減することで、従業員は思考力を伴うクリエイティブな業務に時間を割り振れるようになります。つまり業務効率化は新しいアイデアが生まれやすい環境づくりに間接的に寄与し、そこから革新的な新商品や新サービスが生まれ、新しいビジネス展開が生じてくることも期待できるのです。
業務効率化ツールにはAppRemoがおすすめ
ここまででも触れたように、業務効率化にはITツールの活用が非常に役立ちます。数あるITツールの中でも、とりわけ申請業務を効率化するためのツールとしておすすめなのが「AppRemo」です。
AppRemoはニューノーマルな働き方を支援するワークフローシステムです。AppRemoには簡易チャット機能が搭載されており、テレワーク環境であっても申請者と承認者は気軽にやりとりができます。これによって承認に伴うちょっとした事柄も互いに確認し、その承認フローの流れをチームで共有できるでしょう。さまざまな課題解決も容易になります。
また、AppRemo はExcelとのシームレスな連携やスマホ対応も可能であり、「どこでも」「誰でも」使いやすいツールなのも魅力です。AppRemoを導入することで、企業はテレワークなどニューノーマルな働き方に適応しつつ、業務効率化を実現できます。
まとめ
本記事では業務効率化の進め方や方法などについて解説しました。業務効率化によって企業は業務に潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を改善し、従業員のワーク・ライフ・バランスの改善やコストの削減、生産性の向上などを実現できます。
業務効率化の方法としてはITツールの導入が非常に有効ですが、その際にはワークフローシステム「AppRemo」(アップリモ)の導入がおすすめです。AppRemoを導入することで、企業はテレワーク環境下でも承認業務を効率的に行うことが可能になります。申請業務の効率化に取り組む際には、ぜひ導入をご検討ください。
- TOPIC:
- 業務改善/効率化