与信管理をエクセルで行う場合の課題とは? 課題解決方法について解説

 2023.11.10  株式会社システムエグゼ

取引に大きく関わる与信管理は、取引における限度額の設定や与信調査を行う業務です。管理ツールとしてエクセルを使うこともあります。

本記事では、与信管理にエクセルを使うことの問題点やその解決に役立つ情報について解説します。

与信管理をエクセルで行う場合の課題

エクセルでの与信管理には複数の課題があります。いずれも業務効率やリスク管理に関わるため、対応が必要です。7つの大きな課題について把握し、可能な限り対策を立てましょう。

1. 複数人での同時編集

通常、エクセルは単一のファイルを一人しか編集・保存できません。複数の人が同じファイルを同時に編集できない構造です。

与信管理のような業務では、多くの関係者と情報を共有し、正確かつ迅速に情報処理を行う必要があるため、複数の人が同時に情報を更新したり確認したりするタイミングが多くなります。しかしエクセルではそれが難しく、作業効率が低下してしまいがちです。

また、編集中のファイルがロックされるため、他の人が編集を完了させるのを待たなければならない点も作業効率を低下させる原因です。

2. 情報の共有

共有サーバー上にエクセルファイルを保管する場合、複数のユーザーが同じファイルにアクセスして編集することがあります。

しかし、複数人が同時に編集する際、別々に変更を加えてしまうと誤って他の人の変更を上書きしてしまう可能性が否定できません。

例えば、追加したはずの情報が消去される、入力するべき行のズレが生じる、編集が未反映のままといったケースです。このような理由から、正確な与信情報が失われるおそれが生まれます。

3. 検索性

エクセルでは、ファイル自体に直接情報が付与されるわけではないため、ファイルの名前や保存場所がデータの整理・管理に影響を与えます。特定の情報を検索する場合にはファイル名やフォルダ名などからの検索しか行えません。

また、ファイル内のリストから複雑な条件で検索を行う場合、フィルターの設定が手間になる可能性があります。複雑な検索をする際に条件の絞り込みが困難になったり、何度もスクロールする必要があったりして、作業効率が低下します。

4. 管理表の作成・改修の属人化

エクセルはマクロや関数の使用で効率化が可能ですが、高度なプログラミングスキルや知識が必要です。しかし、組織内でこれらのスキルを持つ人が特定の個人に限られている場合、その人に業務が集中し、業務の属人化が生じる可能性があります。

また、マクロや関数が破損した場合、修復や復元は作成者に依存してしまいがちです。作成者以外の修復が難しい状況であれば、業務フローの停止やデータ損失などのリスクが生じることも考えられます。

5. 情報漏えい

エクセルはデータを持ち出しやすく、閲覧権限の設定も困難であるため、情報漏えいの危険があります。顧客情報や業務上の秘密が漏れると、信頼性の低下や法的な問題につながりかねません。

与信情報のようなセンシティブな情報はパスワードや適切なアクセス権の設定が必要ですが、エクセルの機能では限界があります。また、アクセスを強く制限すると情報共有が難しくなることも事実です。安全性を高め、与信管理を適切に行うためには、情報共有面とアクセス面の両方を考慮する必要があります。

6. 別添資料などの追加・管理

与信限度額を設定する際には、顧客の信用スコアや財務データ、取引履歴など、様々な分析資料が必要です。しかし、これらの資料は通常エクセルとは別のファイルや文書として存在し、エクセルファイル内に直接添付することはできません。

サーバーにデータをアップロードし、エクセル内にハイパーリンクを設置すれば対応できなくはありませんが、複数のファイル運用をする際には非効率になってしまいます。エクセル機能に依存しない情報管理方法の運用が必要です。

7. 最新情報の反映

与信管理では債権回収リスクや限度額を把握するため、リアルタイム性が非常に重要です。しかし、エクセルは手動でデータを編集・更新するため、リアルタイムな情報の反映が難しく、更新された情報が即座に反映されないおそれがあります。

また、与信枠の設定には承認プロセスが関与します。エクセルを使用していると、どの段階まで承認が進行しているのか、誰が承認を待っているのかなどの情報が不透明になり、業務の遅延や混乱が生じかねません。

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与信管理をエクセルで行う場合の課題解決方法

エクセルによる与信管理には複数の課題があります。その解決方法として「見える化」が有効です。与信の承認プロセスや取引状況の見える化により、リアルタイム性やリスク管理の効率アップが期待できます。

与信の承認プロセスを見える化する

与信の承認プロセスを見える化することは、与信管理の透明性とリアルタイムな情報共有を促進し、効率的なプロセス管理を実現するための重要な手段です。

与信の承認プロセスをシステムに乗せることで、どの段階で誰が承認を行っているのか、どの部門が関与しているのか、誰が承認を待っているかなどの可視化が可能です。これにより、プロセスの透明性が高まり、誰もがリアルタイムで現在の状況を把握しやすくなります。

取引状況を見える化する

取引状況を見える化することは、与信管理の透明性を高め、与信枠の効果的な活用や債権回収リスクの軽減に役立ちます。

与信限度額決定後、実際の取引開始時には、顧客の信用枠内での取引かどうかの把握が必要です。取引状況を見える化することにより、信用枠内での取引を迅速に確認し、オーバーフローするリスクを最小限に抑えやすくなります。

このような対策は顧客からの受注や収益の流れの把握に役立つ方法です。受注状況や受注残の確認が容易になり、与信枠内での取引判断がスムーズに行えます。

エクセルでの与信審査〜管理までを一元化するなら「AppRemo(アップリモ)」がおすすめ

 「AppRemo(アップリモ)」は既存エクセルベースの与信審査や管理プロセスをシステム上に移行させられます。これにより、エクセルの柔軟性とユーザビリティを保ちつつ、効率的なプロセス管理を実現します。

使い慣れたエクセル操作で業務が続けられることも、従業員にとってメリットになるはずです。新しいシステムの導入をする場合、操作について研修や自学が必要になることは珍しくありません。また、習熟するまでに時間がかかり、その間に非効率化する可能性も考えられます。

しかし、AppRemoは既存のエクセルをそのまま利用できることが大きな特徴のひとつです。新体制への移行にストレスを感じづらく、与信管理が円滑かつ効率的に進みます。

また、AppRemoはプロセスを一元的に管理できるワークフローシステムです。そのため、与信の設定や更新、承認プロセスなど、関連する業務をシームレスに統合し、情報の断片化や不整合を防ぎます。

与信限度額の設定や変更などの申請、承認プロセスを見える化できることにも注目です。これにより、誰がどの段階で承認を行っているのかが可視化され、進行状況の把握やプロセスが従来よりもスピーディーになり、業務効率化に貢献できます。

まとめ

与信管理をエクセルで行う場合、効率性やリスク面で複数の課題が生じます。課題を解決し、リスクを排除しながら効率性を高めるためには、新たなワークフローシステムの導入を検討することもよい選択肢です。

とはいえ、長年エクセルベースで管理・運用している業務をまったくの別システムに変更する場合、社内から不満や反発の声があがるかもしれません。エクセル文化を残しつつ、課題を解決できるシステムの導入がおすすめです。

「AppRemo」はエクセル文化を引き継ぎつつ、新しい可能性を模索できるワークフローシステムです。ソリューションを探す企業へ自信を持っておすすめします。

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