システムの導入によって業務改善に成功する企業もあれば、課題解決に至らないケースも存在します。成否を分けるポイントはどのような点なのでしょうか。本記事では 業務改善において必要な考え方や失敗の原因を紐解き、役立つツール・システムをご紹介します。
システム導入前に知っておくべき業務改善の要点
まずは業務改善における要点を解説します。いくら優れたシステムを導入しても根本的な必要性や考え方を理解していないと失敗してしまう可能性があるため、ツールやシステムを導入するためにはぜひ押さえておいてほしいポイントです。
業務改善が求められる背景
業務改善が求められる背景には、国を挙げて推し進められている「働き方改革」があります。現代の日本が直面する勤労におけるさまざまな課題を解決するための取り組みであり、非効率な長時間労働をなくすことを最重要課題と位置付けています。
少子高齢化が進む中、多くの企業が人手不足に頭を悩ませています。人材の確保が思うようにいかず、限られた人員で業務を進めている企業も少なくありません。このような状況下においては、必然的に労働時間が長くなり、個々の従業員にかかる負担も増大します。
企業として、今後の日本社会で生き残っていくためには従来の仕組みを見直し、生産性の高い働き方へシフトしていく必要があります。業務を効率化し、限られたリソースで最大限の成果を生み出せる環境を構築しなければならないのです。
業務改善のプロセスを簡単に述べると、まず業務で発生している「ムダ・ムリ・ムラ」を把握し、改善するための業務ルール及びプロセスを策定します。この過程で人的リソースを活用すべき業務なのか、あるいはツール・システムなどを使い省力化できる作業なのかを見極めていきます。
ERPの考え方とは
業務改善に取り組むにあたり、ERPの考え方も理解しておきましょう。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」です。4大経営資源の「ヒト・モノ・カネ・情報」を総合的かつ一元管理し、経営の効率化を図るといった手法や概念を意味します。なお、ビジネスシーンでERPは在庫や販売、人事などの情報を一まとめして管理できる「統合情報基幹システム」を指す言葉として使われていることが多いです。
ERPシステムを用いれば、ヒト・モノ・カネ・情報の管理が一元化でき、企業の業務や財務状況の見える化につながります。そのため企業の経営計画や戦略に現状を落とし込みやすくなり、より現実に沿った業務の方向性が打ち出しやすくなります。加えて、ワークフローを精査することで業務改善も期待できます。
BPRの考え方とは
BPRとは、「Business Process Re-Engineering」の略で、日本語では「業務改革」と訳されます。もとはアメリカで誕生した概念で、業務改善と混同して認識している方も少なくありません。
例えると、業務改善はリフォーム、BPRはリノベーションです。業務改善は部分的に問題点を抽出し、改善を進めますが、BPRは業務全体を見直します。既存の業務プロセスそのものが問題だとの前提で改革を行うため、従来と大きく業務プロセスが変わることもあります。
BPRの流れは、「検討→分析→設計→実施→モニタリング・評価」です。業務プロセスを抜本的に見直すことができ、コスト削減、労働時間の短縮が可能となります。ただ業務プロセスそのものが大きく変わることによる混乱や、莫大な費用がかかることもあるため、目的を明確にして段階的に進める必要があります。
なお、BRPの実行にあたっては、ERPシステムを活用するケースが多く見受けられます。ERPで会社全体の資源や、経営状況を可視化できるため、その情報をもとにBRPが効率よく進められるのです。
システム導入が失敗する原因とは
では、業務改善する際などシステムの導入に失敗する原因はどのようなところに潜んでいるのでしょうか。
第一に、 事前にすべての業務の洗い出しがきちんと行われていないことです。 _x0008_把握していなかった業務が見つかることでシステムそのものが使えなくなる、あるいはムダな業務プロセスが増えてしまう可能性があります。また、 導入後の体制をきちんと整えていないこと も失敗を誘引します。
従来の業務プロセスを引き継いだまま効率化を図るのではなく、手順に問題がないかを検討することも重要です。非効率なままシステムを取り入れても思うような効果が得られない場合があります。そのほか、社内に専門知識を持つ人材がいない場合は細かいことや突発的なトラブルに対応できない場合や、自社の業務に適したシステムを選定してしまった、ベンダーによる導入後のサポート体制が不十分といったことも失敗につながります。システムの検討から導入、業務改善後の体制構築まであらゆる点に気を配りながらシステムを運用することが大切なのです。
業務改善に役立つツール・システムを紹介
ここからは、業務の課題解決に役立つツールやシステムを紹介します。種類ごとに概要や特徴、加えて代表的な製品もピックアップします。
コミュニケーションツールは、テキストや音声でのやり取り、ファイル共有などができるものです。社内での情報共有をスムーズに行えるようになります。代表的なものにChatworkやSlack、Microsoft Teamsなどがあります。
ファイル共有ツールは、文字通りファイルの共有が可能なツールです。デバイスさえあれば、場所を問わずにファイルへアクセスし閲覧や編集ができます。リモートワーク環境下や外出先でも使用でき、業務効率化が可能です。GoogleドライブやOne Drive、Dropboxなどがよく知られています。
プロジェクト管理ツールは、複数のタスクを一元的に管理でき、業務進捗状況が可視化できるものです。AsanaやRedmine、Backlogが有名です。
名刺管理ツールは、紙の名刺をデジタル化し保存と管理を可能にします。オンライン上で活用でき、顧客情報などを社内で共有しやすくなります。代表的なツールにSansanやWantedly Peopleがあります。
RPAツールは「デジタルレイバー」とも呼ばれ、これまで人間が行っていた定型作業の自動化できるツールです。省力化や作業時間の短縮などが期待できます。WinActorや BizRobo!、Autoブラウザ名人などのサービスが登場しています。
ワークフローシステムは、オンライン上で申請・承認業務を行えるシステムです。複雑だった申請・承認フローを簡略化でき意思決定の迅速化にもつながります。AppRemoやCreate!Webフロー、Collabo Flowなどが挙げられます。
これまでの運営を大きく変えずに導入できるAppRemo
システムを導入した際に、これまでの運営が大きく変化してしまい現場が混乱してしまうケースも少なくありません。これまでの流れを大きく変えることなく導入できるのが、ワークフローシステムの「AppRemo」(アップリモ)です。
申請・承認業務のあらゆる課題を解決できるシステムで、スマートフォンやタブレット端末などで簡単に申請や承認を行えます。進捗状況も可視化でき、チャット機能で申請者に不明点をやり取りするなどの機能も充実しています。
オフィスの定番ソフトExcelを使用して申請フォームを作成するため、従来使っていたフォームも流用でき業務プロセスや書類を大幅に変更しなくてよいところが大きなメリットです。オンラインで申請・承認フローが完結するため、ペーパーレス化を実現でき、リモートワーク環境下にも適しています。
まとめ
働き方改革に則り、企業を取り巻くあらゆる課題を解決するためには、業務改善で組織全体の生産性を高める必要があります。自社に必要なシステムやツールを見極め、省力化や業務効率化に役立てましょう。
システムの導入で失敗してしまうこともありますが、従来の運営と大きく変わらないものなら失敗のリスクを軽減できます。AppRemoなら、Excelを使用するため従来の運営を大きく変える必要がなく、ワークフローの効率化が実現できます。業務改善を進めている方は、ぜひ導入をご検討ください。
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