エクセルを使った在庫管理のメリット・デメリット|課題解決方法も紹介

 2023.10.31  株式会社システムエグゼ

在庫管理とは、企業が持っている在庫を、最適な量・状態で供給できるようにコントロールすることです。専用のソフトやソリューションなどもありますが、普段使っているエクセルを活用して在庫管理をすることもできます。この記事では、エクセルで在庫管理表を作る方法やメリット・デメリットなどを紹介します。

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エクセルによる在庫管理表の作り方

エクセルによる在庫管理表を作るには、テンプレートや関数、マクロ・VBA、バーコードを使う方法などが挙げられます。

テンプレートを使う

エクセル操作にあまり慣れていない人におすすめなのは、テンプレートを使う方法です。インターネットで検索すると、さまざまなサイトで在庫管理表のテンプレートが公開されています。無料でダウンロードできるものもあるので、活用すると手軽にエクセルでの在庫管理を始められます。

とはいえ、そのようなテンプレートはあくまで一例に過ぎません。多くの場合、必要な項目や新たな関数を加えるなど、自社に合う仕様にカスタマイズする必要があります。大幅に手を加えるときは、ゼロから表を自作したほうがかえって手間がかからないかもしれません。

関数を使う

テンプレートが自社の仕様に合っていない場合などは、関数を使って在庫管理表を自作します。多くの場合、入庫・出庫で別のシートを作成し、その差から在庫数を算出します。

現在エクセルには400以上の関数があるため、関数の内容や特徴などをあらかじめ理解し、実務に合わせて選択することが大切です。在庫管理表でよく使われる関数は、以下のとおりです。

  • VLOOKUP関数
  • SUMIF関数、SUMIFS関数
  • IF関数
  • ROUND関数
  • ROUNDUP関数、ROUNDDOWN関数 など

マクロやVBAを使う

エクセルには、操作を自動化できる「マクロ」という機能が付いています。マクロを使用することでデータ集計やメールの一括送信、アプリの連携などの作業が自動化でき、より効率良く在庫管理をすすめられます。

マクロは、「VBA(Visual Basic for Applications)」と呼ばれるプログラミング言語によって操作内容を記述する方法と、エクセルに備わっている「マクロの記録」という機能を活用する2つの方法があります。VBAで操作内容を記述する方法は、業務のさまざまな作業を自動化でき、自社に合った仕様にしやすいメリットがあります。しかし、プログラミング言語の文法や使い方を学ぶ必要があるため、関数のみで在庫管理表を作るときよりも難易度はやや高いかもしれません。

一方、マクロの記録を活用する方法は、VBAを手書きで記述する必要がなく、初心者も使用しやすいです。しかし、「エクセル上で行った手作業を記録する」という機能に限られているため、VBAを活用する方法に比べてできることが限定されます。

バーコードを使う

商品のひとつひとつにバーコードを付与し、ハンディターミナルやスマートフォンなどでそれらを読み取ることで在庫を把握する方法です。メーカーによってはエクセルの在庫管理表に対応しているものもあり、バーコードの読み取り結果を自動で表に反映できます。

バーコードを使った在庫管理は、PCからの入力が不要になり、リアルタイムで在庫を把握できることが特徴です。連携できるシステムは、導入するハンディターミナルやアプリなどによって異なるため、エクセル対応かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。

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エクセルを使って在庫管理するメリット

エクセルによる在庫管理の一番のメリットは追加費用がかからないことです。また普段から使い慣れた方が多いため操作性に優れていることもメリットの一つです。

新たなコストがかからない

多くの企業はエクセルを含むMicrosoft Office製品を日ごろから業務で使っています。すでに企業内でエクセルを使用している場合、在庫管理表の作成にあたって新たな費用は発生しません。「費用をかけずに在庫管理の方法を見直したい」「まずはスモールスタートで様子を見たい」などの場合は、エクセルでの在庫管理が適しているでしょう。

一方、新たに在庫管理システムを導入する場合は、まとまった初期費用がかかったり、利用料として月額料金が発生したりするケースが一般的です。また、場合によってはシステム開発の人件費や開発費などの費用がかかることもあります。

操作しやすい

すでにエクセルを業務で使っている場合、使い慣れたシステムを引き続き利用しながら在庫管理が行えるメリットがあります。新しいシステムの操作を覚えたり、機能を学んだりするのは案外労力がかかります。最初のうちは人的ミスなども発生しやすいでしょう。すでに利用しているエクセルを活用することで、新たに操作方法を教える必要がなく、在庫管理表が完成したらすぐに運用を開始できます。

エクセルを使って在庫管理するデメリット

一方、エクセルで膨大なデータを扱う場合は、かえって処理が遅くなってしまうことがあります。また、入力ミスやデータ破損などのリスクも考えられます。

入力ミスの可能性がある

エクセルの在庫管理表は、人の手でデータを入力するのが一般的です。入力ミスなどヒューマンエラーのリスクが高く、間違いに気づきづらいデメリットがあります。また、操作履歴を記録するログ機能などもないため、間違ったデータが上書きされても「いつ誰がどのデータを入力したのか」などをひと目で把握しづらいかもしれません。

ミスをなくすために入力作業そのものを減らすには、エクセルに連動したバーコードを使用したり、マクロ機能やVBAによって作業を自動化したりする必要があります。

膨大なデータを処理するのには不向きである

商品の数が多く、膨大なデータを扱う場合はエクセルでの管理が不向きな可能性があります。エクセルはデータ容量に限界があるため、データ量が増えるとフリーズしたり、ファイルが開きづらくなったりすることがあるからです。

また、共有ブック機能を使えば複数人でファイルを管理することは可能ですが、一部の機能に制限がかかります。商品項目が多く複数人で在庫を管理する必要があるときなどは不向きです。

データ破損の可能性がある

大容量のデータを処理したり複雑な集計をしたりと、ファイルに負担をかけながら業務を続けるとエクセルのデータが破損してしまう恐れもあります。破損の原因が不明でファイルを復元できないケースもあり、今まで蓄積した在庫管理のデータがすべて消えてしまうことになりかねません。

とはいえ、エクセルではない別のシステムを導入するとなると、その分の初期費用や人件費などを確保しなければならず、多くの手間やコストがかかります。使い慣れたエクセルを引き続き活用しつつ、データ破損のリスクに備えたいといった場合は、今まで通りエクセルでデータの集計を行い、それらをシステム上のデータベースで管理する方法が効果的です。

まとめ

エクセルによる在庫管理のメリットは、新たなコストをかけずに操作しやすい在庫管理表を作成できることです。一方、デメリットは入力によるヒューマンエラーが起こりやすいことや、膨大なデータを扱う場合などファイルに負担がかかるとデータが破損する恐れがあることなどです。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて在庫管理方法を検討しましょう。

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