導入事例:三菱商事パッケージング株式会社 様
1ヵ月あたり70時間以上の作業工数削減により、コア業務への集中が可能に
フォームの自由度やグループウェア連携など拡張性も評価
三菱商事パッケージング株式会社は、包装・板紙・流通の各事業を展開する、三菱商事グループの紙・パッケージングの専門商社だ。三菱商事グループとの協力体制の下、世界中から情報を集め、資材や製品を調達。顧客のニーズに最適な包装資材や製品を提供している。調達・販売のみならず、加工やロジスティクスなども含めたパッケージに関するバリューチェーンを構築、提供している点が大きな強みだ。
経営戦略の一環で業務のデジタル化・自動化、営業支援強化を図るなか、喫緊の課題として取り組んだのが、紙ベースで行ってきた各種社内申請のシステム化だった。スムーズな移行を目指し、数ある製品のなかからAppRemoを選んだ。
課題が山積みだった紙ベースの申請業務
同社において情報システム部は、常に新しいITを取り入れながら、働き方改革や地球環境への配慮といった経営課題の解決に資する役割を担っている。業務改善や営業支援の強化に取り組むなかで課題となっていたのが、各種社内申請のシステム化だった。
対象となった社内申請は、慶弔など人事関係の届出や、新規取引先の登録など経理系の手続き、ファシリティ関連の手続きなど、コーポレート業務系の様々な申請がある。それまで同社では、グループウェア上に保存されている申請フォームに必要事項を入力後、印刷し上長などの承認者に印鑑をもらって回っていた。異なる事業所間では、申請書をファックスや社内便でやりとりする。また、申請書の提出先となる部門では、その内容を台帳に記入して管理しており、全社的に大きな時間と労力がかかっていた。
「例えば、営業担当は申請手続きのために会社に戻らなければいけなかったり、上司が出張に行ってしまうと承認が滞ったり、あるいは申請書を回付している途中で行方不明になってしまったりと、問題は山積みでした」。こう振り返るのは、成瀬氏だ。
自社でフォーム作成できる点に注目
移行しやすさと投資対効果が決め手
AppRemoは、展示会で知った。シンプルな機能と使いやすそうな画面が目を引いた。 AppRemoの最大の特長は、Excelを活用したワークフローシステムであることだ。申請フォームはExcelで作成できる。申請する際は、一覧画面からフォームを選んでダウンロードし、必要事項を入力してアップロードすれば、ワークフローに乗る仕組みだ。導入時は、それまで使ってきたExcelベースの申請書をそのままAppRemoの申請フォーム化できるため、移行もスムーズだ。 「最終的には5つの製品を比較し、AppRemoに決めました。導入のスピード、導入後の運用の自由度と拡張性が、最も優れていました」。責任者として導入を担った小金氏は言う。申請書は129種類。取捨選択して移行するにしても相当な数に上る。スムーズに移行するためには、自社内で申請フォームを作成・変更できることが不可欠だった。
「フォームの作成がベンダー頼みだったり、自社でできても操作が難しく、専門の人材を育成する必要があったりすると、運用が大変でコストもかかります。なかにはフォームを 1枚作るのに、50万円かかる製品もありました。数千人規模の会社なら、それでも効率化のメリットが上回るのでしょうが、当社は300人規模。とても1枚のフォームに、そこまでの時間とお金をかけるわけにはいきません」(小金氏)。
申請のシステム化によって、申請業務の迅速化や進捗状況の可視化、申請データの蓄積やペーパーレス化といった導入検討時の課題が解決できることが前提だが、投資対効果や300人規模にフィットすることが、選択の決め手となった。
導入はトラブルなくスムーズに進行
グループウェアとの連携も可能に
導入に際しては、オプションとして、社内で使っているグループウェアとの連携機能を加えた。システムエグゼにリクエストし、カスタマイズした機能だ。申請書の回付状況と、自分のところに来ている承認待ちの申請書数が、常にグループウェア上で表示されるようにした。AppRemoにログインせずとも状況が一目瞭然で、処理の漏れをなくす。
「導入はスムーズでした。トラブルもなく、特に悩むこともありませんでした」と、成瀬氏は振り返る。導入プロジェクトは2018年4月、申請書の棚卸からスタートした。申請書発行部門の担当者らとともに、年間の申請数など利用頻度に基づき、129種類の申請書を仕分けした。年数とともに増え、中には滅多に使われないものもあった。この機会にシステム化するものとしないものに分類し、さらに優先順位の高いものから着手した。
AppRemo用のフォーム化は、ヘッダーとフッターの体裁など基本の型を情報システム部で定め、それに従って、既存のフォームからの置き換えは各部門に任せた。元々、ExcelやWordで作られていたことから、滞りなく進んだ。各部門が作ったものを情報システム部でチェックし、AppRemoに登録していった。「申請先の担当者を対象に説明会を開き、あとは基本のフォームを渡しただけで、スムーズに進みました」(間瀬氏)。
ユーザーである全社員に向けた説明会も開催した。「最初は『えーっ』という反応もありました。ただ、入力はExcelで今までと変わらない・印刷して回付していたものを、画面上でアップロードするように変えただけ・承認は楽でスピーディーになることを説明すると、徐々に『いいね』というムードに変わっていきました」(間瀬氏)。
2019年2月、当初予定通りに運用を開始。社員からも、申請先である各部門からも不安の声はなく、導入は順調に進み、すでに50以上の申請のシステム化を実現した。成瀬氏は言う。「導入後は、トラブルもシステムの問題も、特に発生していません」。当初の想定通り、導入後の追加費用もゼロのままだ。
社員にも「便利になった」と好評
働き方改革実現に向けた大きな一歩に
「今ではAppRemoは、すっかり社内に定着している。最も提出が多い申請は、新たな顧客企業と取引を開始する際の「信用調査依頼書」だ。与信審査を行うための申請で、新規顧客の開拓に注力するなか、最もスピードが求められる手続きでもある。紙での手続きだったときとは異なり、今では、上司は外出先や出張先でもタブレット端末で確認し、すぐに承認する。営業活動が各段にスムーズになった。
また、情報システム部で取り扱いが多い「パソコン持ち出し申請」も、システム導入後は社員の利便性が良くなり、業務負荷も大きく改善された。申請書の内容を台帳に転記して管理する必要がなくなり、申請書の保管も不要になったことで、その時間をコア業務に充てられるようになった。監査で必要なときは、蓄積された申請データを呼び出せばいい。そのような変化が、社内の様々な部門で起きている。 成瀬氏は言う。「申請書の出力、回付、台帳管理、紙の保管などがなくなり、申請書1枚あたりマイナス14分の削減効果が出たと試算しています。導入から約10カ月の現在、AppRemo上で処理された申請書は約3000枚。掛け合わせると、700時間もの削減に繋がりました」。
社員を対象としたアンケートでも、ほぼ全員が「便利になった」、「手間が減った」と答えている。導入を機に申請書を整理し、全社共有の申請書ポータルも完成させた。「これを導入したから、すぐに『在宅勤務が進む』とはならず、効果は限定的です。しかし、これから様々な業務プロセスの改善を進めていくなかで、今回の取り組みが、今後につながる大きな一歩になっていると思います」(小金氏)。
今後は、営業部門などコーポレート系以外の部門とも密に情報共有し、AppRemoにフィットしそうな業務の有無を探るなど、継続的に効率化への取り組みを進める考えだ。「当社のなかだけではアイデアに限りがあります。他社の活用事例などをどんどん教えてほしいですね」と小金氏。
※記載されている社名、製品やサービス等の名称およびロゴは一般に各社の商標または登録商標です。
※掲載内容はすべて取材当時(2019年12月)のものであり、現在とは異なる場合があります。
三菱商事パッケージング株式会社
所在地 : 東京都中央区日本橋2-3-10
設立 : 1976年4月
資本金 : 3億4,100万円
従業員数 : 300名(2 019年3月31日現在)
事業内容 : 各種包装資材、包装関連機械、段ボール原紙、段ボール製品の販売および紙・板紙製品の輸出入・外国間取引
情報システム部
部長
小金 浩一 氏
情報システム部
情報システムチームリーダー
兼 IT支援チームリーダー
成瀬 太輔 氏
情報システム部
情報システムチーム
間瀬 由美子 氏
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