ワークフローシステムとドキュメント
管理システムの共通点、相違点(Vol.44)

 2021.04.21  株式会社システムエグゼ

ペーパレス化の主要システム「ワークフローシステム」「ドキュメント管理システム」

社内でペーパレス化を進めるにあたり、よく検討されるのがワークフローシステムの導入です。ワークフローシステムにより、社内の申請業務は電子化され、紙の申請書でワークフローを回していた時と比べて、業務効率は各段に向上します。ワークフローシステムを検討される企業が、よく一緒に検討するのが「ドキュメント管理システム」です。ドキュメント管理システムは、社内文書を電子化し、厳重に保存・管理できるシステムです。

本記事では、「ワークフローシステム」と「ドキュメント管理システム」の特徴、共通点と相違点を紹介し、それぞれのシステムの導入を検討している方にお役立ちいただけるような情報をお届けします。

ワークフローシステムとは?

そもそもワークフローとはなんでしょうか?皆さんも、稟議書などの承認を取る際、担当者→部長→本部長→役員など、数人の承認を得て最終決裁をもらったことがあると思います。この業務の流れをワークフローと呼びます。

仕事には必ず複数の人が関わっており、人と人との仕事の間には、表面上には現れない多くの問題点が潜んでいます。「紙の申請書を用意する時間」、「押印の時間」、「郵送の時間」「業務が忙しく承認が溜まってしまった」、「申請書類を保管する場所が無い」、「申請書が紛失するトラブル」、etc…。小さな問題が積み重なって本業の足を引っ張ることはよくある話です。テレワークが進んでいる時代、働き方も様々になっています。その中で、円滑にワークフローを進められず、コア業務に手が付けられないことから、ワークフローの見直しをせざるを得ない企業が増えています。この業務の表面上に現れない仕事の流れを機械化することを目的として作られたシステムが、ワークフローシステムです。システム上で、稟議書などの申請書を電子化し、承認された申請書はいつでも確認することができます。

「申請者が手渡しで申請書を渡す」、「承認者が判子を押す」、「紙の申請書を特定の場所に保管する」といった業務上の手間が省けます。仕事の流れをスムーズにするために、ワークフローを電子化することは企業に大きなメリットをもたらします。ほとんどの規模の大きい会社ではワークフローシステムが導入されています。

その申請、まだ「紙」運用?エクセル申請書をそのままワークフローで使いたいあなたに

ドキュメント管理システムとは?

ドキュメント管理システムとは、業務上で発生した文書を電子化し、情報を保存・管理するためのシステムです。管理する文書が大量になってくると、必要なときに必要な情報を取り出すために時間がかかります。特に長期間保管したり、保管期限が指定されていたりする文書の場合は、管理が複雑になってきます。そんなときに役に立つのが、ドキュメント管理システムです。

ドキュメント管理システムによって書類はいつでも検索でき、探している情報にすぐにアクセスできるようになります。ドキュメント管理システムを使うと、社内資料の一部、または全部を電子化し、社内情報を効率よく管理できるようになります。そのため、ドキュメント管理システムは、さまざまな企業で導入されています。

ワークフローシステムとドキュメント管理システムの共通点、相違点

業務効率化やコスト削減を目的とした企業が、ワークフローシステムとドキュメント管理システムの両方にも関心を示すのは自然な流れと言えます。しかし、この二つのシステムの機能や役割について、しばしば誤解が生じている面があります。なぜかというと、多くのワークフローシステムはドキュメント管理システムの一部の機能を持っており、ドキュメント管理システムにもワークフローシステムの一部の機能が備わっているからです。

結果、システムの検討者は「どちらかの製品を導入すれば両方の機能を入手できる」と判断してしまいがちになります。しかし実際には、双方には大きな違いがあります。ワークフローシステムには確かに、申請・承認業務が完了した後、その情報をデータベース上に保存できる機能があります。このデータベースを利用して文書管理まで可能であると思われるかもしれません。しかし企業のドキュメント管理は、各法律(e文書法や電子帳簿保存法)の要件に準じる必要があり、ワークフロー製品でこの要件を満たすのは難しいです。

また、ドキュメント管理には、各文書がいつ、誰が申請・承認したか、またアクセス記録や改ざんの防止、検知といった機能が必要になります。ドキュメント管理システムに実装されているワークフロー機能は、細かな承認ルートに対応できないものがほとんどで、本格的なワークフローの運用には適していません。このように、両システムは少しずつ双方の機能を保持してはいますが、ワークフローの機能はワークフローシステムで、ドキュメント管理の機能はドキュメント管理システムで実現することがおすすめです。

両システムの目的や得意分野を掘り下げていくと理解できるのですが、しっかり特徴を把握しておくことが重要になります。

ワークフローシステムとドキュメント管理システムの連携

ワークフローシステムとドキュメント管理システムをそれぞれ導入した場合、今度はその連携をどうするかが課題になります。具体的には、ワークフローシステムで扱った書類を、ドキュメント管理システムで管理できる体制を整えなければなりません。ワークフローシステム上で申請・承認を終えた書類を、どのようにしてドキュメント管理システムに登録するか。方法として、手動で一つ一つ登録することもできますが、大規模な組織で、登録する書類の数が多い場合は膨大な手間がかかりますになります。

また、手動で移行作業を行うと、人為的なミスが発生する原因にもなります。そのため、手動ではない方法で、両システム間でデータをやり取りできる環境を構築しなければなりません。そこで検討されるのがシステム間の連携です。ワークフローシステムから書類を出力し、自動的にドキュメント管理システムに登録する仕組みを構築することで、両システムの長所を活かしつつ、業務効率を向上させることができます。

ただし利用しているシステムにより、システム間の連携方法も異なります。連携方法や実施可否については、製品販売会社とよく話し合って検討が必要になります。

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まとめ

以上の内容をまとめると、ワークフローシステムは「申請・承認業務の電子化」を目的に作られたシステムです。また、ドキュメント管理システムは「法律に準じた形で文書を電子化して管理できる」システムです。双方のシステムは、一部分お互いの機能を有していますが、片方だけで両方の目的・機能を完全に満たせるわけではありません。ワークフローの機能はワークフローシステムで、ドキュメント管理の機能はドキュメント管理システムで実現することが現実的であり、両システムの連携には慎重な検討が必要になります。

システムエグゼのワークフローシステム「AppRemo」では、申請した書類はPDFで出力できます。また、申請した内容はCSVファイルで出力が可能で、ドキュメント管理や他のシステムとの連携も容易です。是非一度、ご覧ください。本記事が、両システムの検討をされている方にお役立ていただければ幸いです。

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