Excelを使ってワークフローシステムを構築するメリットとは?

 2021.02.16  株式会社システムエグゼ

テレワークや働き方改革が推進される中で、稟議書などの社内申請業務のペーパレス化も、その対象の1つである。しかし、いざシステムを検討すると、世の中には様々なワークフローシステムが存在し、自社の運用に即したシステムはどれなのか、判断に迷われている方も多いと思います。本ブログでは、ワークフローシステム検討の判断軸の1つでもある「申請フォーム設定の手軽さ」について、「Excel申請書を使ってフォームを構築するメリット」を解説していきたいと思います。

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ワークフローシステム構築の重要なポイントとは

そもそも、ワークフローシステムの構築(=初期設定)には何が必要になるのでしょうか。一般的なワークフローシステムの場合、初期設定として「ユーザー組織情報」「承認ルート」「申請フォーム」の3つのマスタ設定が必要となります。それぞれは、システム稼働のための基盤となる情報のため、下記のようなポイントを押さえて、”手軽にだれでも設定できる”ことが重要なポイントとなります。

①ユーザー組織情報

ユーザー組織情報とは、システムを利用する社員情報、その社員が所属する組織情報のことを指します。これらをシステムに登録することで、社員ごとのログインID・PASSが発行され、システム利用者のログ追跡や不正アクセス防止を考慮し利用することできます。加えて、設定された組織情報は、自身の上司を自動的に承認ルートに指定する機能に活用することもできます。

これらの設定は、「年1~2回の大規模な組織変更」や「随時発生する社員の入社・退職」に柔軟に対応することが求められるため、機能としては、情報の一括・個別設定、組織世代の切り戻し対応が備わっていることが重要です。

②承認ルート

承認ルートとは、申請書毎に決まっている承認ルートのルールを指します。これを事前に設定し、申請書と紐づけておくことで、新規申請時、承認ルートを間違えずに申請を出すことができます。

承認ルートは、各社ルールが細かく決められており、かつ厳密に適切な承認者へ決裁がまわることが求められます。機能としては、「自動的に上司がルートに指定されること」、「ORやANDの複数承認」、「イレギュラーに対応できるよう承認者の追加・削除・順番変更ができること」、「金額に応じた自動分岐」の可否が重要となります。

③申請フォーム

申請フォームとは、申請者が申請情報を登録する画面のことを指します。世の中にある様々なワークフローシステムを見ると、この申請フォームの設定形式は「WEBフォーム形式(WEBの入力画面に申請内容を入力する)」と「Excelフォーム形式(Excelの申請書ファイルを申請画面にアップし申請する)」の2種類に分かれます。なぜでしょうか。

申請フォームは、上記で挙げた「ユーザー組織」「承認ルート」設定とは異なり、下記のような点を考慮し設定をしなければならないからです。

  • 申請者や承認者の使いやすさを考慮したフォーム
    申請者が間違えずに、必要事項を入力し申請できること。加えて、申請者の入力の手間を省く工夫も必要になります。項目ごとの入力規制やエラーチェック、マスタデータの参照、入力データの四則演算など細やかな設定があると、より良いフォームが設定できます。

  • 都度発生するフォーム改定やフォームの新規追加への対応
    申請フォームは、規定変更の都度フォームの改定・見直しが発生します。また、社内の申請書は経理系、人事系、受発注系など全社員が利用するものから、各部ごとで管理しているようなものを含めると、数十~数百種類になる場合もあります。その申請書をシステムに載せていくとなると、「すぐに申請フォームが設定できる仕組み」や「ITリテラシーの有無に関わらず誰でもフォーム設定できる簡易性」が重要な観点となります。

このように、ワークフローシステムの基盤とも入れる「申請フォーム設定」ですが、「WEBフォーム形式」と「Excelフォーム形式」、どちらが使い勝手が良いのでしょうか。 次の章では、それぞれのフォーム設定における、メリットとデメリットをご紹介します。

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「WEBフォーム」「Excelフォーム」それぞれの申請フォーム設定のメリット・デメリット

それでは、「WEBフォーム形式」で申請フォームを設定するメリット・デメリットには、どのようなことが挙げられるのでしょうか。

「WEBフォーム」のメリット・デメリット

世の中のワークフローシステムの大半は「WEBフォーム形式(WEBの入力画面に申請内容を入力する)」の仕様を用いています。これらはWEBフォームといっても、1から申請画面を作り込む必要は無く、「既存のWordやExcelの申請書」を取り込み、それを台紙にして、画面と項目の設定が行えるため、初見のユーザーでも簡単にフォームが設定できる点が魅力です。もちろん、WEBフォームなので、項目ごとに細やかな入力規制や電子印挿入を設定することもできるので、「まさに見た目が紙のようなWEBフォーム」を構築することができます。

そのようなWEBフォームですが、システム面での制約もあります。例えば「別途フォーム作成専用ツールを用いるため、作業端末ごとにツールの準備が必要」、「複雑な設定が出来る分、作成ツールの習得に時間がかかる」などのデメリットも挙げられます。

では、「Excelフォーム」で申請フォームを設定するメリット・デメリットには、どのようなことなのでしょうか。

「Excelフォーム」のメリット・デメリット

Excelフォーム形式は、WEBフォームを作り込む必要はありません。既存のExcelファイルの申請書を、管理者が事前にシステムに仕込み、申請者はそれをシステムからダウンロード。Excelに申請内容を入力し、それを申請画面にアップロードし申請することで、電子決裁をまわしていくという仕組みを用いています。

Excelフォーム最大のメリットは、「既存のExcelファイルを流用できるので、初期準備の手間を削減できる」という点です。各項目の入力制御等の調整も、Excel内の入力規制や関数などをそのまま利用できるので、「今までの紙運用の良い部分を活かしたシステム化」を実施することができます。加えて、Excelは誰でも使えるツールなので、習得の手間も削減できます。 しかし、Excelファイルの申請書をもっていない場合、Wordファイルの申請書のみの場合は、一度Excelファイルで申請書を準備した上で利用するため、その手間がデメリットになる可能性もあります。

Excelフォームのワークフローシステムを導入した事例

それでは、次に「Excelフォーム」のワークフローシステム導入で、申請業務を効率化した事例をご紹介します。

■株式会社ミヤザワ様
過去、帳票イメージで作成できるワークフローを導入しましたが、全社稼働を失敗。理由は申請書をWebフォームで作成する手間、とくに専用作成ツールの機能習得や、独特の仕様理解に時間がかかっていたことが挙げられます。

その間、現場はメールにExcelを添付して申請・承認業務を行っているためミスも多く、未承認の行き違い申請書が増えている状況でした。

→Excelフォームのワークフローシステムを導入したことにより、Excelベースで申請書作成をすることができるため、システム構築未経験の担当者でも簡単に作成することができ、スムーズなシステム稼働を実現することができた。

Excelを使ってワークフローシステムを構築するメリット まとめ

ワークフローシステム稼働の要となる「申請フォーム」について、それぞれWEBフォームとExcelフォームには良し悪しがあります。

どちらも既存の資源(申請書ファイル)を活用するという観点は同じですが、「誰にとっても身近なツール」で「システム固有の設定方法の習得が少ない」、『Excelフォームをそのまま利用できるワークフローシステム』を検討してみてはいかがでしょうか。

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