ワークフローシステムとは、稟議書やさまざまな申請書の申請から承認作業までを効率化できる、便利なツールです。従来のアナログの申請作業をデジタル化することは、業務が楽になるだけでなく、さまざまなメリットがあります。当記事では、ワークフローシステムとはどのような仕組みなのか、導入するメリットや注意点などについて解説します。
ワークフローシステムとは?
第一に「ワークフロー」とは、業務手続きの流れを表す言葉です。たとえば稟議書や出張申請、物品購入などの申請から承認・決裁まで、どのようなルートを経て最終決定が下りるのかという、一連の業務の流れを指します。
ワークフローは、申請内容によっては部署の上長だけで済む簡単なものもあれば、他部署の課長や部長、経理部長や総務部長、役員や社長など、複雑なルートでの承認・決裁が必要なものもあります。
従来これらの手続きは、稟議書や各種申請書を作成・印刷し、承認印をもらうために順番に回覧する方法が一般的でした。この複雑な流れを電子化したものが「ワークフローシステム」です。
ワークフローシステムで申請作業が楽に!その他のメリットも
ワークフローシステムを導入し、従来のワークフローを電子化することで、多くのメリットが得られます。そのうち、特に代表的な4つのメリットについて詳しく解説します。
①申請・確認業務がスピーディーになる
従来の紙ベースの稟議書や申請書を電子化することにより、イントラネットやインターネットを通じて書類のやり取りが可能になります。申請・確認・承認などの書類をアナログで受け渡しすることなく簡略化できるため、書類の紛失などを防止できます。
クラウドタイプのワークフローシステムなら、インターネット環境があればどこからでも申請・修正・取り消しなどの作業を行えるため、外勤や出張中でもワークフローが滞ることなくスピーディーに進みます。特に営業で外回りをしている場合、帰社してから書類を作成して承認者に回す必要がありません。出先でノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどのモバイル端末から申請業務が行えるため、業務の効率化が可能です。
②書類のやりとりが省略できる
従来のワークフローでは、紙の書類を承認順に回覧する必要がありました。稟議書や各種申請書を電子化してペーパーレスにすることで、書類を送る手間やコストが省けます。
たとえば、メール添付やFAXでなく紙の原本でワークフローを運用している場合、支社から本社への社内便を郵送することもあるでしょう。到着した書類を開封・押印し返送してもらうまで、どれだけ急いでもらっても手元に戻る頃には数日経ってしまいます。
しかし、紙の文書を電子化すれば、瞬時に間違いなく送ることが可能です。ペーパーレス化により、用紙代・封筒代・印刷代・郵送代などのコスト削減にもつながります。
③書類の保管・管理が楽になる
紙の書類では、誰もが見やすいように社内ルールに沿ったファイリングが必要です。稟議書にしても、一括してまとめるのか、部門別に仕分けするのか、さらに細かく分類するのかなど管理方法も千差万別でしょう。何年分もの書類を管理する場合、紙の文書が多ければ、それだけ保管スペースも必要です。万一、間違ってファイリングされた場合、膨大な書類の中から該当の文書を探し出すために、かなりの時間と労力が必要となります。
その点、文書を電子化できれば、手作業で紙をめくって文書を探し出す必要がありません。申請者名・文書タイトル・文書の種類・日付や期間などを検索ワードに指定することで、素早く該当の文書を検索して表示できます。
④適正なルートでルール通りに運用が可能
申請書を承認者に順番に回覧してもらう場合、出張や休暇などで承認者が不在だと進行が滞留してしまうため、一時的に承認者を飛ばして進めてしまうこともあるでしょう。
ワークフローシステムなら、あらかじめ申請内容ごとに承認ルートを設定しておくことにより、ルートを可視化できます。決められたワークフローどおりにシステム上で自動的に承認作業が進んでいくため、承認順を変更することなく、適切なルートでワークフローが行えます。
ワークフローシステム導入で気を付けるべきこととは?
業務効率化を目指しワークフローシステムを導入しても、ワークフローの設計や運用方法を誤ると、導入失敗の原因になってしまいます。使い勝手が悪く、社員にも浸透しなければ導入した意味がありません。そこで、ワークフローシステムの導入にあたって気をつけるべきポイントをご説明します。
ワークフローシステムの設計は素人には難しい
ワークフローシステムを導入する場合、稟議書や申請書の入力しやすいフォーマット設計が必要です。出先でスマートフォンから承認操作することを考慮し、見やすい申請画面で直感的に操作できなければなりません。
そして、申請の種類ごとに承認ルートを構築しますが、一定額以上の申請では別ルートを設定したり、条件により部署を横断したルートを作成したりなど、導入初期にはかなりの手間もかかります。
また、既存のシステムと連携させることが可能なら、より業務効率化につながりますが、うまく設計ができなければせっかくの情報を有効活用することができません。
このように、ワークフローシステムの設計は素人にはなかなか難しく、かえって業務効率を悪化させたり、費用対効果が見合わなかったりする恐れがあるのです。
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まとめ
ワークフローシステムは、申請から承認作業までの業務効率化が可能なツールとして、多くの企業が導入しています。特に、昨今のコロナ禍で多くの企業が在宅勤務やリモートワークを推奨する中、場所や時間にとらわれず、オフィスと同様にどこからでも申請・承認作業が行えるメリットは大きいでしょう。
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