昨今、新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務・テレワークのニーズが高まっています。現行の紙ベース(or 紙媒体)による業務の見直しが急務になっている経営者・事業者の方も多いのではないでしょうか。今回は、ワークフロー製品の導入前に実践すべきステップをご紹介します。
なぜ、ワークフロー検討前に業務分析が必要なのか?
昨今の情勢より、今まで以上に多くの企業がIT製品・サービスの導入の検討を進めています。
しかしながら、企業内に専門性を持った人材が不足しており、組織や体制が整っていない企業も多いのではないでしょうか。その中で導入を推進することは簡単ではありませんし、導入したとしても期待していたような効果が得られなかったりすることが予想されます。そういった状況にならないためにも、現行の業務を理解し分析することが重要となります。まずは、社内の関係各所にヒアリングを行い、現在の業務の把握と、それと同時に課題の洗い出しを行いましょう。そして、業務内容と洗い出した課題を分析・見直しを行い、新たな業務の構築と、自社に合ったワークフロー製品の導入を検討することをおすすめします。業務分析をすることは簡単ではありませんが、ワークフロー製品の検討前に必要なプロセスになりますので、以降の内容を参考に実践してみましょう。
ワークフロー分析 業務分析の手順1(業務内容の把握、業務課題の洗い出し)
業務内容の把握、業務改題の洗い出しについて簡単にご説明します。
(1)業務内容の把握
社内の関係各所へ、現行の申請業務についてのヒアリングとその結果を整理し資料にまとめましょう。資料については、現行の申請業務のフローを作成することをおすすめします。申請業務の流れを可視化することができ、社内の関係各所との円滑なコミュニケーションが取れるようになりますし、後続の業務内容の見直しが進めやすくなります。また、社内の関係各所によってはローカルルールや略称などを業務に用いているところもありますので、こういった情報も整理しておき、早期からルールや言葉の揺れを統一するよう努めましょう。
ヒアリング時には、下記を明確にすることを意識してヒアリングを行って下さい。
- 申請書(稟議書)の種類、数
- 申請経路(申請者、承認者、決裁者)
- 申請書(稟議書)の保管方法、保管期間
(2)業務課題の洗い出し
申請書(稟議書)を利用する社員へ、現行の申請業務についての悩みや課題のヒアリングとその結果を整理し資料にまとめましょう。社員数が多いなどの理由で直接ヒアリングが難しい場合は、アンケート形式の設問を用意したメールを作成し、課題を吸い上げる方法などを検討して下さい。なるべく多くの社員から様々な意見を収集することが大事になります。
申請書(稟議書)が紙媒体の場合の代表的な課題を下記に紹介します。
- 申請書(稟議書)に押印が必要
- 承認者、決裁者が外出等で不在の場合に、承認・決裁までに時間がかかる
- 申請書(稟議書)の保管場所が必要
- 申請書(稟議書)の紛失や破損する恐れがある
- 過去の申請書(稟議書)を探す時間がかかる
ワークフロー分析 業務分析の手順2(業務内容の見直し)
業務内容の見直しについて簡単にご説明します。
(1)申請経路の見直し
「業務分析の手順1」の整理した結果より、申請経路の見直しとその結果を整理し資料にまとめましょう。資料については、現行の申請業務のフローと見直し後の申請業務のフローが比較できるような資料を作成すると後続の新しい業務の検討が進めやすくなります。
見直し時には、下記を意識して申請経路の改善を検討して下さい。
- 決められた申請経路と実際の申請経路に乖離がないか
- 不要な申請経路や重複する申請経路がないか
- 申請から決裁までに時間がかかっている箇所はないか
(2)申請書(稟議書)の見直し
「業務分析の手順1」の整理した結果より、申請書(稟議書)の見直しとその結果を整理し資料にまとめましょう。資料については、申請書(稟議書)の見直し前後が比較できるような資料を作成すると後続の新しい業務の検討が進めやすくなります。
見直し時には、下記を意識して申請書(稟議書)の改善を検討して下さい。
- 不要な情報や重複する情報が含まれていないか
- 類似する申請書(稟議書)がないか
- 申請者、承認者、決裁者の押印欄の削除
- 申請書(稟議書)の保存方法、保存期間
ワークフロー導入に合わせた新しい業務の検討
「業務分析の手順2」の見直した結果を踏まえて、社内の関係各所と新しい業務の構築を検討しながら、同時に、ワークフロー製品の検証・選定も進めましょう。必ずしも自社の申請業務に合致したワークフロー製品があるとは限らないため、ワークフロー製品の仕様も考慮した上で、申請業務を検討することになります。企業によっては、ワークフロー製品の仕様をそのまま自社の申請業務とするような企業もあるのではないでしょうか。その場合は、ワークフロー製品の仕様の理解や操作に慣れる必要があり、学習コストが高くなることが予想されます。
ワークフロー製品を販売している企業によっては、評価環境の貸し出しを行っており、貸し出し期間は1~3ヵ月ほど設けています。その間、質問やサポート、簡単なレクチャーも受けられるので、こういったサービスを活用してワークフロー製品の検証を進めることをおすすめします。また、ワークフロー製品の導入については、いきなり全社に導入するのではなく、特定の部門にだけ試験導入し、その後全社に導入するような方法もありますので、ワークフロー製品を販売している企業へ相談してみましょう。
ワークフロー製品を選定する際のポイントを下記に紹介します。
- 自社が抱えている課題をクリアできるか
- 自社の申請業務と合っているか
- 自社に必要な機能が提供されているか
- 費用は予算内か
- 他社製品との連携ができるか
ワークフロー検討前には、ぜひ業務分析を実施してみましょう。そしてワークフローシステムの製品選定に進むやり方がベストです!
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