会社組織に所属する方には必出である「稟議」。しかし新社会人のみなさんや学生さんには馴染みの薄い言葉ではないでしょうか。ましてや「稟議システム」が何をするシステムかと聞かれてもピンと来ないと思います。
ここでは稟議そのものについて説明したのち、稟議システムを通じて実現可能なことについて説明します。
稟議とは?
会社組織は社内のルール等に則って運営がなされています。その中でよく出てくる「稟議」。またそれに伴う「承認」と「決裁」。慣れていないと何のことを言っているか、わかりませんよね。簡単に説明します。
「稟議」とは、社内のある事案について当該事案を推進する者が承認・決裁の権限を有していないとき、適切な決裁者に対して申し出て、承認・決裁を得ることです。なんだか難しいように聞こえますが、例を挙げるとわかりやすいと思います。
例:部門で使うツールを購入する場合
自身が所属する部門で、みんなで使用するツールの導入を行う場合を想像してみてください。このツールの導入は、多くの場合、部門のメンバーが行うことでしょう。しかしそのメンバーがいきなりツールを購入して請求書を会社に提出しても会社は支払ってくれません。(実際には金額によっては応じてくれることもありますが)
なぜ会社は支払ってくれないのでしょうか?それは、そのメンバーにはそれだけの会社のお金を使う権限が与えられていないからです。ではどうしたらよいか。答えは簡単で、その権限を持った上位職から許可を貰えばいいのです。この「許可」というのが「決裁」になります。
しかし稟議の場合、最終的な権限を持った職位の人の前に「承認者」と呼ばれる人がいます。これは「決裁」の前にそのメンバーが提出した稟議が正当なものであるかを判断するためです。例えば一般社員のメンバーが役員のところにいきなり「1億のシステムを買います」と言っても、役員の方は困ってしまうでしょう。この時に必要なのが「承認者」の役割です。途中にいる承認者が「必要性」「妥当性」「費用対効果」など、「本当にそのシステムが必要で妥当である」として受け入れる、つまり「承認」したものであれば、役員の方が決裁すべきかどうかの判断をすることが出来るのです。
このように稟議では単純に決裁権者の決裁を得るだけでなく、必要な承認の上で決裁が行われる一連の流れが重要になります。
稟議システムとは?
この「稟議」をシステム化したものが稟議システムです。ここで「システム化」とはIT化を前提とした意味で考えて下さい。
稟議システムでは様々な稟議申請を扱うことになりますが、それぞれの稟議内容に応じて適切な承認者と決裁者が設定されなくてはなりません。逆に言えば稟議内容に応じて適切な承認者と決裁者が設定されるのであれば、稟議システムとして最低限必要な機能の1つが確保できた状態です。
稟議システムに必要な機能は他に以下のようなものがあります。
- 申請毎(申請者・申請様式)に適切な承認者と決裁者が自動的に選択される
- 決裁された申請書がいつでも閲覧・検索可能である
- 決裁された申請内容が変化しない(改変されない)
- 決裁されたことが客観的に理解可能である
他に「あったら便利だな」と思われる機能は次に書きます。
電子稟議システムの便利な点
稟議システムの必要な機能について先に書きましたが、実運用においてはこれらの機能は最低条件であり、次に述べるような機能があることで、スムーズな運用が可能になります。
- 申請に際して承認者を追加・変更することが出来る
- 申請者・承認者以外にも閲覧が可能である
- 申請の補足資料が添付出来る
- 承認依頼が届くとメール通知が届く
従来の紙による稟議では、承認ルートにいる全員が様々な稟議申請について、次の承認者・決裁者を理解している必要がありましたが、システム化することでいちいち記憶しておく必要もなく、また社内規定の変更等による混乱も防ぐことが出来ます。
また申請の内容は通常、申請者・承認者以外が目にすることはあまりありません。しかし過去の稟議の内容を引用したり参照したい場合など、過去の稟議書を必要とする場合はよくあります。そんなときはシステム化され、検索できると非常に便利です。
申請の内容によっては、所定の様式の中には書ききれないものや、申請を補足するために追加の資料が必要な場合があります。その場合には、申請に添付ファイルが付けられるととても便利です。またこの添付資料も稟議書と合わせて保管することで、稟議の内容がわかりやすくなります。
このように稟議システムでは申請~承認~決裁という流れそのものだけでなく、それをサポートする機能が充実することで効率的に決裁を行うことができます。
稟議システムは「社内稟議のあと」と連携することで全体像が見える!
稟議システムは基本的に「稟議」を主要ターゲットとしたシステムです。そのため稟議を実施する上で必要な機能はほとんど備わっており、便利機能についても各社が工夫を凝らしています。
しかしこの稟議システム、実は「稟議のあと」と連携することで非常に便利に使うことが出来ます。具体的には、稟議書によって決裁された内容を実際に行使する時です。例えば・・・
- ツール購入の稟議に沿って、会社に支払いを依頼する場合
- 契約の稟議に沿って、契約書の作成や押印を依頼する場合
このように稟議と共に、その後の決裁や承認についても関連付けされることで、1つの稟議に関連して行われた様々な後続処理や関連処理を1つの流れとして見ることが出来ます。これによって後から参照した人も後続処理を滞ることなく、また関連する処理も漏れることなく対応することが出来るでしょう。
稟議システムについて書いて参りましたが、このように稟議システムは稟議だけでなく様々なワークフローと連携することで、その利便性が高まるツールであるともいえます。このような便利な機能も揃ったAppRemoを今後の検討に加えて頂けますと幸いでございます。
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