申請書・決裁書・稟議書の紙文書を電子化! エクセルからの移行も簡単に

 2022.12.01  株式会社システムエグゼ

近年、稟議書や決裁書など、従来は紙文書が基本であったものを「電子化」する流れが大きくなりつつあります。本記事では、紙文書を電子化する概要やメリット・デメリットのほか、気を付けたい注意点についてくわしく解説します。電子文書化はハードルが高いと思われがちですが、エクセルのフォーマットを使うなどの方法でも実現可能ですので、ぜひ本記事の内容をご参考にしてください。

紙文書のリスクはたくさん

大きな契約や各種事業の意思決定等に使われるのが稟議書や決裁書、報告書などの文書です。これらをエクセルやワードといった電子的手段で作成したものの、結局は印刷して紙ベースで使っている企業はよく見られます。しかし、ビジネスの成長においてデジタル化がキーワードになっている昨今、紙ベースが基本となる業務フローには、以下のような多くのデメリットが存在します。

まず、意思決定のスピードが遅くなる点が挙げられます。稟議書を責任者に回して何か新しい事業を起こそうとアイデアが浮かんでも、スピーディーに対応できなければ、競合他社に先を越されてしまいかねません。テレワークが浸透してきた昨今では、出社するタイミングも減っているため、印鑑を用いた承認が各段階で必要とされれば最終の判断までに相当時間がかかることになります。

ほかには、紙ベースで印刷されたものである以上、物理的に紛失したり、汚損したりするリスクも常につきまとう点も考えられます。これまでのやり方で紙文書にこだわっていると、時代に取り残されてしまいかねません。

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ほぼすべての紙文書が電子化可能!

実は、一部(※)を除き、どのような紙媒体でも電子化ができます。

紙文書はスキャナーでPDF化すれば、ローカルPC上でのデジタルデータとして常時閲覧できるようになります。社内のネットワーク環境に接続すれば、社内共有基盤上に保存して、ほかのメンバーと手軽に共有できるのも魅力です。

また、申請・承認業務であれば「ワークフローシステム」、精算・支払処理業務であれば「経費精算システム」など、業務に特化したシステム環境を構築する企業も増えてきました。必要な文書にとどまらず、業務全体を電子化できるメリットが考えられるでしょう。最近では、社内文書や契約書の電子管理に特化した「文書管理システム」の必要性も高まっています。

(※)紙による保存が原則とされている帳簿書類など。

エクセルで作った稟議書の電子化も簡単

昨今は、気軽さからローコードでのアプリケーション開発などが人気を博しています。ただ、ほとんどコードを書かなくてもよいとはいえ、一定のプログラミングスキルはどうしても必要になるため、ハードルが高いと感じて電子化に足を踏み込めないといったケースも見られます。

表計算ソフトとしておなじみのエクセルで作ったテンプレートがあれば、そのままワークフローシステムに取り込めるので非常に便利です。誰もが使い慣れたツールのため、ITの専門スキルを特別持たない部署であっても、「これならできそう」と思えるのではないでしょうか。ワークフローシステムにエクセルを活用することのメリットとしては、Webフォームのデザインを思い通りにできたり、入力規制を活用してミスを防いだりすることが挙げられます。必要なコストの計算なども、スピーディーかつ正確にできるので、業務効率性が大きく高まるはずです。

稟議書を電子化するメリットとは?

では、煩雑になりがちな稟議書を電子化すると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。主に以下の4つのポイントについて解説します。

  • ペーパーレスでコスト削減
  • 多様な働き方に対応
  • 業務の効率化
  • プロセスの可視化

ペーパーレスでコスト削減

日々業務で使う稟議書・申請書や配布物をペーパーレス化すると、大幅なコスト削減につながるメリットがあります。「紙に印刷する」「印刷した紙を保管する」「不要な紙を破棄する」といった一連の流れは不要になり、これまで意識せず使っていた用紙代やインク代、紙を保管していた場所代も削減できます。

従業員全員がペーパーレス化を意識し、紙を使わずにさまざまな業務を遂行できるようになると、紙ゴミが減り、地球環境保護にもつながっていくでしょう。昨今はSDGsなどCSR活動も企業評価において重要な取り組みです。環境への意識が高い企業であることをアピールできれば、企業のイメージアップにも繋がります。

多様な働き方に対応

昨今、政府主導で働き方改革が進められ、さまざまな人が働きやすい労働環境整備やワークライフバランスが重要視されるようになっています。

稟議書を紙ではなく電子化すると、「稟議書を回す」つまり「各管理者の印鑑をもらう」ために出社する必要がなくなります。電子化された稟議書はPC上で確認でき、ワークフローで自動的に必要な責任者へ回っていく仕組みです。今、稟議がどの管理者の元にあるのかを一目で確認できたり、承認までの時間も短縮できたりすることは、大きな魅力と捉えられるでしょう。

育児や介護といった時間に制約がある人にとっても、これまで稟議書のために割いていた時間を有効活用できるメリットがあります。

業務の効率化

稟議書など文書のやり取りを紙ベースで行っていると、共有や議論にも時間がかかります。ファイリングだけでなく、過去の書類などを書庫から探したりするのにも手間がかかるため、隠れた負担は多岐に渡ります。

電子化すると、そうした無駄な時間や手間などが不要になり、業務の効率化が大幅に図れるようになります。ワークフローにテンプレートが組み込まれていれば、業務に慣れていない従業員でも直感的かつスピーディーに稟議書を作成できるのも優れている点です。

プロセスの可視化

稟議書はさまざまな責任者が順番に確認するため、今誰の元にあるのか、どこで止まっているのかといった承認までのプロセスを把握しておかなければなりません。その意味では、紙媒体の場合、確認することが難しいこともよくあります。

一方、稟議書を電子化してフローを回す方法は、本来見えにくい承認プロセスを、一目でわかるように可視化できるのが特長です。万一何らかの問題が発生していれば、すぐに修正できるため、より迅速に正しい稟議を通せるようになります。さらにフローの途中で紛失することもありません。セキュリティ面でも安全に管理できるのは大きなアドバンテージです。

稟議書を電子化するデメリットとは?

稟議書を電子化すると多くのメリットがあるものの、気を付けておきたいデメリットも存在します。

たとえば、全従業員が使えるようなシステムを構築して運用する必要があるため、イニシャルコストやランニングコストが発生します。そうした負担がかかったとしても、経営陣だけでなくすべての従業員が電子化によって得られるメリットを理解できるようにする必要があるでしょう。併せて、社内にIT部門がなければ新設するなど、スムーズに運用できるような社内体制を整えることが求められます。

ただ、導入が成功したとしても、全従業員が稟議書の電子化移行に慣れるまでには相当の時間がかかることも、あらかじめ覚悟しておかなければなりません。

優先して電子化すべき紙文書とは?

基本的にどの文書でも電子化できるとはいえ、業務効率を上げるために、どの文書から優先的に電子化すればよいのでしょうか。自社の状況によって変わるものではありますが、ここでは一般的に優先すべきものをご紹介します。

まずは、多くのユーザーが頻繁に使っている紙文書を優先しましょう。コストパフォーマンスの面で有利だからです。次点として、いつでもどこでも見られるメリットを活かし、出先で閲覧したり、社外や遠方の人に共有したりしたい資料を電子化しましょう。活用できる場面が増え、利便性が向上します。

電子化する際のポイント

ここからは、電子化する際に意識しておきたいポイントについて、3点解説します。

業務フローの見直し

稟議書のみならず、紙文書を電子化する際にはまず、「なぜ電子化するのか」という目的を明確化し、全従業員と認識を共有したり、既存の業務フローを見直したりすることが大切です。ただ電子化しただけで終わってしまうと、従業員にとっては、新しい方法を覚える手間が増えただけとしか感じられない可能性があるからです。

稟議書を電子化する際には、社内で定めている現行の承認フロールールと整合性が取れるかどうかなどを確認します。そのまま再現できないのであれば、システムをカスタマイズする必要があります。そうしたケースでは計画に支障を及ぼさないよう、増加するコストを早期に見積もって予算を確保することが大切です。

既存システムとの連携

新しいワークフローシステムを導入したとしても、勤怠管理や会計管理など、さまざまな既存システムと併用するケースも多くあります。そして、システム同士がうまく連携できているかどうかで、従業員や管理者などの手間や負担は大きく変わってきます。システムごとにログインして確認しなければならないなどの手順が加わると、業務効率性の向上を目指した電子化のメリットが半減してしまうでしょう。電子化にあたっては、既存システムとスムーズに連携できるかどうかも確認した上で導入するのがおすすめです。

費用対効果を確認

どの紙文書であっても、電子化するにはシステムの導入および運用に伴うコストがかかります。そのため、これから導入しようとするシステムでどれだけ業務を効率化でき、どれほどの効果が生まれるのかを定量的に把握してコストパフォーマンスを確認することが重要です。コストよりも大きなパフォーマンスが得られると判断できれば、早期に電子化を進めることで業務の効率化が実現し、他社との差別化も図れるでしょう。

まとめ

稟議書をはじめとする紙文書を使用しており、電子化に踏み込めていない企業もまだ多く存在します。その原因としては、イニシャルコストの負担や社内体制づくりが困難といった理由が挙げられるでしょう。しかし、紙文書の電子化にはコスト削減や多様な働き方への対応、業務の効率化、業務プロセスの可視化など多くのメリットがあります。エクセルを使って移行する方法もあるため、自社の状況に応じた電子化でどれだけのコストパフォーマンスを発揮できるかを見定めることが重要です。その際には、現在の業務フローの見直しや既存システムとの連携を図ることがポイントとなります。ぜひ、この機会に自社の紙文書の電子化を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

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