データ活用を推進するにあたり、どこから着手すべきか課題になっている会社も多いことでしょう。日々のビジネスでデータを取得し、蓄積しているものの、どのように整理すれば良いか、具体的な方策がとれないまま、ほとんど活用できないデータを収集し続けているケースもあるのではないでしょうか。
しかし、データは、正しい手順と適切なインフラを用いて有効活用することにより、会社を変革する力になります。データの収集・分析、経営戦略への活用までの手順と、踏まえておきたいポイントについて解説します。
明確なステップと方針で成功させるデータ活用
データの取得手段や保管・蓄積手段は、ICTの発達により多様化・高度化し、活用のあり方もさまざまなものが見られます。しかし、活用できている会社でも特別なことをしているわけではなく、ソリューションを使って何度も試行錯誤を繰り返して、活用に至っています。
まだデータを活用できていない会社でも、正しい手順を踏むことによりデータ活用を実践することが可能です。早めにデータ活用に着手し、ステップの明確化と実践、活用検証を重ねていくことが重要だといえるでしょう。
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データ活用を成功させる5つのステップ
データ活用の方法には正しい手順があります。次に解説する通り、収集から活用まで、5つのステップを履践することにより活用ができるようになります。
データを収集・集約する
データを収集・集約することがデータ活用の第一歩であるため、業務の中で発生するデータは、遺漏なく収集するべきです。データは容易に利用できるよう、アクセスしやすい統一された形で集約することがポイントになります。
しかし、実際には各アプリケーションにデータが散らばってしまい、1箇所に同じ形式で集約していたとしても、手作業による加工やデータマイグレーションなど大掛かりな作業を行っているケースも少なくありません。Excelシートで散在しているデータの管理を行っている場合は、集約作業はさらに困難なものになります。
こうした課題は、正しいデータ活用基盤を導入し、利用することで、克服できます。例えば、Oracle Cloudをデータ活用基盤として利用すると、オンプレミスのシステムがサーバーごとクラウド環境に接続できるため、データはシステムから基盤側にスムーズに移行することができます。
クラウドベースのシステムであれば、API連携による集約が可能です。
技術の進歩により、膨大なデータの集約・一元管理を行うことも容易となるため、データの収集・集約が不十分な会社はデータ活用基盤の導入から始めてみましょう。
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データの可視化と分析を行う
次に、集約されたデータを可視化し、分析することが必要です。
データの可視化とは、人間の目でデータを簡単に理解できるようにすることですが、これにはグラフ化やダッシュボードでの把握といった手法があります。
分析では、集計されたデータに一定の見方を設定し、データの相関関係を見たり、仮説の裏付けデータとなる要素の有無や実証データとしての利用価値を検証したりなどします。
可視化も分析も人間の判断材料にできるような形にデータを提示することが目的で、切っても切り離せない関係にあります。これらはデジタルツールにより実現できるもので、BIツールやAIによる分析・ダッシュボードによって可視化が行われています。
データ活用基盤にもBIやAIを使った可視化・分析機能があります。
データ活用基盤の導入により、多数のアプリケーションで収集・分析を行っていた会社でも、一元管理を実現して、基盤上のツールによる分析を行うことができるようになります。
しかし、導入された基盤やツールをどのように使うかについてはノウハウとスキルが必要ですが、どこの会社にもノウハウとスキルがある人材がいるとは限りません。
データのスペシャリストが分析の方法を提案し、ノウハウを会社に移植する「次世代データ分析サービス」をアウトソーシングサービスとして利用すると、可視化と分析がスムーズに進められます。
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結果をもとに経営判断を行う
データの分析結果は、経営判断に活かすことができます。
売り上げ予測・出店計画の管理などは、データによる可視化と分析が行われると、判断の確度が高くなります。その結果、経営判断もより迅速・的確に行うことができます。
また、それまでの計画がうまく行かなかった場合の要因分析・リスク管理にも、データが役立ちます。
データと仮説・経験にギャップがある場合にも、検証のためにデータを活用することができます。
このようにして、データを経営判断の根拠として積極的に使えるようになれば、すでにデータ活用の目的の一部は達成されているといってよいでしょう。重要な経営政策の立案・実行にデータを積極的に活用し、うまく行かなければ検証する、ということを繰り返すことにより、会社を変えることができるのです。
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立案した施策を現場へ反映させる
立案した施策を経営レベルから現場レベルへ反映させる段階でも、データは活用できます。例えば、データを根拠にすることで、現場に施策の必要性や妥当性、取り組む意義などを提示しやすくなります。
また、実行における問題点があれば、何が問題なのか分析し、人材面や投資面での改善策を講じるなど、打つべき手立てが見えてきます。データ分析の結果として最適な施策であっても、現場では物理的な制約などで実現が不可能になることも日常的に起きうることです。
改善策を進めることで可能にするべきか、あるいはプランBについて検討すべきか、その判断もデータ分析によって、より適切に行うことができます。
成果のデータを集め再検証する
施策への反映成果は、データとしてさらに分析・検証することが必要です。
検証を繰り返すことで、PDCAを回すことができるようになります。業務プロセスの改善では、なぜ必要なのか、なぜ有効なのか、という本質的な問題はやや置き去りにされてしまい、形式的なPDCAに陥りがちです。
しかし、成果データ検証をすると、改善の目的・意味が分かりやすくなり、より本質的で改善につながりやすいPDCAが実現できるようになります。経営判断が正しかったかどうかの検証もしやすくなるので、検証を早く行ったために、迅速に軌道修正できるケースも多くなります。
データ検証で浮かび上がる課題と解決策を実行することができれば、従来に比べ容易に業務改善に結び付けることができます。
データ活用で成果を上げる3つのポイント
データ活用では、活用目的や分析手法・条件は人の手で決めることになります。次の3つのポイントを踏まえて臨むことが重要です。
創造性を発揮する
データの分析手法や、解釈は人間が決めます。データが勝手に何かを語るわけではなく、データに基づいてビジネスの方針を決めるのは人間です。
そのため、データを活用して意思決定を行わないとデータ活用は進まないこと、そして、得られた知見から従来と違うことを行う意思を持ち、大胆な成長戦略を生み出すことはマネジメントの役割であること、という理解を進めておくことがデータ活用のポイントです。
データ分析結果から、いかに会社が創造性を発揮することができるかが、次世代での生き残りに直結するでしょう。
データには謙虚に接する
ビッグデータの活用を行うと、「意外な結果」、ひいては「不都合な真実」に多く出くわします。ビッグデータは今までよりもはるかに大きな数のサンプルです。母集団の違いで、今までのデータ分析よりも確度・信頼性が上がることを踏まえて接すると、こうした意外なことも「想定内」と考えることができるのです。
ところが、謙虚にデータを読まず「これは経験に反する、おかしい」などと考えてしまうと、データ活用の意味がなくなってしまいます。そうではなく、今までと質が異なり、より良質なデータと分析結果に接している、と考えて謙虚に接するようにしましょう。ミスは検証すべきですが、まずは謙虚に接することがポイントです。
活用を継続する
PDCAに終わりはないため、データ活用は継続が重要です。
データ活用は、多数のデータの分析、一連のシナリオ・施策の実行、結果の検証とばらばらのイベントではなく、継続した「線」により実現するものです。そのため、PDCAを何度でも回すこと、データの収集は行い続けることがポイントです。
まとめ
このように、データ活用は5つのステップを正しく実践し、3つのポイントを押さえることにより大きな成果につながります。今までデータ活用ができていなかった会社においては、データ活用基盤の導入がカギになります。
中小企業でも比較的低コストで導入しやすいOracle Cloudを導入することで、5つのステップを実行しやすくなります。データ活用によって、より創造的な会社に変わっていくことが可能なので、ぜひ導入をご検討ください。
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