主に経営やマーケティングにおいて、「データドリブン」を適用する企業は増えています。データドリブンの実現によって、ビジネスにおける意思決定の精度やアジリティ(敏捷性)の向上が期待できるためです。
データドリブンの実現にあたって、活用できるツールは数多く存在します。こうしたツールを使うべきかどうか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、データドリブンを実現するツールについて紹介します。
データドリブン経営・マーケティングにツールは必要?
「データドリブン」とは、「データに基づいて意思決定を行う」ことです。ビッグデータ(膨大なデータ)を活用することで、ビジネスにおける正確・迅速な意思決定を可能にします。
そして、データドリブン経営・マーケティングにはツールが欠かせません。なぜならデータドリブンの実現には、インターネット上や社内に存在するビッグデータの収集・可視化・分析が欠かせないためです。膨大なデータを全て手作業で取り扱うのは、現実的ではありません。
ツールを活用することで、業務の中でデータの活用が容易となります。広義では紙の書類やExcelファイルなどもデータドリブンのツールですが、それだけでは不十分です。以降の章で必要なツールを一通り紹介しますので、DX施策の一環として整備していきましょう。
データを収集・保管するツール
まずは、データを収集・保管する2つのツールについて、紹介します。
保管するデータが膨大であれば、収集・保管することが難しくなるため、ぜひ検討したほうが良いといえます。
データを保管するデータウェアハウス(DWH)
「データウェアハウス(DWH)」を直訳すると、「データの倉庫」となります。つまりデータウェアハウスとは、さまざまなシステムから必要なデータを取得し、倉庫のように保管できるツールです。代表的なデータウェアハウスとしては、「Oracle Autonomous Data Warehouse」が挙げられます。
業務で多くのシステムを使用していると、それぞれのシステムで個別にデータを保管する負担が生じます。データウェアハウスを用いることでこうした負担を解消し、データ活用が容易となるのです。データウェアハウスには特定条件のデータだけを抽出したり、データの重複を排除したりする機能があります。
生のデータ全てを収納するデータレイク
「データレイク」を直訳すると、「データの湖」となります。つまり、データレイクとは、さまざまなデータを「湖に流れ込む魚」のように収集し、そのままの状態で保管できる仕組みです。データレイクを構築できる代表的なツールとしては、「Oracle Cloud Infrastructure Object Storage」が挙げられます。
データウェアハウスとの大きな違いは、データを保管する際にあえて加工・変換を行わない点です。それによって、手間をかけず迅速なデータ保管が可能となります。ただし、データが膨大となってもアクセスできるように、データ自体のデータ(メタデータ)を管理する「データカタログ」を補助的に用います。
営業とマーケティングを支援するツール
次に、営業とマーケティングを支援する4ツールをそれぞれ紹介します。
ツールの特長を理解し、営業とマーケティングに活かしましょう。
顧客を管理するCRM
「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」とは、顧客情報を管理・活用しやすくするためのツールです。本来は「顧客を中心に考えるマネジメント手法」を指す言葉でしたが、昨今ではITツールを指すことが多くなりました。代表的なCRMとしては、「Oracle Sales」が挙げられます。
CRMを使うことで顧客の購入履歴や問い合わせ履歴を把握したり、売れ筋商品を分析したりできます。顧客にアプローチする上で有用なデータが得られるため、昨今のマーケティングには欠かせないツールです。
営業活動を支援するSFA
「SFA(Sales Force Automation:営業の自動化)」は、営業活動全般を支援するためのツールです。顧客と接点を持ってから成約にいたるまでの進捗状況を可視化し、管理する役割があります。「Oracle Sales Force Automation」などが、代表的なSFAです。
顧客に関わる情報を扱うという意味で、SFAはCRMの一部機能として提供される場合もあります。ただしSFAは営業活動の効率化を目的としており、営業担当者向けの機能が中心となっています。SFAであれば見積書や契約書、営業日報などを作成することも可能です。
マーケティングを自動化するMA
「MA(Marketing Automation:マーケティング自動化)」とは、マーケティング活動全般を自動化するためのツールです。顧客のニーズや行動を可視化して適切なアプローチを行い、成約につなげる役割があります。代表的なMAとしては、「Oracle Eloqua Marketing Automation」が挙げられます。
CRMやSFAとの違いは、リード(見込み客)の獲得や育成を目的とした機能が多い点です。たとえば、メール配信機能やランディングページ作成機能によって、リードへのアプローチが容易となります。また、リードの行動に応じてスコアを算出し、成約の可能性を分析することも可能です。
Web解析ツール
「Web解析ツール」とは、Webユーザーのアクセス・クリックといった行動を可視化するためのツールです。Webサイトのアクセス数や滞在時間、キーワードごとの検索数などを解析できます。代表的なWeb解析ツールとしては、「Googleアナリティクス」が挙げられます。
ただし、競合Webサイトの解析に特化したものもあり、Web解析ツールによって機能はさまざまです。基本的には、自社のWebコンテンツを改善するために活用されます。
データをつなぐツール
最後に、データとデータをつなぐ2ツールについて、紹介します。
活用することで効率よくデータドリブンを導入することができるでしょう。
ビジネス情報を統合・分析するBIツール
「BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツール」とは、企業に存在するさまざまなデータを統合し、分析するためのツールです。BIツールを使えば、Excelなどの表計算ソフトを使わずとも容易にビジネス情報を分析できます。「Oracle Business Intelligence」などが、代表的なBIツールです。
BIツールは、経営陣の意思決定によく活用されます。現場に散在する多くのデータを吸い上げて分析することで、迅速・正確な意思決定が容易となるのです。レポート作成機能などもあり、情報共有を促進することでデータドリブンの浸透につながります。
マーケティングツールとの橋渡しを担うDMP
「DMP(Data Management Platform:データ管理基盤)」とは、インターネット上の膨大なデータを管理するためのツールです。主に、自社サイトにおける顧客の行動履歴や購買履歴などを管理できます。「Rtoaster」などが、代表的なDMPです。
DMPは、マーケティングツールとの橋渡し役として使われることの多いツールです。DMPで収集した情報を活用することで、CRMやMAをより効果的に利用できるようになります。また、自社データを管理する「プライベートDMP」と、外部データを管理する「パブリックDMP」が存在します。状況に応じて使い分けると良いでしょう。
まとめ
今回は、データドリブンを実現するツールに関してお伝えしました。データドリブンにおけるビッグデータ活用を効率化するために、ツールの導入は必要不可欠です。今回の内容を参考にして、企業に合ったツールをぜひ導入してください。
データドリブンの実現を目指す企業におすすめなのは、「Oracle Cloud」です。データウェアハウスやCRM、SFAといった幅広いツールを提供しています。統一的な基盤を構築することによって、データドリブンをより浸透させやすくなるでしょう。
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