システム開発の内製化に向けた課題とアウトソーシングとの使い分け

 2025.01.17  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

現代のビジネス環境では、システム開発・運用が企業の競争力に直結します。そのため、システム開発の内製化とアウトソーシングのメリット・デメリットを理解し、企業戦略やリソースに応じた選択が求められます。
本記事では、システム開発を自社内で行う内製化とベンダーなどに外注するアウトソーシングそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

“無償”でクラウド移行の意思決定に必要な情報を提供
OCIに特化した無償移行アセスメントサービス

「高品質・低コストなOracle Cloudに移行したいがノウハウがない」「まだ比較検討段階で外部にアセスメントを依頼する予算がない」「まるっとクラウド移行を任せられるベンダーが欲しい」などのお困りごとは、ぜひ私たちシステムエグゼへご相談ください。

3回のワークショップでスピーディーにお客さまのシステムのアセスメント結果をご提供します!

サービスの詳細はこちらから

はじめに

変化のスピードが速い現代のビジネス環境において、企業は効率的かつ効果的なシステム導入・運用を求められます。
このニーズに応えるための手段として、一般的には『パッケージ導入』や『アウトソーシング』を利用したカスタム開発が挙げられますが、もう一つのアプローチとして他社の手を借りず独自にシステムを開発する『内製化』が挙げられます。
特に昨今は開発スピードやナレッジの蓄積などの点から、内製化について注目度が高まっています。本記事では、システムエグゼがこれまでさまざまな開発を対応してきた中で得られた知見をもとに、アウトソーシングと内製化についてそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

クラウド移行の理解を深めよう!今さら聞けないクラウド移行検討の始め方
解決策がわかれば怖くない!クラウド移行で直面する課題と解決策

内製化のメリット

まずは、内製化のメリットを4点紹介します。

開発スピードの短期化が期待できる

内製化では社内コミュニケーションが基本のため、ニーズや仕様などの調整がスムーズになります。
外部の承認を待つ必要がないため、意思決定プロセスが短縮され、プロジェクトの進行が迅速になります。

ナレッジが蓄積され、将来的な運用がしやすくなる

TeamsやSlackなどのコミュニケーションツールをクローズドなチャット(1:1)ではなく、複数人が参加できるオープンチャンネルで運用することで、人員の入れ替わりが激しい組織でも過去のやり取りを検索でき、知識の共有が円滑になります。

他社を介さないため、情報漏洩リスクを低く抑えることができる

社内でシステムを開発・運用することで、情報の流出リスクがある程度減少します。
またセキュリティの脆弱性が発見された場合にも、迅速な対策・対応を講じることができます。

対外的な開発コストの削減

システム開発や運用を内製化することで、アウトソーシングに伴うコストが削減されます。
特に仕様変更や追加開発はアウトソーシングよりも迅速かつ低コストで対応できます。

内製化のデメリット

続いて内製化のデメリットを挙げます。

人材育成コストと時間

内製化には専門的なスキルを持つ人材が必要不可欠です。
既に社内に対応できるスキルを有する人材がいる場合には教育コストはかかりませんが、その様な人材が社内にいない場合は、採用活動による人材獲得など少なからぬ投資が必要となります。
また教育が必要な場合は、すぐに成果を得ることが難しいため中長期的な視点が求められます。

新しい技術への対応が困難

内製化チームがすべての最新技術をキャッチアップすることは負荷を伴います。
また、専門性の不足により技術的な停滞や品質低下につながるリスクもあります。

リソース制限

内製化チームの発足に伴い、担当者の現行業務と並行して内製化業務に充てる工数の調整が必要となります。
内製化の開発規模や担当者の割り当て可能な工数の状況によっては、他の業務に支障をきたす可能性があります。

アウトソーシングのメリット

続いてアウトソーシングのメリットを挙げます。

専門知識の活用

一般的にアウトソーシング先の企業は、専門の業者であれば最新の技術やトレンドに精通している専門家が在籍しており、最新技術の導入経験を持っています。
そのため、迅速に導入プロセスを進めることができ、一定の品質も期待できます。
また、内製化する場合と比べて技術習得やトレーニングにかかる時間とコストを削減できます。

リソースの柔軟性

アウトソーシングを利用することで、開発に必要なリソースをその必要に応じて柔軟に確保できます。
これにより、プロジェクトのスピードアップや効率化が図れます。

アウトソーシングのデメリット

続いてアウトソーシングのデメリットを挙げます。

セキュリティリスク

業務をアウトソーシングする場合、アウトソーシング先に対して社内のシステムや情報へのアクセス権限を付与する必要が出てくる場合が多いため、情報セキュリティ上のリスクが生じます。
特に、アクセス権限の管理が不十分な場合、セキュリティインシデントにつながる可能性は否定できません。

予期せぬ追加費用

プロジェクトの進行中に予期せぬ問題が発生した場合、追加の作業やリソースが必要になる場合があります。
特にプロジェクトを開始した後では、アウトソーシング先の要求を受け入れざるを得ない状況に陥り、当初の予算を超える費用が発生する場合があります。
また、アウトソーシング先の企業が提供するサービスの品質が期待値に満たない場合、修正や再作業が必要となり、これが追加のコスト増を引き起こす可能性があります。

コミュニケーションコスト

アウトソーシング先の外部企業とのコミュニケーションや調整に時間と労力がかかることがあります。
これにより、プロジェクトの進行が遅れ、追加のコストが発生することがあります。
また、外部の企業とは明確で効果的なコミュニケーションを図ることが重要ですが、プロジェクトの進行状況や問題点を適切に共有し、迅速な解決をしながら進めるためには一定のコミュニケーションコストをかける必要があります。

内製化の課題

前項までのメリット・デメリットを踏まえ、特に内製化を検討する際に確認しておきたい課題についてまとめてみます。

内製化体制を組めるか

内製化のメリットは前項までで挙げましたが、そのメリットを享受するにはこの点をいかにクリアできるかという点は重要なポイントです。
要点として以下の3点が挙げられます。

  1. 専門知識とスキル
    プロジェクトに必要な技術的スキルを持つ人材がいる必要があります。
    また、最新の技術トレンドに対応できるよう、継続的に学習する意欲とその支援体制も必要です。
  2. 内製化予算と期間の設定
    必要なハードウェア、ソフトウェア、トレーニングなどの初期費用の予算が必要となります。
    同様に、プロジェクトの進行中に発生する人件費や運用費用の予算も必要です。
    また、内製化プロジェクトの各フェーズで必要な期間を明確にし、現実的なスケジュールを設定し、進捗を確認していくことが重要です。
  3. 社内の根回し
    前記の2点にも関わる内容ですが、プロジェクトの重要性を経営陣に理解してもらい、支援を得る必要があります。
    また、関係する各部門が協力し合い、スムーズなプロジェクト進行の支援を得る必要があります。

内製化体制の維持

続いてもう一つのポイントとして開発後も含めた体制の維持が必要となります。
要点は以下3点です。

  1. スキルの維持と向上
    技術は常に進化しているため、社員が最新の技術を習得し続ける必要があり、定期的なトレーニングや研修が重要となります。
  2. 属人化のリスク
    社内リソースを活用するため、特定の知識が特定の社員に集中しがちで、その社員が退職すると知識が失われ、他の社員が引き継ぐのが難しくなります。属人化を防ぐためには、社内ナレッジの蓄積が必要となります。
  3. 運用コストの増加
    内製化には初期投資だけでなく、継続的な運用コストもかかり、これを適切に管理することが必要となります。

標準化の難しさ

最後に『標準化の難しさ』を挙げますが、そもそも標準化は難しい課題です。
標準化は仕様やルールを繰り返しさまざまなシステムに適用し、品質とコストのバランスをより良くするためのものです。ただし適用対象が少ない場合、かえってコストが増えてしまう場合があり、ケースバイケースの課題になるかもしれません。
要点は以下3点です。

  1. 標準の維持
    一度標準化しても、技術や業務環境の変化に対応するために継続的な改善が必要です。
  2. 利用者への負荷
    新しい標準を導入する際に、利用者が変化についていくための負荷がかかります。
  3. フィードバックの収集
    標準化されたプロセスが実際に機能しているかどうかを評価し、必要に応じて改善するためのフィードバックを収集することが重要です。

おわりに

内製化とアウトソーシングにはそれぞれメリットとデメリットがあり、企業の状況や目標に応じて柔軟に選択をすることが重要です。
内製化は、迅速な意思決定やナレッジの蓄積、情報漏洩リスクの低減などの利点がありますが、人材育成やリソースの制約といった課題も存在します。
一方、アウトソーシングは専門知識の活用や最新技術の迅速な導入が可能である反面、データの取り扱いやセキュリティ管理の複雑化といったリスクがあります。

システムエグゼでは、これらの課題に対する最適なソリューションを提供し、お客様のビジネス成長をサポートします。
内製化の推進やアウトソーシングの活用に関するご相談は、ぜひ当社までお問い合わせください。
お客様のニーズに合わせた最適な提案を行います。

EXE-Cloudサービスカタログ

RECENT POST「クラウド移行」の最新記事


クラウド移行

【徹底解説】モダナイゼーションの主な目的・課題・成功要因とは?

クラウド移行

データ分析サービスとは? Excelでのデータ管理は時代遅れ!

クラウド移行

サイロ化とは?組織とシステムの分断がもたらす問題点と解決方法について解説します!

クラウド移行

ローコード開発ってよく聞くけど従来の開発と何がちがうの?

システム開発の内製化に向けた課題とアウトソーシングとの使い分け
EXE-Cloud 割引キャンペーン

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング