「パブリッククラウド比較 -
Oracle CloudとAWS・Azure・GCP -」

 2024.05.17  株式会社システムエグゼ

クラウド市場は年々拡大しており、「自社の業務システムをクラウドに移行したい」「クラウド基盤を活用して業務改善を行いたい」など、本格的なクラウド活用を検討するケースも増えています。
今回は、Oracle Cloudと他の主要クラウド「Amazon Web Services(以下、AWS)・Microsoft Azure(以下、Azure)・Google Cloud Platform(以下、GCP)」の特長・サービス・価格を比較し、違いを見ていきます。

1. パブリッククラウドサービスとは

パブリッククラウドサービスとは、インターネット経由で提供されるコンピューティング環境(サーバ、ストレージ、データベースなど)を必要なときに必要な量だけ利用できるサービスです。

各形態ごとののサービスパターンと例

形態 サービスのパターン サービス例
IaaS インフラ サーバ、ストレージ
PaaS インフラ+プラットフォーム

データベースプラットフォーム
(Oracle Autonomous Database Service、Amazon RDSなど)

SaaS インフラ+プラットフォーム+
アプリケーション機能
Google Workspace、Microsoft365、Salesforce、サイボウズ、Sansanなど

このように、提供されるサービスによって利用者が管理する範囲が変わってきます。例えば、IaaSであればサーバやストレージはサービス提供側が管理しますが、インストールするソフトウェアやアプリケーションは利用者が管理しなければなりません。
一方、SaaSであれば、アプリケーションまで含めてサービス提供側が管理しますので、利用者はサービスを利用するだけとなります。

相互接続を活用した基幹システムのマルチクラウド化事例
まずはここから始めよう!Oracle Cloud 入門ガイド

2. Oracle Cloudの特長

https://www.oracle.com/jp/cloud

Oracle Cloudは、AWS、Azure、GCPと比較すると後発のクラウドベンダーですが、クラウド市場でシェアを拡大しているベンダーの1つです。
Oracle Cloudで提供されるサービスのうち、IaaSに分類されるサービスをOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)といいます。日本国内では東京と大阪にリージョン(データセンターエリア)があります。
Oracle CloudのIaaSサービスは、他のクラウドサービスと比較しても低価格であることが1つの強みです。また、オラクル社はエンタープライズ向けの製品を長年提供してきた技術とノウハウを活かしたクラウドサービスを提供しています。

  • 自社の基幹システムをオンプレミスからクラウド移行にしたい
  • 現在、Oracle Databaseを導入している

というお客様のクラウド移行先としておすすめです。特にOracle Databaseに関しては、IaaS、PaaS、SaaSと選択できます。ライセンスの持ち込み(BYOL)も可能です。また、Oracle Exadata Cloud@Customerを使用すると、データセンターにクラウド基盤を構築することもできます。
最近では、データ分析基盤としてAutonomous Data Warehouseを使用したいという要望も増えてきています。Autonomous Data Warehouseは自律型管理のデータベースで、データベース運用管理者の負担を軽減できる点が特長です。また、機械学習やグラフ・空間分析の機能も含まれています。
このように、用途に合わせてデータベースを選ぶことができるため、運用を改善したい、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組みたいなど、ユーザーの要望に合わせた提案が可能です。

3. 他の主要クラウド(AWS、Azure、GCP)の特長

Amazon Web Services(AWS)

https://aws.amazon.com

Amazon.com社が提供するクラウドサービスです。クラウドサービスの中では最も長い歴史があり、業界トップシェアを維持しています。サービスが豊富に提供されており、ユーザー数も多いため、活用事例や情報も多く、クラウドサービス選択の基準となっています。

Microsoft Azure(Azure)

https://azure.microsoft.com

マイクロソフト社が提供しているクラウドサービスです。Windows Server、Office365、Active Directoryなど、すでに社内でマイクロソフト社の製品を導入している場合、Azureとも連携しやすいというメリットがあります。

Google Cloud Platform(GCP)

https://cloud.google.com

グーグル社が提供するクラウドサービスです。同社が提供するサービスであるGmail、Google map、YouTubeの稼働基盤として実績があります。膨大なデータ量を扱う技術やノウハウに長けており、データ分析やAI技術を生かした独自サービスが有名です。

4. Oracle Cloudと他クラウド(AWS、Azure、GCP)の比較

4-1.サービス比較

IaaS・PaaSの代表的サービスであるコンピュート・ストレージ・ネットワーク・データベースを比較しました。

コンピュート

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
仮想サーバ Virtual Machine Amazon EC2 Azure Virtual Machine Compute Engine
ベアメタルサーバ Bare Metal Machine Amazon EC2 Bare Metal Instance Azure Bare Metal Servers Bare Metal Solution

ストレージ

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
ブロックストレージ Block Storage Amazon Elastic Block Storage Azure Disk Storage Persistent Disk
ファイルストレージ File Storage Amazon Elastic File System Azure Files Cloud Filestore
オブジェクトストレージ Object Storage , Archive Storage Amazon S3,Amazon Glacier Azure Blob Storage,Azure Archive Stroage Cloud Storage
大容量データ移行サービス Data Transfer Service AWS Snowball等 Azure Data Box Transfer Appliance

ネットワーク

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
仮想ネットワーク Virtual Cloud Network Amazon VPC Virtual Network Virtual Private Cloud
ロードバランサー Load Balancer Elastic Load Balancing Azure Load Balancer等 Cloud Load Balancing
DNS DNS Amazon Route 53 Azure DNS Cloud DNS
VPN Site-to-Site VPN Amazon VPN Azure VPN Gateway Cloud VPN
専用接続線 FastConnect Amazon Direct Connect Azure ExpressRoute Cloud InterConnect

データベース

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
リレーショナルデータベース Oracle Autonomous Database Amazon RDS for Oracle/Postgres等 Azure SQL Database Cloud SQL
NoSQL Oracle NoSQL Database Amazon DynamoDB Azure Cosmos DB Cloud Datastore,Cloud Bigtable
データウェアハウス Autonomous Data Warehouse Amazon Redshift Azure Synapse Analytics BigQuery

各クラウドでほぼ同じサービスが提供されています。今回はIaaS・PaaSサービスを比較しましたが、非機能要件(性能・拡張性、セキュリティ、運用・保守性、移行性、可用性(バックアップ)、システム環境・エコロジー)について要件をまとめておくと、より詳細な部分までサービスの比較ができます。

4-2. コスト比較

代表的なサービスについて、1カ月あたりの料金を計算しました。
(注意点)

  • 2024年3月25日時点において、各クラウドサービスの見積ツールを使用して算出しました。
  • 比較条件はできるだけ揃えていますが、各サービスで差がありますのでご了承ください。

コンピュート(OS:Linux) *1OCPU=2vCPUで換算します

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
コンピューティングエンジン Virtual Machine Amazon EC2 Azure Virtual Machine Compute Engine
マシンタイプ VM.Standard.E4.Flex(2OCPU *、RAM32G) r5a.xlarge(4vCPU、メモリ32G) D4a v4(4vCPU、メモリ16GB) n2d-standard-4(4vCPU、メモリ16GB)
1カ月あたりの料金 77.16ドル 200.02ドル 181.04ドル 167.16ドル

ストレージ(容量:1TB)

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
ストレージサービス Object Storage Amazon S3 ブロック Blob Storage Cloud Storage
1カ月あたりの料金 25.24ドル 25.00ドル 20 ドル 21.42 ドル

ネットワーク(通信量:1TB、インターネットアウトバウンド通信)

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
ネットワークサービス Virtual Cloud Network Amazon VPC Virtual Network Virtual Private Cloud
1カ月あたりの料金 0 ドル(10TBまで無料、10TB以上は1GB当たり0.025ドル) 107.26 ドル 40.96 ドル 111.76 ドル

データベース(MySQL)

サービス Oracle Cloud AWS Azure GCP
使用データベース MySQL Database Service Amazon RDS for MySQL Azure Database for MySQL Cloud SQL for MySQL
インスタンスタイプ Standard - E3(1OCPU、
メモリ8GB)
db.m5.large(2vCPU、メモリ8GB) Gen5(2vCPU、メモリ10G) db-standard-2(2vCPU、
メモリ7.5GB)
データ容量 1000GB 1000GB 1000GB 1000GB
バックアップデータ 1000GB 1000GB 1000GB 1000GB
1カ月あたりの料金 134.46ドル 404.55 ドル 443.27 ドル 430.90 ドル

今回は、従量課金で1カ月停止なしで使用したケースを計算しました。課金に関しては、各クラウドサービスで前払・使用量・契約期間等などを考慮した割引サービスなどがあります。また、サポートに関しても有償・無償のパターンがあります。

おわりに

今回は、Oracle Cloudと他の主要クラウド(AWS・Azure・GCP)の特長・サービス・価格を比較しました。
主要なサービスは、各クラウドで提供されているため大きな差はありませんでした。コストに関しては、各社割引サービスやサポート内容でも変わりますが、用途やバックアップなどの運用方針によっても費用が大きく変わるため、単体のサービスのみを比較して安いパブリッククラウドを採用すればよいとも言えません。
対応や設計に関する内容には、専門的な知識や経験が必要な面もあります。現状のシステムの課題や新しい要件を洗い出し、クラウドベンダーやSIerに相談するというのも一つの手です。そして、クラウドで使用したい機能や要件をまとめた後、各クラウドのサービスを比較検討することで、最適なクラウドサービスが選択できると思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

忖度無しの徹底比較!Oracle Cloud Infrastructure VS Amazon Web Services

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