ビッグデータやAIの活用など、近年のビジネスシーンではデータ分析の重要性が高まっています。しかし、データ分析の基本的な知識を持っていないという企業担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、代表的なデータ分析を5つ取り上げ、データ分析の重要ポイントや注意点について解説します。
そもそもデータ分析とは?
情報がいくらあっても、活用できなければ意味がありません。データ分析は、ある仮説のもと、収集・抽出したデータを用いて課題や解決策を導き出すことを指します。
データ分析を行えば、「Aを買う人はBも一緒に買うことが多い」「家族連れが来るのは何時頃が多い」などの分析結果から、ビジネスチャンスを広げることもできるでしょう。
データ分析には、課題に対する理解と分析手法の知識、得られた結果への判断力が欠かせません。特に、分析手法は色々あるため、課題解決にマッチした最適な分析手法を選ぶためには、基本的なデータ分析の手法を押さえておく必要があります。
基本的な5つのデータ分析
ビジネスでよく活用されているデータ分析には、以下の5つがあります。
- アソシエーション分析
- クロス集計分析
- ロジスティック回帰分析
- 決定木分析(ディシジョンツリー)
- クラスター分析
ここでは、それぞれについて簡単に解説します。
アソシエーション分析の概要
どのような人が商品を買ってくれるか、またどの商品が売れているのかといった購買行動の予測は、ビジネスにおいて重要です。アソシエーション分析では、買い物かごに入っている商品は何か、そしてどの商品が一緒に買われているかを分析することができます。
アソシエーション分析の特徴は、購買データから購買行動の関連性を導き出す機械学習モデルを用いている点です。機械学習モデルでは、「もしこうだったら(if)こうなるだろう(Then)」という2つのルールを作り、支持度・信頼性・リフト値という指標を用いて、関連性のあるパターンを導き出します。この分析方法で得られた結果は、商品の配置や広告のデザインに活用することが可能です。
クロス集計分析の概要
データを集める際、顧客に対してアンケートを実施する企業も多いでしょう。「クロス集計分析」は、そうしたアンケート結果を数値に置き換えたものです。
一般的に、集計は、回答全体の数値をまとめる単純集計と、属性別に集計するクロス集計に分けられます。クロス集計は、2つ以上の回答を組み合わせてそこから得られたデータ・結果を読み解いていく分析方法です。事項別(男女別・年代別・職業別など)の特徴や傾向を分析することができるため、色々な視点から分析できる点が魅力といえます。
また、データ量が少ない場合、Excelなどで簡単に分析を行うことが可能です。データ分析をしたことがないという方にもおすすめできる方法といえるでしょう。
ロジスティック回帰分析の概要
ロジスティック回帰分析は、多変量解析手法のひとつです。簡単にいうと、「ある特定の事象が起こる確率」を見分ける分析手法のことで、説明変数(複数の要因)と目的変数(2値の結果)で構成されます。ここでいう2値の結果とは、正解・不正解といった2通りの答えしかないものを指します。
ロジスティック回帰分析を用いれば、気象観測データをもとに洪水や土砂災害の発生を予測することが可能です。ロジスティック回帰分析を行う場合はExcelやR、SPSSなどのツールが必要ですが、基本的にはExcelで十分といえます。
決定木分析(ディシジョンツリー)の概要
決定木分析(ディシジョンツリー)は、予測や分類を目的として樹木図(ツリー)を作成するデータマイニング手法です。決定木は、「Aを買う、買わない」といった結果を分析する分類木と、「〇人来客」など連続性のある結果を分析する回帰木で構成されています。
統計用語を使って表現すると、「データをもとに従属変数に対して影響を及ぼす説明変数を導き出して、樹木図を構築する」とまとめることができます。機械学習やマーケティングなど色々な場面で利用されており、製品の購入見込みが高い客層や顧客満足度の分析に向いているデータ分析手法といえます。
決定木分析のメリットのひとつとして、可読性が高いという点が挙げられます。木のように枝分かれしていくので、データ分析初心者でも結果が読み取りやすいでしょう。
クラスター分析の概要
「クラスター分析」を一言で表すと、「似たもの同士を集める」となります。膨大なデータの中から類似したものを集めてグループに分類していく方法で、個人に合わせたマーケティング活動であるOne to Oneマーケティングでよく用いられています。
クラスター分析は、大きく階層クラスター分析と非階層クラスター分析に分けられます。階層クラスター分析では、似たもの同士の間の類似度・非類似度を算出し、階層的な構造を持たせながら同じクラスターにまとめていきます。
一方、非階層クラスター分析は、事前にどの程度クラスターを分けるか決めて、そのクラスターごとにグループを振り分けていきます。階層クラスター分析とは異なり、階層的な構造を持たない点が特徴です。ビッグデータの分析に向いている手法としても知られています。
データ分析を行う上で重視すべきこと
ここでは、データ分析を行う上で心得ていなければならない重要なポイントについて解説します。
課題を明確にする
データ分析を始める前に、必ず課題を明確にしましょう。人によっては、膨大なデータやツリーが目の前に並んでいると、それだけで「分析が終わった」気持ちになってしまうことがあります。課題を明確にせずデータ分析を行うと、課題解決に役立たない分析結果だけ得たということになりかねません。
無駄な時間をかけないためにも、そしてビジネスに繋がる分析結果を得るためにも、課題をしっかり設定することが大切です。
データ分析における注意点
ビジネスにおけるデータ分析のメリットは大きいですが、注意点もあります。これから解説するポイントを踏まえた上で、データ分析を行うようにしましょう。
データ量の過多で処理・活用が困難
ビッグデータにはあらゆる情報が含まれています。そのため、目的にマッチしないデータや欠損、重複などが見られるケースも多いです。データ分析に活用するためには、そうしたデータを整理して適切な情報のみを抽出する必要があります。
しかし、大量のデータを抽出するとなると処理に時間がかかり、データの活用が困難になります。
データ分析をスムーズに行うためには、ビッグデータを扱えるサービスを活用するのもひとつの手です。特に、Oracle Cloudはビッグデータを利用できるほか、データ分析に関するあらゆる機能・コンサルティングサービスなどが揃っています。ビッグデータを活用したデータ分析を行いたい場合は、Oracle Cloudを導入するのもおすすめです。
個人情報等漏洩の可能性
ビッグデータは、リアルタイムでの状況把握や商品需要の予測に役立ちます。その一方、個人情報や企業の機密情報を含んでいることがほとんどのため、情報漏洩や不正アクセスのリスクは必ず考えなければなりません。データ分析を行う際はセキュリティ対策の徹底が必要です。また、プライバシーポリシーの提示やデータ取り扱いに関する社内ルールの策定など、企業側での配慮も求められます。
ビッグデータの活用はメリットが大きいため、積極的に取り入れていきたいものですが、扱う際はセキュリティ対策を万全にすることを忘れないようにしましょう。
まとめ
データ分析にはさまざまな手法があります。目的に合わせて適切に活用すれば、効率よくビジネスを進めていくことができるはずです。しかし、膨大なデータを扱うことが難しい企業もあるでしょう。
その際に役立つのが、システムエグゼが提供するOracle Cloudを活用した「次世代データ分析サービス」です。
Oracle Cloudでは、ビッグデータを活用したデータ分析ができるほか、セキュリティ対策も徹底されているため、安心して利用できます。データ分析を自社で取り入れていきたいと考えている場合は、Oracle Cloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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