データをマーケティング活動に活用することで、すれば、直感ではなく、データに紐付いた裏付け客観的な視点でから販売戦略を立てることができます。データは適切な方法で分析することで明確な効果的な施策を行えるようになります。しかしを導き出せますが、自社にあるデータを活用したくとも、データをどのように分析すれば良いのか分からず、せっかく集めたデータを活用できていないケースも珍しくありません。
本記事ではマーケティングで使えるデータ分析の方法を解説します。
マーケティングのためのデータ分析とは?
昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やAI技術の発展により、膨大なデータを保存・分析することが可能になりました。マーケティングにおいても、客観的なデータを根拠に戦略を立てる手法が主流となっています。膨大なデータを分析することで、多種多様な顧客のニーズをつかむことができ、販売戦略の策定に役立てられます。
データ利用を支える技術が向上したこと、また、技術の低価格化が後押しとなり、多くの企業でデータ活用への投資が進んでいます。しかし、分析結果を具体的な施策に反映できていなかったり、集めたデータが社内に散在してしまい活用できていなかったりなど、データ活用に関する課題を抱える企業も多くあります。
最適なデータ分析手法をどう選ぶ?
膨大なデータの中から価値ある情報を抽出し、意思決定に役立てるためには、適切な分析を行う必要があります。その際、数多く存在する分析方法から目的に合った方法を選択しなければなりません。そのため、AIが自動でデータ分析を行うBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入する企業が増えています。
BIツールには様々なデータ分析の手法が組み込まれているため、複雑なデータ処理が可能なほか、AIによる高度な分析を試しながら最適な手法を探すことができます。そのため、企業の素早い意思決定に役立ちます。
一般的なデータ分析手法
マーケティングでよく用いられる分析手法は数多く存在します。ここでは一般的に活用される分析手法を解説します。
データ同士の関係を見るクロス集計/コレスポンデンス分析
アンケートの回答結果を設問ごとに集計することを「単純集計」といいますが、設問と設問を掛け合わせて回答データを集計することを「クロス集計」といいます。
例えば、ある商品に対する満足度調査では、「満足したかどうか」という設問と「回答者の年代」「回答者の性別」をクロス集計することで、年代別・男女別の満足度を集計できます。
また、クロス集計の結果を散布図にして競合との位置関係を視覚的に伝わりやすくすることを「コレスポンデンス分析」といいます。マーケティングではポジショニング調査で活用します。
商品の印象についてのアンケートを例に挙げると、縦軸が商品の価格についての感想、横軸が商品への信頼感を表す散布図を作成できます。自社の商品が散布図のどこに位置しているのかを視覚的に把握できるので、会社への提案資料としても役立ちます。
仮に自社の商品が、「価格は安いが、あまり信頼できない」という印象を持たれているとすれば、価格を据え置いてより商品を改善する、あるいは価格を上げて信頼できる商品を開発するといった戦略を立てることができます。
分類を発見するクラスター分析
クラスターとは「群れ」「集団」を意味します。クラスター分析とは、雑多なデータの中から類似したもの同士を抜き出して、同じ属性や似た傾向を持つものや人の集団(クラスター)を作り、分類する分析手法です。
クラスター分析を行うことで、顧客の趣味、嗜好などで市場を分類することができます。そうすると、分類した市場の中から、自社の商品が有利になりそうなターゲット層に絞るというマーケティング戦略を取れます。競合の商品と自社の商品が同じクラスターに属することが判明した場合は、競合との差別化を図ります。
枝分かれを繰り返す決定木分析
決定木分析は、質問に対して「はい/いいえ」などの選択肢を辿っていくことで、樹形のように枝分かれさせてデータを分類し、結果の予測や判別をする分析手法です。
決定木分析をすることで、自社商品を購入する見込み客の特徴を分析したり、自社商品のどんなところが顧客満足度に影響を与えているかを分析したりすることが可能です。
例えば、「水を飲むタイミング」を調査したい場合、気温や湿度、時間、タイミングなどで分類することで、データの属性を把握することができます。
多変量解析/ロジスティック回帰分析/因子分析
多変量解析とは、いくつかの変数を持つデータに関して、その複数のデータ間の関連性を分析する手法の総称をいいます。データを元に結果を予測したり、データを要約したりするための分析手法で、マーケティング分野でよく利用されています。
データ予測の一例としては、既存商品の価格・売り上げ・商品の種類・販売している場所などを元に新商品の売り上げ予測を立てることが挙げられます。
一方、データの要約とは、例えば、商品を購入した顧客へのアンケート結果を機能性や価格などで分析してまとめる(要約する)ことで、データにどんな傾向があるのかが分かりやすくなる、といったことが挙げられます。
データ分析の手順としては、クロス集計などの2変量解析を行ってデータのノイズをとり除いた後に多変量解析を行うのが一般的です。
多変量解析には、ロジスティック回帰分析・因子分析・コレスポンデンス分析・クラスター分析など様々な手法があります。どの分析手法を使うかは、分析の目的が「結果の予測」なのか、「データの要約」なのかで判断します。
結果の予測を目的とする場合は「ロジスティック回帰分析」、データの要約を目的とする場合は「因子分析」を行います。どちらもマーケティング分野で代表的な手法です。
ロジスティック回帰分析とは、あるいくつかの要因を持ったデータにおいて、ある結果が起こる確率を予測できる手法です。
例えば、生活習慣や体型などの複数の要因から、ある病気にかかるリスクを予測したり、広告をどのチャネルから配信すれば最も購入率が高くなるかを予測したりするなどのシーンで活用されています。
一方、データ要約に利用される因子分析は、マーケティングでは消費者理解によく活用されています。データの結果に対する要因を分析できます。例えば、10種類の商品ごとの売り上げのデータが集まったとします。どの商品がいちばん売れたかは分かりますが、どういう要因があってその売り上げの結果になったのかまでを知ることはできません。因子分析を行うことで、結果がもたらされた要因を分析できます。
マーケティング特有のデータ分析手法
データの分析手法には、マーケティング分野特有の方法もあります。ここでは顧客の理解などで使われる特有の分析手法を解説します。
3つにランク分けするABC分析
ABC分析は商品を効率的に在庫管理するために用いられる手法です。これは、「全商品の売り上げ高の8割は、全品目のうち2割の人気商品が生み出している」という「パレートの法則」に基づく管理方法です。
在庫商品の売り上げ高やコストなどの指標をもとに、重要度の高い順にA・B・Cグループに分類します。売り上げへの貢献度が高いAグループの在庫を優先させ、在庫切れが起きないように重点的に管理を行います。
注力する商品を把握することで、事業の効率化や経営力強化など幅広いシーンで活用可能な分析手法です。
ニーズを図るバスケット分析
バスケット分析は、消費者が商品を購入した時に、同時に買われている商品を分析する手法です。関連性の高い商品を発見できれば、同時購入率の高い商品の売り場を近づけることで、売り上げ増加を見込めます。ECサイトでおすすめ商品の提案をするレコメンド機能もバスケット分析を応用したものです。
この手法は、購買行動の予測を導き出すことが可能なため、店頭で購入するカゴの中身を予測する「アソシエーション分析」と同時に利用されます。購買履歴から導き出される商品同士の関連性から、ニーズに沿った商品の訴求が行えます。
売れる理由を見出すコンジョイント分析
コンジョイント分析は多変量解析の一種で、商品やサービスに関して、「何を」「どのくらい」変更すれば消費者が満足するかを導き出す分析手法です。消費者にアンケートを行って商品の価格やデザイン・性能などに対する評価をしてもらい、その評価内容を分析します。そうすることで、消費者の要望を明らかにでき、既存商品の改善ポイントを導き出せます。
マーケティングでは、商品の価格を決定する際や、消費者に訴求するような広告を考える場面でコンジョイント分析が活用されます。
コンジョイント分析を行うには、まず商品の価格・性能・サイズなどの具体的な構成要素を特定し、表にまとめます。次に、その表を元に商品ごとのプロファイルを作成し、アンケート回答者に評価させます。そして商品が消費者に与える影響値を属性ごとに可視化して比較を行います。このように複雑な処理を行う必要があるコンジョイント分析ですが、解析ツールを使用すると簡単に分析を行うことができます。
まとめ
データをマーケティングに活用することで、自社商品やサービスの改善ポイントを明らかにし、販売戦略の策定に役立てることができます。
データを企業の意思決定に役立てるためには、データの分析を適切に行う必要があります。データの分析手法には様々なものがあるため、自社の目的に応じて最適な分析方法を選択してください。
自社に最適なデータの分析手法が分からない場合、自動で選択してくれるBIツールの導入を検討するのも一つの方法です。また、データ分析ツールを利用すれば、複雑な分析でも簡単に行うことができます。
システムエグゼの「次世代データ分析サービス」は、BIの導入から分析までをトータルでサポートします。スピーディな分析環境を構築したいとお考えの方は検討してはいかがでしょうか。
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