Oracle Cloudの基本サービス(compute、storage、network)を理解しよう

 2022.04.28  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

Oracle Cloudでは、IaaSやPaaSなどのインフラ系サービスをOracle Cloud Infrastructure(OCI)と呼んでいます。

この記事では、OCIにおける下記の基本的なサービスについて、主な特徴をご紹介していきます。

  • Compute(仮想マシン)
  • Cloud Storage(ストレージ)
  • VCN(ネットワーク)

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Compute(仮想マシン)

OCIにおけるComputeサービスでは、「インスタンス」と呼ばれる仮想マシンを作成・利用することができます。

インスタンスには下記2つのタイプがあるため、特徴を理解し、より適切なものを選択するのがよいでしょう。

なお、下記はいずれも同じアーキテクチャ上で提供されているため、同じインターフェースから作成することが可能です。

  1. ベアメタル:物理サーバをユーザーが専有して利用するインスタンス。主に多くのリソースが必要な場合に適している。
  2. 仮想マシン:CPUコアやメモリなどをシェイプより選択できるため、幅広い用途に使用できる。

Computeでは、用途に応じてさまざまな種類、スペックに対応できる「シェイプ」と呼ばれるテンプレートが用意されており、要件によって自由に選択することができます。

適切なタイプ、シェイプの組み合わせを検討して選択するようにしましょう。

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Cloud Storage(ストレージ)

OCIには、用途によって使い分け可能な複数のストレージサービスが存在します。

まずはそれぞれの特徴やユースケースについてご紹介します。

 

①ローカルNVMe

②ブロックボリューム

③ファイルストレージ

④オブジェクトストレージ

⑤アーカイブストレージ

タイプ

NVMe SSDベースの
一時ストレージ

NVMe SSDベースの
ブロックストレージ

NFSv3互換 ファイルシステム

耐久性の高い
オブジェクトストレージ

長期アーカイブとバックアップ

耐久性

耐久性はないが、
再起動後もデータは存続

耐久性あり
(1AD内に複数のコピー)

耐久性あり
(1AD内に複数のコピー)

高耐久性
(AD間で複数のコピー)

高耐久性
(AD間で複数のコピー)

容量

テラバイト以上

ペタバイト以上

エクサバイト以上

ペタバイト以上

ペタバイト以上

ユニットサイズ

BM:51.2TB、
VM:6.4~25.6TB

50GB~32TB/vol
32vol/インスタンス

最大8エクサバイト

10TB/オブジェクト

10TB/オブジェクト

ユースケース

ビッグデータ、OLTP、
高パフォーマンスのワークロード

SANのような機能を必要とするアプリ
(Oracle DB、エンタープライズエディション)

共有ファイルシステムを必要とするアプリ
(EBS、HPC)

ログ、画像、動画など
非構造化データ

長期的なアーカイブとバックアップ
(Oracle DBバックアップ)

大容量ファイルの格納場所として推奨されているのが「オブジェクトストレージ」です。

オブジェクトストレージには2つのタイプがあり、それらが上記の④、⑤にあたります。

用途や予算に応じてタイプを使い分けることが可能なので、それぞれの違いや具体的なユースケースをご参考にしてください。

  • オブジェクトストレージ(標準タイプ)
    特徴:大容量かつ更新頻度の多くないコンテンツの格納を推奨。(1TB:\3,060/月)
    ユースケース:大規模データセット、IoTなどの大量データの保管場所
  • アーカイブストレージ
    特徴:超低価格アーカイブストレージ(1TB:\312/月)
                 長期保存が目的で、頻繁にアクセスしないデータの格納を推奨
                 必要なときにデータをダウンロードすることができない点がデメリット
                  利便性を引き換えに安価で利用することが可能
    ユースケース:定期バックアップや長期保管用のアーカイブ出力先、ビッグデータ用の保管場所

また、オブジェクトストレージではオブジェクトに対して個別に認証を発行することができるため、すべてのオブジェクトをパブリックに公開したくない場合にも、セキュアに運用することが可能です。

さらに、AWSのS3とも互換性があるため、マルチクラウドでの構成も検討しやすくなっている点が大きなメリットです。

一覧表を参考に、要件に適したストレージサービスを選択してください。

VCN(ネットワーク)

ユーザーがOCI内に自身で作成できる独立したプライベートなネットワーク空間のことを、VCN(Virtual Cloud Network)と呼びます。

OCIの使用を開始する際は、VCNの作成が最初のステップで必須の要素となります。

VCNを作成することで、作成した仮想ネットワークの構成やルールに従ってストレージやインスタンスなどを配置できるようになります。

VCNを作成する際は、オンプレミスで利用されるネットワークの各コンポーネントをクラウド上で構築していくといったイメージを持つと作成しやすくなります。

VCNの作成はウィザードがあるので、手軽かつ視覚的に作成することが可能です。

コンポーネントを1つずつ個別に作成することも可能ですが、ウィザードで作成したコンポーネントを後からカスタマイズすることもできるので、ウィザードによる作成が推奨されています。

なお、リソースの有効範囲はリージョン上のみで、リージョンをまたいだVCNを作成することはできません。

まとめ

昨今はクラウド市場が大きく成長しており、クラウド導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。

今回は一部のサービスについてご紹介しましたが、クラウド上での環境構築における基本的なインフラソリューションは、すべてOCIに備わっています。また、OCIはパブリッククラウドサービスとしては後発であることを活かし、他のクラウドサービスにはない強みがあります。
まずは、OCIの特徴やコアサービスについての情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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