時代の流れはクラウドファーストへと加速し、多くの企業がITインフラのクラウド化に取り組んでいます。そして近年、シェアを広げる注目のサービスが「Oracle Cloud」です。本記事では、Oracle Cloudの概要を解説するとともに、実際に導入して高い成果を創出した企業の事例を紹介します。
Oracle Cloudとは?
オラクル社が提供する「Oracle Cloud」は、パブリッククラウドサービスです。Oracle Cloudは複数のソリューションによって構成されています。ストレージやデータベース管理のほか、アプリケーション開発のためのプラットフォーム、顧客管理に有用なアナリティクスソリューションなど、多彩な機能が搭載されています。また、SaaS・IaaS・PaaSの全領域をカバーしているといった点も確認しておきましょう。
近年、多くの企業が自社のITインフラをオンプレミスからクラウドへと移行させており、それに伴ってクラウド上にシステム運用基盤を構築するサービスが普及しています。特にAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureは、世界3大クラウドサービスと呼ばれ、圧倒的な市場シェアを誇っています。そして、そういった世界3大クラウドサービスに次ぐソリューションとして、現在シェアを広げているのがOracle Cloudです。
オラクル社はデータベース管理システムの分野で世界トップシェアを誇る企業であり、エンタープライズ向けのソフトウェアおよびハードウェア開発を長年に渡り手掛けている企業です。Oracle Cloudがリリースされたのは2012年で、2010年以前からサービスを開始しているAWSやGCPと比較すると後発組と言えます。しかし、データベース管理システムの開発により培われた高度なセキュリティ、柔軟性の高いクラウド環境を構築できる点が評価され、Oracle Cloudを導入する企業が増えているのです。
Oracle Cloudの導入事例集
ここからは、Oracle Cloudを導入した企業の事例を紹介します。自社のITインフラをOracle Cloudへ移行したことにより、どのような成果創出につながったのでしょうか。
株式会社クラブネッツ 様
クラブネッツ社は、ITソリューションの開発・販売を通じて企業の発展に貢献する総合販促支援企業です。同社は2017年より、LINE公式アカウントを主体としたSNSマーケティングの総合マネージメントシステム「+Direct(プラスダイレクト)」を販売しています。そして、+Directの運用基盤として、Oracle Cloudに搭載されている「Oracle Cloud Infrastructure」を採用しました。
Oracle Cloud Infrastructureは、ITシステムの運用基盤となるインフラをクラウド上に構築するサービスです。ユーザー認証やモニタリングシステム、仮想化されたプライベートネットワークなど、堅牢なセキュリティ機能を誇ります。このOracle Cloud Infrastructure上に+Directを構築することで、セキュアな環境での運用管理が可能になり、新たなアカウント構造や機能の強化を実現させました。
株式会社日本セレモニー 様
日本セレモニー社は、冠婚葬祭関連サービスを全国的に展開する企業です。蓄積した膨大な経営データを、どのような方法で効率的に活用すればよいかといった課題を抱えていました。そして、競争が激化する業界で生き残るための選択として、データドリブン経営への挑戦を決めたのです。データドリブン経営の実現には、優れたITソリューションが不可欠です。そこで、エンドユーザーに対しても、安全な接続が提供できるOracle Cloudの採用を決定しました。
経営データ分析に特化したアナリティクスソリューションの「Oracle Analytics Cloud」と、ビッグデータ分析に用いられるデータウェアハウスの「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」を導入し、データ分析基盤を構築しました。そして、分散しているデータを統合することにより管理の負担を低減させ、定量的なデータ分析を実行することで経営状況の可視化と意思決定の迅速化までも実現させたのです。
ラクラス株式会社 様
エンタープライズ向けの人事クラウドとBPOサービスを提供するラクラス社は、サービスの品質と顧客満足度の向上を実現するために、ITインフラの強化を重要課題としていました。そこで導入したのが、セキュアなITインフラをクラウド環境に構築するOracle Cloud Infrastructureです。
ITインフラをOracle Cloud Infrastructureへ全面移行することで、BPOサービス基盤を強化するとともに、サービスの安定性向上やログイン処理の高速化を実現させたのです。オンプレミスでは必要不可欠だった障害対応や心理的な負担の解消をはじめ、ユーザー企業にとってもメリットの高いサービスを提供した結果、約30%のコスト削減を成功させています。
システムエグゼでは、そのほかにもOracle Cloud Infrastructureの導入をご支援した事例がございます。「導入事例」で上記事例の詳細と併せてぜひご覧ください。
まとめ
近年、多くの企業が重要課題として掲げるデジタルツールの導入による業務効率化には、優れたITソリューションの活用が欠かせません。Oracle Cloudは、データベース管理システムの「Oracle Database」や、ITインフラを構築する「Oracle Cloud Infrastructure」、データ分析基盤の「Oracle Analytics Cloud」など、複数のソリューションによって構成されるクラウドコンピューティングサービスです。
システム環境のクラウド化を思索している企業は、Oracle Cloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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