業務改善に取り組むにあたり、その目的を理解しておくことは大切です。目的を理解できていなければ、形だけの取り組みになってしまう可能性があるからです。本記事では業務改善に取り組む目的や、目標を達成するための有効な手段や、目標例について解説します。
業務改善の目的とは
業務改善を行う目的として、大きく「労働環境の改善」「生産性の向上」「品質の向上」の3つが挙げられます。基本的には、これらを達成するために業務の改善に取り組みます。以下で詳しく見ていきましょう。
労働環境を改善すること
労働環境の良し悪しは、企業の利益に直結します。「作業効率が悪く、一人ひとりの従業員にかかる負担が大きすぎる」「長時間労働が発生している」といった現場では、肉体的にも精神的にも疲弊してしまいます。モチベーションも低下し、本来のパフォーマンスを発揮できないでしょう。その結果、利益に直結する業務に注力できず、品質の低下も招いてしまうのです。
従業員が働きやすい環境を整備すれば、個々の負担を軽減できます。たとえば「ムダな作業を可能な限り減らす」「必要に応じて人的資源を投入する」「設備投資をして作業効率を高める」などすれば、従業員の負担を減らしつつ労働環境の改善につながります。
従業員の負担が少なくなることで、利益に直結する業務に注力できます。長時間労働をなくし有休消化率も上げれば、さらなるモチベーションアップにつながり、生産性や品質の向上が期待できます。
生産性を向上させること
少子高齢化に伴う労働人口の減少は、今や社会問題となっています。今後は、今まで以上に人材の確保が難しくなると考えられており、限られた人的資源を活用して生産性を高めなくてはなりません。
生産性を向上させる方法としては、単純作業の自動化や簡略化、効率化が有効です。自社で行う必要性のない単純作業・定型作業をアウトソーシングするのもよいでしょう。また、ITツールなどのテクノロジーの導入も、生産性向上に効果的です。
そのほか、従業員のスキルアップにも目を向けてみましょう。個々のスキルアップを実現できれば、これまでよりも短時間で業務を遂行できる可能性が高まります。スキルアップ支援の体制を整え、従業員が自学自習しやすい環境をつくることも検討してみましょう。
品質を向上させること
限られた時間で多くの商品・サービスを創出できても、品質が低ければお客様を満足させられません。今後の社会を生き抜く強い企業になるためには、品質を向上させ、顧客満足度を高める必要があります。
製品・業務のいずれかではなく、双方の品質向上を考えることが大切です。製品の品質ばかりが注目されがちですが、業務の品質を高めることも怠ってはなりません。作業の属人化を防ぎつつ、全員が高いスキルをもつ人と遜色なく業務を遂行できる状態が理想的です。
これらの品質向上は、IT技術の導入によって実現できます。IT技術の導入により、業務の可視化や効率化、簡略化が進めば、業務はもちろん製品の品質も高められます。
なお、業務改善に取り組むにあたり、経費削減や業務削減をまず考える企業もありますが、これには品質を低下させてしまうリスクがあることを覚えておきましょう。削減するポイントを見誤ると、必要なところへ投入すべきリソースまで減らしてしまい、品質低下を招くおそれがあるため要注意です。
業務改善の目的を実現するための考え方
業務改善に取り組み、目的を実現するためには、業務改善と経費削減の違いについて理解しておく必要があります。また「QCD」や「4M」も、業務改善を進めるうえで重要な考え方であるため、しっかりと押さえておきましょう。
業務改善と経費削減の違いとは
業務改善と経費削減はしばしば同一視されがちですが、イコールではありません。業務改善とは業務のプロセスを最適化し、「ムリ・ムダ・ムラ」など業務上の非効率をなくして、生産性・品質の向上を実現する取り組みです。一方、経費削減とは文字通り経費を削減するための取り組みをいい、具体的には「オフィスを縮小する」「照明をこまめに切る」「人件費を見直す」などの取り組みが挙げられます。
業務改善を進めた結果、経費削減につながることは間々ありますが、逆に経費削減が業務改善につながるケースは多くないでしょう。経費の削減だけを考えた施策では、コストカットこそ実現できても、従業員のモチベーションや作業効率の低下を招き、製品の品質も損ねてしまうおそれがあります。業務改善と経費削減は異なる取り組みであると理解しておきましょう。
業務改善の成果を判断する指標となる「QCD」とは
QCDとは「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」のことであり、業務改善の成果を判断する指標として知られています。業務改善の実行にあたっては、QCDのバランスを取りつつ進めていかなければなりません。
たとえば、品質を高めることに注力しすぎてしまうと、現場の手間が増えてしまい、コストの増大につながりかねません。逆もまた然りで、コストを極端に抑えたり、納期を短く設定したりするだけでは、品質の低下を招くおそれがあります。
どれか1つが突出していても、あるいは低すぎてもよくありません。先述したように、それぞれのバランスを考えながら改善に取り組むことが大切です。
業務改善の対象を考えるために知っておきたい「4M」とは
4Mとは「Man(人)」「Material(モノ)」「Machine(機械)」「Method(方法)」のことです。製造業の品質管理でよく用いられる考え方で、何を改善すべきかを考えるのに役立ちます。
Manは従業員のモチベーションや能力、Materialにはパソコンやツール、ソフトウェアなどが該当します。Machineはサーバーやネットワーク環境など、Methodはワークフローや作業・承認の手順などです。
「何を改善すべきかわからない」といった状況では、まずこの4Mを念頭に置いて考えてみましょう。問題があるのは人かモノか、それとも機械や方法なのかと考えることにより、今まで見えなかったことが見えてきます。
業務改善の目標を達成する手段
業務改善の目標をスムーズに達成したいのなら、ITツールやサービスの導入が効果的です。ITツールはコストが明確であり、導入の成果を予測しやすいメリットがあるからです。現在ではRPAやチャットツールなど、業務改善に役立つさまざまツールが提供されているため、自社の要件に合わせて検討してみましょう。
たとえば、業務改善の目標例としてRPAツールを導入すれば、これまで自社で行っていた定型作業を自動化できます。作業時間の短縮化や従業員の負担軽減につながります。
また、チャットツールならリアルタイムでのやり取りが可能で、情報共有もしやすくなるため、コミュニケーションの円滑化を図れます。データベースツールで情報を一元管理するのもよいでしょう。
そのほか、ワークフローシステムを用いれば申請・承認業務がスムーズになり、ペーパーレス化やコスト削減を実現できます。リモートワーク環境下でも活躍してくれるため、近年多くの企業が導入しています。このように業務改善の目標達成手段や目標例には、ITツールは効果的であり、業務改善の成果を出しやすいのではないでしょうか。
ペーパーレス化による申請・承認業務の改善ならAppRemo
紙文書を用いた申請・承認業務は非効率といわざるを得ません。どうしてもやり取りに時間がかかってしまい、進捗状況もわかりにくいからです。最終的な意思決定までに多くの時間を要したり、押印のために出社を強いられたりするケースも少なくありません。そこでおすすめしたいのが、「AppRemo」(アップリモ)の導入です。
AppRemoは申請・承認業務の効率化に特化したワークフローシステムで、大手企業をはじめ多くの企業で導入実績があります。オンラインで申請・承認業務を行えるため、自社のペーパーレス化を促しつつ、働き方改革にも対応できます。
また、申請フォームの作成にはExcelを使用するため、従来の紙文書での運用を大きく変えずに導入できるのも魅力です。申請・承認業務の課題解決だけでなく、リモートワークへの移行にも役立つので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
業務改善の主な目的としては、労働環境の改善や生産性、品質の向上などが挙げられます。これらを実現するためには、経費削減との違いをまず理解し、QCDや4Mといった考え方も押さえておくことが大切です。
業務改善に向けた取り組みの中で、着手しやすいのがペーパーレス化です。特に現在、申請や承認業務が非効率だと考えている企業には、ワークフローシステムAppRemoの導入をおすすめします。無料のトライアルも用意されているため、まずはどのようなツールなのか試してみてはいかがでしょうか。
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- 業務改善/効率化