ローコード製品を使いこなして自社のDXや業務効率化を推進

 2023.02.07  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

近年、ビジネスで取り上げられることが多い「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、企業成長に欠かせない重要なものとなりつつあります。DXを進めるにあたり、必要な施策の一つがデータを効率的に活用できる環境を用意することですが、簡単に構築する方法としてローコード製品を利用する方法があります。
本記事では、オラクル社が提供するローコードプラットフォームサービスであるOracle Application Express (APEX)について紹介します。APEXはOracle Databaseにバンドルされていて、Oracle Databaseのライセンスを所有していれば無料で利用できます。また、環境が手元になくても、クラウド環境で実際にAPEXを試せる方法についても紹介します。

DX推進を加速させるローコード開発

DXとは「最新のデジタル技術やデータを活用し、人々の生活をよりよく変化させること」です。
ビジネスシーンにおいては、DXを用いて業務プロセスを変革し国内外の競争への優位性を確立すること、また新たなデジタル技術を用いて効率化を行うことが求められています。
どの様に変革・効率化を行うべきかについては、まずは社内外の情報収集・整理・分析を行い、スピード感をもってスモールスタートで進めることが重要ではないでしょうか。
しかし、こうした作業を、一から複数のプログラミング言語を用いて開発する従来のやり方で行うのでは時間や費用がかかり、スピード感をもったシステム構築は難しいと言えます。

この問題を解決する仕組みとして、開発から実行までスピーディに進めることができるローコード製品が注目されています。ローコード製品は、Webシステム開発で必要な画面開発部分がテンプレートで用意されているので、業務ロジックなど一部を設定または開発するだけで簡単にシステム構築が行えます。
オラクル社では、20年以上前からAPEXを提供しています。次章以降で同製品の利用環境や導入事例について紹介しますので、ぜひご参考にしてください。なお、主なローコード製品をこちらの記事で紹介していますので、併せてご覧ください。

まずはここから始めよう!Oracle Cloud 入門ガイド
移行先はOracle Cloud に決めた!Oracle Databaseをクラウドで使い続けるならOracle Cloudをおすすめしたい理由

APEX対応環境

APEXは、サポートされているOracle Databaseのバージョンであれば利用できます。インストール可能なAPEXのバージョンはデータベースのバージョンによるため、各バージョンのAPEXインストールガイドを参照してください。

環境 データベース APEXインストール方法 自動バージョンアップ
Oracle Cloud Autonomus Database OCIコンソールから実行
BaseDB スクリプト等を手動実行 ×
ExaCS
Oracle Cloud以外のクラウド Oracle Database
自社環境(オンプレミス)

APEXを簡単に試せる環境

簡単にAPEX環境を試せる環境がオラクル社から無料で提供されています。自社のデータベースにAPEXをインストールしたり、Oracle Cloudを契約する前にAPEXがどういったものか試したりすることができます。

また、APEXでは複数サンプルアプリも提供されており、どういったシステムがAPEXで構築できるか、構築するためにはどのような設定が必要か、容易に確認することが可能です。

APEXスタート・ガイドで、無料APEX環境を作成する2つの方法が案内されています。

  • apex.oracle.comにホストされている無料ワークスペース(推奨)
  • Always Free APEXサービス

APEXでできること

APEXではWeb画面を作り、データベースのデータを更新することができます。

  • データベースに表(テーブル)を作成(または既存テーブルを使う)。
    APEXのSQLワークショップにて「DDL(Data Definition Language)または、下図のように画面入力」で表を作成。

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  • APEXで「ページの作成」機能からウィザードに従ってWeb画面を構築。ウィザードに従うだけでデータの登録・更新・削除が行える画面が数分で完成できます。

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対話グリッドを選択。

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「名前、表/ビューの名前」を入力し、「編集が有効」をON。

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「主キー列1」を選択。

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ページが作成されました。この画面で社員入力画面の細かな設定を変更します。
画面右上の「▶」ボタンで社員入力画面を表示します。

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必要に応じて項目を選択リスト、リンクにカスタマイズする設定も可能。

作成できる画面例

  • フォーム入力(1件ずつデータ入力)
  • 対話グリッド(表形式でデータ入力)
  • レポート
  • グラフ
  • カード

その他、様々な画面のテンプレートが用意されています。

APEX導入事例

夜間データ移行バッチ制御

  • データベースのスケジューラ、PL/SQLでデータの移行処理を行っていて、処理状況・結果をテーブルに格納
  • APEXではテーブルの内容を表示し、再実行もできるように構築

新規事業の売上データ管理

  • EXCELで複数店舗から集計していた仕組みをAPEXでデータ入力できるように構築
  • DB化することで、他事業と組み合わせたデータ分析もできるようになった

データアラート管理

  • APEX画面でDBにあるテーブル・項目、および閾値を設定
  • 値が閾値を超える(下回る)ときにメールを発行する仕組みを構築

受発注管理

  • EXCELで管理していた契約情報をAPEXでシステム化
  • 契約切れNカ月前に契約延長の通知を出力。契約分類による受注金額集計などを行う

まとめ

インターネット、スマートフォンの発展により、ビジネスシーンにおいてスモールスタート&スピードがより求められる時代になりました。新しいデジタル機器・製品を利用したDX促進が、貴社の発展につながれば幸いです。

システムエグゼではOracle Cloudへの移行、システム構築・開発を様々な方式で対応した実績があります。本記事内容やOracle Cloudについて、ご相談がありましたら是非お問合せください。

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