Oracle Databaseの運用知識を証明するORACLE MASTER(オラクルマスター)とは

 2023.07.25  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

オラクル社が配信している認定資格には、資格カテゴリとして Database、Java、Oracle Cloud、Solarisがあります。Databaseのカテゴリの中でOracle Databaseの運用知識が問われる資格がORACLE MASTER(オラクルマスター)です。
今回はORACLE MASTERの種類と試験範囲、旧資格体系からの移行方法についてご紹介します。

“無償”でクラウド移行の意思決定に必要な情報を提供
OCIに特化した無償移行アセスメントサービス

「高品質・低コストなOracle Cloudに移行したいがノウハウがない」「まだ比較検討段階で外部にアセスメントを依頼する予算がない」「まるっとクラウド移行を任せられるベンダーが欲しい」などのお困りごとは、ぜひ私たちシステムエグゼへご相談ください。

3回のワークショップでスピーディーにお客さまのシステムのアセスメント結果をご提供します!

サービスの詳細はこちらから

ORACLE MASTERとは

Oracle Databaseについての専門的な知識や技術の理解があり、運用管理が可能であることを証明する資格です。ORACLE MASTERは、オラクル社が定める「Oracle Database」シリーズの認定試験を受けることで取得できます。

【ビジネスをさらに加速させる︎】Oracle Cloudを活用したデータドリブン ユースケースのご紹介(機械学習と予実管理)
まずはここから始めよう!Oracle Cloud 入門ガイド

ORACLE MASTERの種類

ORACLE MASTERは試験の難易度によって「Bronze(ブロンズ)」、「Silver(シルバー)」、「Gold(ゴールド)」、「Platinum(プラチナ)」の4種類に分かれています。
以前はOracle Databaseのバージョンによって資格の有効期限がありました。
しかし、2019年よりOracle Databaseのバージョンに依存しない新しい資格体系へ移行となり、資格の有効期限も無くなりました。
なお、旧体系の資格は2022年8月15日をもって配信を終了しています。

ここでは、バージョンに依存しない新体系の「ORACLE MASTER DBA 2019 シリーズ」について、難易度ごとにそれぞれの内容を紹介します。

ORACLE MASTER DBA 2019 シリーズ

2020年から導入されたOracle Database」のバージョンに依存しない新規の資格体系です。
※ただし、目安となるバージョンとして「12cR1」「12cR2」「18c」「19c」が想定されています。

①    「ORACLE MASTER Bronze DBA 2019」

試験名
Bronze DBA Oracle Database Fundamentals
試験番号
1Z0-085
必要な知識・スキル
  • Oracle Databaseのアーキテクチャ構成に関する重要な用語
  • データベースの日常的な運用管理についての基本
  • ITエンジニアとして必要な Oracle Database に関する基礎知識
など
前提試験
なし
出題形式
選択問題
試験時間
120 分
出題数
70 問
合格ライン
65 %
受験料(税抜)
¥34,300
試験範囲
  • Oracleデータベース管理の概要
  • Oracleデータベースのインストールおよびデータベースの作成
  • Oracle Enterprise Manager Database Express およびSQL管理ツールの使用
  • Oracle Network環境の構成
  • Oracleインスタンスの管理
  • データベース記憶域構造の管理
  • ユーザーおよびセキュリティの管理
  • スキーマ・オブジェクトの管理
  • データベースの監視およびアドバイザの使用

②    「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」

試験名
Oracle Database Administration I
試験番号
1Z0-082
必要な知識・スキル
  • インスタンスの管理やネットワークの設定
  • 記憶域の管理、ユーザー・セキュリティの管理などのデータベースの運用管理タスクについての知識
  • SQLによるデータアクセスやオブジェクト管理の知識
  • 日常的な運用管理作業を行うスキル
など
前提試験
なし
出題形式
選択問題
試験時間
120 分
出題数
72 問
合格ライン
60 %
受験料(税抜)
¥34,300
試験範囲
  • Oracle Databaseアーキテクチャの理解
  • データベース・インスタンスの管理
  • ユーザー、ロールおよび権限の管理
  • ストレージの管理
  • データの移動
  • Oracleが提供するツールを使用したOracle Databaseへのアクセス
  • Oracle Net Servicesの設定
  • 表領域およびデータファイルの管理
  • UNDOの管理
  • データの制限およびソート
  • 変換関数および条件式の使用
  • 結合を使用した複数の表のデータの表示
  • 集合演算子の使用
  • データ定義言語の理解
  • ビューの管理
  • 異なるタイム・ゾーンでのデータの管理
  • SQLのSELECT文を使用したデータの取得
  • 単一行関数を使用した出力のカスタマイズ
  • グループ関数を使用した集計データのレポート
  • 副問合せを使用した問合せの解決
  • DML文を使用した表の管理
  • シーケンス、シノニムおよび索引の管理
  • スキーマ・オブジェクトの管理

③    「ORACLE MASTER Gold DBA 2019」

試験名
Oracle Database Administration II
試験番号
1Z0-083
必要な知識・スキル
  • RMANによるバックアップ・リカバリや複製
  • マルチテナント環境の構成・管理全般、インストール、パッチ適用といった技術要素を理解し、データベース管理者として状況に応じた手法の提案や助言を行うことができるスキル
など
前提試験
下記のいずれかの資格を取得していること
「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」
「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c」
「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 11g」
「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 10g」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11g」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 10g」
出題形式
選択問題
試験時間
120 分
出題数
68 問
合格ライン
57 %
受験料(税抜)
¥34,300
試験範囲

  • CDBと通常のPDBの作成
  • アプリケーションPDBの管理
  • CDBおよびPDBの管理
  • マルチテナント・データベースのセキュリティの管理
  • バックアップと複製
  • リカバリとフラッシュバック
  • CDBと通常のPDBのアップグレードおよび転送
  • RMANの設定および使用
  • バックアップの方法および用語
  • 障害の診断
  • リストアとリカバリの概念
  • リカバリの実行
  • フラッシュバック・テクノロジの使用
  • データの転送
  • データベースの複製
  • RMANのトラブルシューティングおよびチューニング
  • Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのインストール
  • DBCAを使用したOracle Databaseの作成
  • Grid InfrastructureおよびOracle Databaseへのパッチ適用
  • Oracle Restart
  • Oracle Grid Infrastructureへのアップグレード
  • Oracle Databaseのアップグレード
  • Oracle Database 18c: 新機能
  • スタンドアロン・サーバー用のGrid Infrastructureのインストール
  • データベース全体の一般的な拡張機能の使用
  • 可用性拡張機能の使用
  • データベース・パフォーマンスの監視と調整
  • SQL文のチューニング

④     「ORACLE MASTER Platinum DBA 2019」
2023年6月リリースのORACLE MASTERの最上位の資格です。

試験名
ORACLE MASTER Platinum DBA 2019実技試験
必要な知識・スキル
一般的なデータベースとネットワークの管理、バックアップ・リカバリ、データやパフォーマンスの管理、Data Guard およびReal Application Clustersの構成等の知識と、その知識を元に実際に適切な最適な設計・構築・運用、適切な障害対応を行うことができるスキル
前提試験
下記のいずれかの資格を取得していること
「ORACLE MASTER Gold DBA 2019」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11g」
「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 10g」
出題形式
選択問題
試験時間
各日8時間(試験の進行状況により、終了時間が19:00頃になる可能性もある) 
出題数
合格ライン
57 %
受験料(税抜)
¥231,000
試験範囲
  • 一般的なデータベースとネットワークの管理
  • バックアップ・リカバリ
  • データ管理
  • パフォーマンスの管理
  • Data Guard の構成
  • Real Application Clusters の構成
試験スケジュール
2日間各日9:30~17:30
2023年のスケジュールは以下の通りです。
・2023年6月21日(水)~ 2023年6月22日(木)
・2023年7月25日(火)~ 2023年7月26日(水)

旧体系のORACLE MASTERからの移行

旧体系である「ORACLE MASTER Oracle Database 12c」シリーズは2022年8月15日をもって配信が終了しています。
旧体系での資格を持っている場合、所持している資格によっては新体系の「ORACLE MASTER DBA 2019」の同等資格や上位資格に移行することが可能です。

旧体系のORACLE MASTERからの移行

「ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c」を持っている場合

新体系の「ORACLE MASTER Bronze DBA 2019」を取得しなくても、「Oracle Database Administration I」を受験し、合格することで「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」を取得することができます。

「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c」または「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c」を持っている場合

新体系の「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」を取得しなくても、「Oracle Database Administration II」を受験し、合格することで「ORACLE MASTER Gold DBA 2019」を取得することができます。

おわりに

今回はOracle Databaseの資格の一つであるORACLE MASTERについてご紹介しました。
新体系のORACLE MASTER資格取得の際の難易度選択や、旧体系のORACLE MASTERから新体系への資格移行の際は、ぜひ本稿を参考にしてみてください。
今回は紹介できませんでしたが、同じOracle Databaseに関する資格がOracle Cloudのカテゴリでも配信されています。Oracle Cloud上でDatabaseサービスをプロビジョニングや管理する能力を証明することができます。
システムエグゼは、ORACLE MASTER取得者やOracle Cloud資格者が多く在籍しています。Oracle DatabaseやOracle Cloudに関するお困りごとはシステムエグゼまでご相談ください。

Oracle Databaseをクラウドで使い続けるならOracle Cloudをおすすめしたい理由

RECENT POST「エンジニアリング」の最新記事


エンジニアリング

Oracle Databaseとは?データベースの基本とOracle Databaseの特長を徹底解説

エンジニアリング

Oracle Autonomous JSON Databaseの特徴と使い方

エンジニアリング

いまさら聞けないOracle Databaseのライセンスルールを理解しよう

エンジニアリング

Oracle Database Cloud Service(旧dbcs)とは?その特徴やメリットについて解説

Oracle Databaseの運用知識を証明するORACLE MASTER(オラクルマスター)とは
Oracle Cloudのすすめクラウド移行まるわかりガイド

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング