Oracle Autonomous JSON Databaseの特徴と使い方

 2023.04.17  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

Oracle Autonomous JSON Database(以下AJD)は、JSON形式のデータに特化したクラウドデータベースです。AJDの価格は、オラクル社の他のAutonomous Databaseの25%未満であるにも関わらず、同様の自立型運用と99.95%の高可用性を備えています。AJDの特徴や実際の構築とデータ登録の手順についてご紹介します。

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AJDの特徴

AJDの特徴は大きく分けて3つあります。

NoSQL型アプリの開発に特化

NoSQL形式のドキュメントAPI(Oracle SODAおよびOracle Database API for MongoDB)を備えています。

Oracle SODAは、NoSQL形式のAPIで、Oracle Databaseのドキュメント(特にJSON)のコレクションを作成および格納でき、SQLやドキュメントがどのようにデータベースに格納されているかを理解していなくても、そのコレクションの取得や問い合せを行うことができます。

Oracle Database API for MongoDBは、MongoDB互換APIで、従来のMongoDB対応のアプリケーションやツールをAJDで利用することができます。※但しパブリックエンドポイントを利用し、かつネットワークACL(アクセス制御リスト)を有効にする必要があります。

Autonomous Databaseの特徴はそのまま

  • 自動プロビジョニング:必要最低限の項目以外は自動プロビジョニングされ、わずか数分で環境を構築できます。
  • 自動スケーリング:ダウンタイムなしでリソースを自動的にスケーリングして、パフォーマンスを満たし、従量課金制でコストを削減します。
  • 自動チューニング:データやスキーマが時間の経過とともに変化しても、パフォーマンスが劣化しにくいよう自動的にメモリ構成、データ形式、インデックス、およびアクセス構造が最適なチューニングされます。
  • 自動バックアップ:毎週のフルバックアップと毎日の差分バックアップが自動実行され、それぞれ最大60日間保管し、任意の時点に復元することができます。
  • 自動修復:障害を継続的に監視および予測することで、ハードウェアおよびソフトウェアの障害に直ぐに対応することができます。
  • 常時暗号化:データベース全体の暗号化により、保存データおよび外部連携中のデータは保護されます。
  • 自動パッチ適用:データベースのパッチ適用、アップグレードはデータベース操作に影響なく、自動適用されます。
  • 機密データのセキュリティ:拡張機能Oracle Data Safeを使用することで、機密データの検出、セキュリティリスクの評価、機密データのマスキング、セキュリティ制御の実装および監視を簡単に行うことができます。

データが扱いやすい

バイナリJSONドキュメントのファイルサイズとして1ドキュメントあたり最大32 MBをサポートしており、高速読み取りと部分更新が最適に行われます。

JSONコレクションに関してはストレージに制限がありませんが、JSONデータ以外は20GBまでの格納制限があるものの、ストレージに格納することができます。

MongoDBとは異なり、AJDはSQLを完全にサポートしており、レポーティング処理、分析処理が可能となっています。

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AJDの構築

Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)コンソールを使用して、新規にAJDをプロビジョニングする方法について紹介します。

OCIコンソールから左上の「ナビゲーションメニュー」>「Oracle Database」>「Autonomous JSON Database」の順に押下します。
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「Autonomous Database作成」を押下します。
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AJDの作成先となる「コンパートメント」を指定し、「データベースの表示名」および「データベース名」に任意の名前を入力します。
ワークロード・タイプの選択で「Autonomous JSON Database」を押下します。
デプロイメント・タイプの選択で今回は「共有インフラストラクチャ」」を押下します。
※2023年3月時点では「専用インフラストラクチャ」は選択できません。
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データベース・バージョンの選択は今回デフォルト値の19cを指定します。
OCPU数とストレージ(TB)はデフォルト値の「1」をそれぞれ指定します。
ADMINユーザーのパスワードを入力します。
※パスワードは12文字から30文字までの長さとし、大文字、小文字および数字をそれぞれ1文字以上含める必要があります。またパスワードにユーザー名を含むことはできません。
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アクセス・タイプは今回「すべての場所からのセキュア・アクセス」を押下します。
ライセンス・タイプの選択は「ライセンス込み」を押下します。
連絡先の電子メールは今回省略します。
「Autonomous Databaseの作成」を押下します。
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構築が完了するとAJDインスタンスのステータスが数分で「プロビジョニング中」から「使用可能」に変化し、インスタンスのアイコンが黄緑色になります。
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AJD データベースアクションによるデータ登録

AJDへのJSONデータ登録方法の一つにデータベースアクションがあります。
今回はデータベースアクションを使用してJSONにデータ登録を行う方法を紹介します。
※当該方法は「ツアー」の内容となります。

AJDのインスタンス画面から「データベースアクション」を押下します。
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「JSON」を押下します。
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「新規コレクション」を押下します。
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「任意のコレクション名」を入力し、「作成」を押下します。
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※「MongoDB互換」が必要であれば、☑します。☑すると「サンプルJSONドキュメント」に「id」が追加されます。
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「作成」を押下すると、コレクションが「JSONコレクション」の一覧に追加されます。「新規JSONドキュメント」を押下します。
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任意のJSON形式のデータを記載し、「作成」を押下します。こちらの操作によりコレクションにドキュメントが登録されます。
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登録されたドキュメントは「新規コレクション・ビュー」を押下して確認することができます。
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「ビュー名」に任意の名前を入力し、「追加する列を選択します」のプルダウンから上記で作成したドキュメント「dataset, array」を選択します。選択後に「問合せのテスト」を押下します。
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コレクション・ビューの定義が表示されます。「実行」を押下するとドキュメントの内容を確認することができます。ドキュメントの確認ができたら「作成」を押下することでコレクション・ビューを作成することができます。
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また「SQLに移動」を押下するとSQLのワークシートに遷移します。
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コレクション・ビューをSQLで通常のOracle Databaseの様に操作することも可能です。
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おわりに

初めてJSON形式のデータに特化したデータベースのAJDを構築・操作してみましたが、公式ドキュメントも充実しており、初学者でも簡単に基本操作を習得することができます。

AJDは他のAutonomous Databaseよりリーズナブルに利用できるにも関わらず、同様の自立型運用と高可用性を備えています。そのためMongoデータベースやJSONデータを管理していたリレーショナルデータベースからAJDへの移行をこの際に検討いただいてはいかがでしょうか。Oracle Cloudに関するお困りごとはシステムエグゼまでご相談ください。

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