Windows Server にOracle Database 19cを
インストールする手順を紹介

 2023.08.18  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

現在、オンプレミスからクラウドへのシフトが進んでいます。 ソフトウェア開発を支援するPaaS が流行っていますが、コストなどの理由から、IaaSを使用する場合や一部の機能だけをクラウドに移行したいというお客様もいらっしゃいます。

また、例えば、Windows Server 上でOracle Databaseを使用する場合は、IaaS に限定されます。IaaSのメリットは、CPU、メモリ、ストレージを自由に選択でき、柔軟にスケールアップできることです。 また、必要なシステム環境を自由に設計でき、設定された仕様に従って使った分だけ料金を支払うことができるため、OracleのIaaS価格は他社と比べて安価な場合が多いです。このブログでは、Windows Server上に Oracle Database 19c をインストールするための手順を紹介します。

“無償”でクラウド移行の意思決定に必要な情報を提供
OCIに特化した無償移行アセスメントサービス

「高品質・低コストなOracle Cloudに移行したいがノウハウがない」「まだ比較検討段階で外部にアセスメントを依頼する予算がない」「まるっとクラウド移行を任せられるベンダーが欲しい」などのお困りごとは、ぜひ私たちシステムエグゼへご相談ください。

3回のワークショップでスピーディーにお客さまのシステムのアセスメント結果をご提供します!

サービスの詳細はこちらから

Oracle Database 19cインストールの前提条件

ダウンロードするOracle Database 19c のイメージファイルのサイズは約 3 GB になるので、ダウンロードする前に十分なハードディスク容量があることを確認します。

現在、利用可能な Oracle Database 19c のエディションは以下の2つとなります。

  1. Oracle Database 19c Enterprise Edition
  2. Oracle Database 19c Standard Edition 2

まず、ブラウザから以下のURLにアクセスしてOracle Database 19cをダウンロードします。https://www.oracle.com/in/database/technologies/oracle19c-windows-downloads.html

Oracle Database 19c では、Oracle Universal Installer (OUI) は、Oracle データベースを抽出したディレクトリのパスを取得し、それを Oracle ホームとして配置します。そのため、配置する Oracle ベースディレクトリと Oracle ホームディレクトリの場所を事前に決定し、フォルダを作成する必要があります。

Oracleホームとは、Oracleソフトウェアを格納するディレクトリのことです。インストール先のディレクトリ(Oracleホーム)を作成し、適切なアクセス権を設定します。Windowsのデフォルトの配置場所は、[ドライブレター]:\app[Oracle Home User]です。Oracle Database 19cのデフォルト値は[Oracle Base]\product\19.3.0\dbhome_1ですが、任意のハードディスクパーティションに格納することもできます。

ダウンロードした zip ファイルをOracle ホームディレクトリのフォルダにコピーし、その内容を抽出します。これにより、Oracle Database 19c のインストール プロセスを開始する準備が整いました。最後に、管理者ユーザーアカウントで Windows にログオンしていることを確認します。管理者としてログインしていない場合、インストール中にエラーが発生し、インストール プロセス全体が失敗する可能性があります。

まずはここから始めよう!Oracle Cloud 入門ガイド
データ活用に最適な環境! データ基盤におけるOCIの優位性

Windows Server へ Oracle Database 19c をインストール

対象環境:

  • Windows Server 2019
  • Oracle Database 19c((19.3))
    エディション:Oracle Database 19c Standard Edition 2

1. Oracle Database 19c のイメージファイルの展開から、管理者権限でsetup.exeをダブルクリックし、インストールを開始します。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 01

2. 構成オプションから「単一インスタンス・データベースを作成および構成します」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 02

3. システム・クラスから「サーバー・クラス」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 03

4. インストール・タイプから「拡張インストール」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 04

5. データベースのエディションから「Standard Edition 2」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 05

6. Oracleホーム・ユーザーから「Windows組込みアカウントの使用」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 04 06

ポップアップ画面から「いいえ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 07

7. インストール場所から「Oracle ベース」を参照し、Oracleベースにしたいディレクトリを選択します。「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 08

8. 構成タイプから「汎用的トランザクション処理」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 09

9. データベース識別子の指定から「コンテナ・データベースとして作成」を選択します。プラガブル・データベース名を指定し、「次へ」ボタンをクリックします。ここでは、グローバル・データベース名、Oracleシステム識別子(SID)とプラガブル・データベース名を入力します。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 10

10. 構成オプションの指定からメモリはデフォルトの状態、キャラクタ・セットは「OSキャラクタ・セットを利用(JA16SJISTILDE)」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 11

Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 12

11. データベース記憶域オプションの指定から「ファイル・システム」を選択します。データベース・ファイルの位置を指定し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 13

12. 管理オプションの指定から「Enterprise Manager (EM) Cloud Controlへの登録」のチェックを外し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 14

13. リカバリ・オプションの指定から「リカバリの有効化」のチェックを外したまま、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 15

14. スキーマ・パスワードの指定から「すべてのアカウントに同じパスワードを使用」を選択します。パスワードを指定し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 16

15. 前提条件のチェックが実施されます。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 17

16. 前提条件の確認が完了すると、概要が表示されます。確認項目に問題がなければ、サマリーから「インストール」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 18

17. 製品のインストールが開始されます。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 19

18. インストールが完了すると、「Oracle Databaseの構成が成功しました」というメッセージが表示されます。「閉じる」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 20

DB構成の変更

次に、先ほど作成したデータベースの構成を変更してみます。

1. Windows タブからDatabase Configuration Assistant(DBCA)を起動します。

2. データベース操作の選択から「既存データベースの構成」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 21

3. ソース・データベースの選択から作成されたデータベースを選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 22

4. 必要なオプションを選択します。データベース・オプションの選択から「Oracle Application Express 」と「PDBに含める」をチェックし、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 23

5. データベース接続モードの選択から「専用サーバー・モード」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
the-steps-to-install-oracle-database-19c-24

6. Oracle Rの構成から「Oracle Rの構成」のチェックを外し、「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 25

7. サマリーでここまでの設定内容が表示されるので、確認し問題が無ければ「終了」をクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 26

8. 構築作業が実行されます。

9. 以上でデータベースの作成は完了です。「閉じる」をクリックします。
Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介 27

Oracle Databaseへの接続方法

最後に、今回インストールしたOracle Database 19c環境に接続できるか確認します。
コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを入力し、「Enter」キーを押下します。

C:\Users\oracle>sqlplus /nolog
SQL*Plus: Release 19.0.0.0.0 - Production on 火 2月 28 13:17:47 2023
Version 19.3.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2019, Oracle. All rights reserved.
SQL> conn system/パスワード@サービス名 ★インストール時に設定したパスワードとサービス名を入力
接続されました。
SQL> show pdbs

CON_ID   CON_NAME                          OPEN MODE         RESTRICTED
----------       ------------------------------     ---------------          ----------------
                      2 PDB$SEED                          READ ONLY NO
                      3 対象PDB名                   READ WRITE NO

作成したPDB名が表示されたので、正常な状態です。無事に接続することができました。

おわりに

Windows Server に Oracle Database 19c をインストールする手順をご紹介しました。あくまでも、本手順はデータベースエディションOracle Database 19c Standard Edition 2を作成する一例です。環境設定の要件によりOracle Databaseインストールのオプション選択が異なりますので、適切な内容を選択してください。

今回はWindow Serverという要件があった際のIaaSでの構築例となりますが、PaaSでマネージドなOracle Databaseを使う場合にはOracle Cloudのデータベースサービスがおすすめです。Oracle Cloud Database Serviceを使用すると、OCI画面をクリックするだけで、ローカルよりも簡単かつ迅速にデータベースを作成できます。 無料枠もありますので、クラウド環境をご利用の方はぜひご検討ください。

Oracle Databaseをクラウドで使い続けるならOracle Cloudをおすすめしたい理由

RECENT POST「エンジニアリング」の最新記事


エンジニアリング

MySQL Database Serviceを触ってみた(構築編)

エンジニアリング

Oracle Database Service for Azureとは?

エンジニアリング

OCI環境でのMySQL、CLUSTERPROを使用したクラスタ環境構築

エンジニアリング

ローコード製品を使いこなして自社のDXや業務効率化を推進

Windows Server にOracle Database 19cをインストールする手順を紹介
Oracle Cloudのすすめクラウド移行まるわかりガイド

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング