データベースといえばOracleと言われるほど知名度が高く、安全性や信頼度から、40年以上に渡って世界シェアNo1のOracle Database。しかし、高機能な分、難易度が高く、専門的な知識を持っていなければ運用するのは難しいというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではオラクル社のサポートサービスについて、その種類や加入することによるメリットを解説していきます。実際、オラクル社のサポートには定評があり、技術面だけではなくセキュリティやハード障害も含め、安心して運用していくために欠かせないものとなっています。
Oracle Premier Supportとは
Oracle Databaseを自社サーバー上で構築して運用するのは、Oracle Masterなどの資格を保有した技術者がいないと難しいと思われている方も多いでしょう。また、高額なイメージもあり、SQL Serverなどの比較的安価で運用しやすいデータベースを導入する企業も多く存在します。
このような不安を解消し、セキュアで信頼性の高いOracleソフトウェアを利用するために、オラクル社ではさまざまなサポート体制を整えています。
Oracle Premier Supportは、オラクル社が提供する技術サポートサービスです。導入した製品についての問い合わせ対応やナレッジの公開、トラブル時には24時間365日の対応が可能で、国や業種を問わず高い支持を受けています。
Webポータルにログインし、ナレッジの検索やサポート依頼をすることができるため、やり取りの履歴などを別で管理していく必要はありません。また、緊急時など必要に応じて電話での問い合わせもできるようになっています。
サポート範囲は、不具合の解決や技術的な問い合わせ、パフォーマンスの低下など、システム状況の診断レポート解析や、パッチ導入、CRUと呼ばれるハードウェアの構成部品の交換にも対応しています。
Oracle Premier Supportのメリット
データベース管理システムでは世界トップシェアを誇るオラクル社では、世界各国に18,000名のサポートエンジニアを有し、多くの共有ナレッジを蓄積しています。突発的なトラブルで社内の重要なシステムがダウンした場合などを考えれば、24時間365日のサポート体制はシステム管理者にとって、大変心強いサービスです。
また、昨今ではさまざまなセキュリティリスクが存在し、企業にクリティカルなダメージを与える可能性があります。この点で、オラクル社のサポートでは常にグローバルな視点から、最新のセキュリティリスクに対応したセキュリティパッチを提供しています。
さらに、Oracle Premier Supportは、データベースだけでなく、ソフトウェア、ストレージなどのハードウェアまで含めた包括的なメンテナンスと機能を提供するため、障害時の切り分けや復旧までの時間短縮においても大変有効です。
障害発生時にユーザー自身で原因の切り分けを行い、問い合わせ先を選択する作業は、思いのほか時間もかかり難航します。オラクル社の場合、その必要はなく、単一の窓口に問い合わせをすれば、スペシャリストが応対して切り分けを行い、必要なサポートサービスを受けることができるのです。長年多くの企業を支援してきたオラクル社ならではのサポート体制であり、大きなメリットと言えるでしょう。
各製品のサポート体制
オラクル社では、ソフトウェア製品を組み合わせて実行している場合や、ハードウェアとソフトウェアを併せて利用している場合などでも単一の窓口で統合サポートを受けることができます。そしてそれぞれの機能に特化したメリットもあります。以下、製品ごとのサポート体制について整理していきます。
ソフトウェアサポート
「Oracle Premier Support for Software」は、ソフトウェアをサポートするサービスです。
長くデータベースを運用していると、パフォーマンスの低下が繰り返し発生したり、データベースに接続しにくくなったりするなどのトラブルが発生することがあります。
Oracle Premier Supportに加入してサポートポータルに接続すれば、100万を超えるナレッジベースを検索して自分で解決策を探すことができます。また、問い合わせを行うことで状況を伝え、ログの提出による分析や、リモート診断を受けることにより、ソフトウェアパッチの提案などによって問題が解決することもあるでしょう。
製品の更新や拡張機能の利用もサポート範囲となり、専門的な見解を得て、ユーザーごとのベストなタイミングで製品のアップグレードを実行できるよう、アドバイスも受けられます。
柔軟なLifetime Support Policyにより、予算編成も含め、ソフトウェア投資を最大限に活用することができるようになるのです。
システムサポート
企業で導入しているのは、もちろんデータベースだけではありません。サーバー・ストレージなどのハードウェア、WindowsやLinuxなどOSをはじめ、VM(仮想マシン)など多くのシステムが存在し常時稼働しています。
ハードウェア障害が疑われる場合には、「Premier Support for System」を利用することで、2時間以内のオンサイトサポートを受けることができます。また、障害の種類や状況によってはリモート診断も可能です。もちろん24時間365日のテクニカル・サポートを受けることもできます。
特に障害が発生していなくても、製品の組み合わせや稼働状況から、ファームウェアの更新によるパフォーマンスの改善についての提案なども受けられますので、障害対応と併せて適切なタイミングで対応していくことができます。
加えて、定期的に最新のセキュリティパッチを適用することも重要で、あらかじめスケジューリングしておくことも可能です。システム管理者が複数の視点で課題を探す必要がなく、安心してシステム運用に取り組んでいけるので、企業にとって大きなメリットとなります。
クラウドサポート
近年、オラクル社では、クラウドサービスであるOracle Cloudを推進し、ハードウェアもソフトウェアも含めてクラウド化することで、これまでより安価かつ、簡単にOracle Databaseを利用できるようになりました。
プラットフォームを統一化し、現在多くの企業で利用中のオンプレミスでのOracle Databaseを、そのままクラウド環境へ移行するところからサポートしています。自社でのハードウェアメンテナンスが不要になるだけでなく、ソフトウェアとセキュリティまでを包括的にサポートしますので、より安全にシステム運用を継続していくことができます。
また、業界初のSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を提供し、オンプレミスと同様に高い品質と可用性、安全性、管理のしやすさなどでユーザーの期待に応え続けています。
サポートは、Oracle Premier Supportと同様に、オンプレミス、ハイブリッド、クラウドを問わず、一貫したサポート内容でユーザーに貢献しています。そのためオンプレミスからの移行も、予算に応じた計画が可能で、安心して実行していけるのです。
まとめ
昨今、自社システムのクラウド化を検討している企業は多いため、「今までとは違った環境にどう対応していくか」という点について、セキュリティ面を含めて不安に感じている担当者も多いことでしょう。
Oracle Premier Supportは、全世界で40年以上の実績を持ち、常にユーザーから支持されてきたオラクル社ならではのサポートサービスです。そのユーザーに向けたMy Oracle Supportポータルは、2015年のベストWebサポートサイトとして選出されるなど、これまでに多くの受賞歴を誇ります。
こうしたサービスを利用することで、オンプレミスでOracle Databaseを活用してきた企業は効率的にクラウド環境へ移行でき、負担も最小限に抑えつつ運用を継続していけるのです。
また、Oracle Cloudへの移行は、Oracle Databaseだけではありません。既存のVM環境で利用中のファイルサーバーやその他システムも併せて移行することが可能で、ますます可用性が広がっていくでしょう。
- カテゴリ:
- OCI基礎知識