Oracle CloudのSLAとは?業界初のSLAを分かりやすく解説

 2021.10.25  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

多くのクラウドサービスが台頭する中で、利用者にある一定のサービスを保障するSLAは重要なものとなっています。クラウドの中でも後発とされるOracle Cloudでは、このSLAにおいて業界初の試みを行っています。
これからOracle Cloudを利用する企業は、SLAの内容をしっかりと確認してから利用しましょう。

Oracle CloudのPerformance SLA

プロバイダやクラウドサービスなど、多くのネットワークサービスにあるのが、サービスレベルアグリーメント(Service Level Agreement / SLA)です。SLAは、サービス提供者がサービスの期待値を保障し、期待値を下回った場合は何かしらの保障をするという契約です。

Oracle CloudではこれをPerformance SLAと呼称して、3つの保障を約束しています。それが「可用性」「管理性」「性能」です。他社クラウドサービスにもSLAはありますが、大半は可用性のみとなっており管理性、性能を設けているのはOracle Cloudの大きな特徴と言えるでしょう。

そこでここでは、Performance SLAで保証される3つのSLAについて解説していきます。

可用性

可用性は、システムが停止せずにサービスを提供し続ける能力のことを指します。可用性が高いサービスでは、故障、人的エラー、災害、外部からの攻撃など、稼働を停止させる要因からシステムを守るためにさまざまな対策がされています。

たとえば、Oracle Cloudでは、可用性を保証するために「リージョン」「アベイラビリティ・ドメイン」「フォールトドメイン」の3つの構成を利用しています。まずここでいうリージョンとは、データセンターを設けている地域のことを指します。日本では、東京と大阪の2つのリージョンにデータセンターを設置しています。

さらにこのリージョン内には、1〜3つの設備が稼働しています。これを「アベイラビリティ・ドメイン(または可用性ドメイン)」と呼びます。このアベイラビリティ・ドメイン内は、さらに1〜3つに区分けされた構造になっており、これを「フォールトドメイン」といいます。

この3層の構造によって、問題があったときに他のシステムに切り替えることで高い可用性を担保しているわけです。利用者がフォールトドメイン内にサービスをデプロイした場合には、99.95%の可用性を保障します。さらにアベイラビリティ・ドメインにサービスをデプロイした場合は、サービスの可用性は99.99%となるのです。

管理性

インフラにおいて高い弾力性を実現させるために、Oracle Cloudは高い管理性を誇ります。リソースの管理から監視、変更といった機能を各種サービスで確実に常に動作ができるように保障しています。

対象となるのは、ビッグデータサービスやブロックチェーンプラットフォーム、ブロックボリューム、コンピュートなど多くのサービスです。これらのサービスは常に管理APIによって、管理されます。

また、管理性は、アベイラビリティ・ドメインレベルで定義されています。月間稼働率の評価方法は、対象月の5分間ごとのAPIエラー率の平均値を100%から差し引くことによって求められます。全てのサービスで99.9%の管理率を誇っているので、エラーになることがほとんどないということになるでしょう。

性能

性能とは、つまりパフォーマンスのことを指します。今までのクラウドサービスでは、パフォーマンスに関して、SLAで明記することはありませんでした。性能はさまざまな要因によって決定づけられるため、SLAで定義することが難しいからでしょう。しかし、Oracle Cloudでは、パフォーマンスに関しても高い性能と保障を提示しています。

対象となるサービスは、ブロックボリュームでのディスクパフォーマンス、コンピュートでのNVMeパフォーマンスとネットワークパフォーマンスです。ネットワークやディスクパフォーマンスをSLAとして定義しているため、IOPS/スループット共に高い値をキープします。また、この2つの値が保障されているので、見積もりもよりシンプルになるのです。

こうしたことから、顧客は安心してサービスを利用できます

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Oracle CloudのSLAの設定例

ここでは上記で解説した3つのPerformance SLAが保障しているサービスの中で、10個の項目を抜き出してご紹介します。

OCIサービス Availability(可用性) Manageability(管理性) Performance(性能)
API Gateway 99.95%    
Autonomous Database 99.95%    
Big Data - Compute Edition 99.9% 99.9%  
Blockchain Platform 99.95% 99.9%  
Block Volume 99.99% 99.9% (Disk Performance) 90% in 99.9% of time
Compute (AD-redundant) 99.99% 99.9% (NVMe Performance) 90% in 99.9% of time
(FD-redundant) 99.95% (Network Performance) 90% in 99.9% of time
(Single Instance) 99.9%  
Database Backup Cloud Service 99.9%    
Database Cloud Service 99.9% 99.9%  
Database Exadata Service 99.95% 99.95%  
Database - Dense I/O 99.9% 99.9%  

この表からも分かる通り、多くのサービスで99.9%以上の評価を定義していることがわかります。

Oracle Cloudのコンプライアンスへの対応

クラウドサービスを導入するにあたり、多くの企業が気にかけるのがセキュリティとコンプライアンスです。企業では、重要な機密情報を保持するためにコンプライアンス要件を厳しく設定していることでしょう。

Oracle Cloudでは、こうした要件に対応するために、2019年5月に東京リージョンを開設後、2020年3月に大阪リージョンを開設しました。このリージョンごとに、法令に遵守したシステム作りや第三者による評価、業種特化ガイドラインなどを行なっています。たとえば、国を問わずグローバル展開されている第三者評価に関しては以下のものがあります。

  • CSASTAR
  • ISO 9001
  • ISO/IEC 20000-1、27001、27017、27018、27701
  • PCIDSS
  • SOC1〜3

さらにアジアでは以下の証明書を取得しています。

  • IRAP
  • ISMS
  • MeitY

また、国内基準や業界固有としては以下のものがあります。

  • プライバシーマーク
  • FISCガイドライン第9版
  • NISC政府統一基準
  • 3省3ガイドライン

このように多くの評価基準を取り入れることで、さまざまな業種やグローバル展開している企業まで幅広いコンプライアンスに準拠できるようになっているのです。

Oracle Cloudの価格体系

Oracle Cloudの料金はとてもシンプルで、基本的に従量課金制を採用しています。これは使用したサービスの量に合わせて料金が決定するもので、利用する規模によって料金が変わるという特徴があります。この従量課金制の中で2つの支払いタイプがあり、利用者はどちらかを選択することが可能です。

まず1つ目が、「Pay As You Go」です。これは毎月月末までの使用量が翌月に請求されて、翌月末に支払いを行うシステムとなっています。その都度支払いとなっているので、好きなときに止められるという利点があります。

そしてもう1つのサービスが、「Annual Flex」と呼ばれるサービスです。これは年間に利用する想定額を先に支払っておく年間クレジットタイプのシステムとなっています。1年間利用して前払いの想定額を利用量が上回った場合は超過料金が発生します。また、想定額を利用量が下回った場合でも料金が返ってこないのが特徴です。

年間クレジットタイプは各種利用サービスが割引になるので、あらかじめ利用するサービスが決まっている企業は積極的に利用することで、より低コストでクラウドサービスを使用できます。

まとめ

Oracle CloudのSLAでは、「可用性」「管理性」「性能」の3つを保障しています。たとえば、「リージョン」「アベイラビリティ・ドメイン」「フォールトドメイン」の3層にわけたデータセンターにより高い可用性が担保されています。

さらにエラーの少ない管理APIやIOPS/スループットの安定したパフォーマンスによって管理性と性能を担保しています。

また、世界中のコンプライアンスに準拠できるように、第三者による評価や業種特化ガイドラインを取り入れています。SLAと高いセキュリティ・コンプライアンス要件によって、Oracle Cloudは安全性が高く、安定したシステムが利用できるサービスと言えるでしょう。


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