クラウドでMySQLを使うならMySQL Database Serviceがおすすめ!OCI、AWS、Azure運用コスト比較

 2022.03.28  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

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MySQL Database Service(MDS)について

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)にて提供されているMySQL PaaSサービスがMySQL Database Service(MDS)です。

PaaSでの提供となるため、インスタンスを構築するとすぐに接続、利用することが可能です。インフラ面の管理をOCI側がサポートしており、MDSに対するセキュリティパッチの適応といったオペレーションを自動実行させることが可能です。

こうしたMySQL PaaSサービスは他社クラウド(AWS・Azure等)でも提供されています。
その中でも、MDSはOracle公式ページで紹介されている通り、運用コストが圧倒的に安いことが特徴として挙げられます。

実際にコストを見積もった上で本当に安いのか、単純な運用料金と、スペックによるメリット・デメリットについて本記事で解説していきます。

なお、比較にあたり以下条件で統一して記載します。
金額:日本円(2022年3月時点)
量単位:GB、 MB、 KB
小数点:第1位で四捨五入

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MySQL PaaSサービスごとの運用料金比較

まずは、小規模のDB構成として、CPU:2core、メモリ:8GB、ストレージ50GBで構築した場合の料金を比較してみます。
下記は同等のスペックのインスタンスを稼働させた時の料金です。

前払い料金無し、MySQLデータベース1台を約1カ月(730 時間)無停止で稼働させた場合で比較します。その他の条件としては、バックアップを7日保管、同スペックでワークロードに差異があるものについては安定稼働するタイプ、その他オプション無しで算出しました。

(比較例)

各社のCPU・メモリ・ストレージスペックを極力揃えた状態の料金比較

サービス/項目

スペック

インスタンス

ストレージ

バックアップ

合計金額

   

OCI

2core 8GB
50GB

¥4,964

¥240

¥1,680

¥6,884    

AWS

t3.large
2core 8GB
50GB

¥17,519

¥796

¥3,289

¥21,604    

Azure

汎用Gen5
2core 10GB
50GB

¥21,381

¥796

¥4,155

¥26,336

稼働させるインスタンス、ストレージ、どちらにおいてもMDSが圧倒的低価格を実現していることがわかります。

(比較例)
各社のCPU・メモリ・ストレージスペック別の料金比較

サービス/項目

スペック

インスタンス

ストレージ

合計金額

OCI

2core 8GB
50GB

¥4,964

¥240

¥5,204

AWS

t3.micro
2core 1GB
20GB

¥2,193

¥323

¥2,193

t3.midium
2core 2GB
20GB

¥4,385

¥323

¥4,708

Azure

Basic Gen5
1core 2GB
20GB

¥4,381

¥277

¥4,658

Basic Gen5
2core 4GB
20GB

¥8,762

¥277

¥9,039

その他の条件としては、東京リージョン、MySQLデータベース1台を約1カ月(730 時間)無停止で稼働、CPU・メモリ・ストレージを適宜変更、バックアップ無し、ワークロード等の選択ができるものは最低限のものを選択して見積りました。

結論から言えば、単純な安さはAWSとAzure、ただし、スペック自体のコストパフォーマンスが高いのはMDSであることが確認できました。

確かに、表における金額を確認すると、OCIはやや高価に見えます。

しかし、その原因はAWSではさらに小さなスペックでの作成が可能であるためです。AWSでは小さいサイズから大きなサイズまで、インスタンスの種類が幅広く揃っているため、柔軟にインスタンスサイズを選択できるメリットがあります。

例えば、AWSにて2coreのCPUと1GBのメモリで作成した場合はMDSと比較して約半額で運用することが可能です。ただし、メモリが2GBのスペックの場合はMDSとほとんど差異のない運用料金になることも明らかになったので、上記の表では、AWSについては2つのスペックで比較しています。

Azureについても、ワークロードが低いインスタンスでの作成が可能なため、2パターンで比較しています。

一方、MDSは始めから本番を想定したワークロードで設計されています。

AWSとAzureは、あくまで最低限のスペックを利用するときに限り、安価になるといえるでしょう。

小規模開発および検証に対しては、超小型インスタンスが利用可能なAWSのRDS、本番に近しいスペックで運用する場合は最小限から安価なOCIのMDSがおすすめです。

また、比較結果を見ると、メモリ量を抑えることで運用料金を安価に抑えることは可能といえます。しかし、メモリは低ければ低いほどディスクIOが増加することによる性能劣化、あるいは重い処理(ソート処理など)を実行する際にメモリ不足になるケースも存在します。そのような観点から、全体的なスペックに余裕を持たせた設計を推奨します。

次は1年事前に全額で支払った場合、事前支払いした分を月あたりで割り当てた場合の料金を比較してみます。

(比較例)
およそCPU 2core/メモリ 8GB/ストレージ 50GB/バックアップ7日で
1年事前全額支払いを実施した場合の月あたりの料金

サービス/項目

スペック

インスタンス

ストレージ

バックアップ

合計金額

   

OCI

2core 8GB
50GB

(¥4,964)

(¥240)

(¥1,680)

(¥6,884)    

AWS

t3.large
2core 8GB
50GB

¥12,810

¥796

¥3,289

¥16,895    

Azure

汎用Gen5
2core 10GB
50GB

¥12,810

¥796

¥4,155

¥17,761

ここで、OCIについてすべて括弧書きしているのは、OCIに関してはリザーブドインスタンスのような事前全額支払いのサービスがないためです。OCIではAnnual Universal Creditsと呼ばれるクラウド全体で行う事前支払いが用意されています。最低12カ月分の利用料金が事前に請求され、実際の使用量に基づいて毎月引き落とされていく仕組みです。こちらは月々の利用料金予測を主とするサービスであり、利用サービス料金が安くなるものではありません。そのため、表においても減額なしで記載しております。

最大のポイントは、年単位で全額支払いをしたとしても、従量課金で利用していくOCI MDSの方が安く運用できる点です。圧倒的なコストメリットを有することが確認できます。

まとめ

MDSは他社クラウド提供のMySQL PaaSと比較して高いスペックを安価で利用可能であることが、今回の検証で判明しました。最小のサイズで作成することができるため、単純な最小サイズを最小コストで運用できるのはAWSではありますが、大きなスペックで組む場合はMDSの方が安価で運用することが可能です。本番運用しているオンプレミス環境からの移行先や、運用中のクラウドリソースのコストダウンを目指した移行先として、MDSを検討してみるのはいかがでしょうか。

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