Oracle Cloudリージョンの特徴や管理方法について

 2021.11.01  株式会社システムエグゼ オラクルクラウドチーム

Oracle Cloudリージョンは、Oracle Cloudサービスを支えているデータセンターのエリアのことです。この記事では、リージョンとはどんなものか、Oracle Cloudリージョンの特徴や日本で利用できるサービスは何か、また、リージョンの管理方法はどうすればいいのかについて解説します。

そもそもリージョンとは

リージョンとは、英語で「地域」や「範囲」などを表す言葉です。クラウドコンピューティングにおいては、データセンターが設置されているエリアがリージョンと呼ばれています。データセンターは、サーバー、データ通信、電話、インターネットなどのネットワーク用に必要な装置を設置している場所です。リージョンはそれぞれ独立したデータセンターを設置しているため、リージョン間で通信トラブルなどの通信環境に影響を受けることはありません。データセンターはユーザーの重要なデータを保存してネットワーク環境を提供していることから、数多くの通信回線を引き込み、複数のサーバーを設置・管理しています。災害にも備えて頑丈な構造の建物でできているなどの特徴もあります。

データセンターの住所地はユーザーの住所に近い方がインターネットの通信速度が安定して有利です。クラウドサービス契約を結んでいる場合、通常では一番近い場所が接続先のリージョンになります。

リージョンでは、トラブルが生じたときを想定して複数のリージョンでそれぞれデータのバックアップを保存したり、システムの分散運用を行ったりする対策が取り入れられています。リージョンには、リージョン内部が区分されていて、それぞれ異なるシステムを運用したり、システムの負荷を下げたりなどの障害対策を行っているマルチリージョンもあります。

Oracle Cloudリージョンの特徴

Oracle Cloudリージョンは、世界中どこでも利用できるリージョンです。世界に30あるとされるクラウドリージョンは、現在もまだ数が急速に増え続けています。Oracle Cloudリージョンは災害からの保護実現に向けて、世界のさまざまな国に分散して設置されています。

Oracle Cloud Infrastructure Block Volumeサービスの使用時には、複数のリージョン間でデータのコピーを残すボリューム・バックアップやボリューム・グループ・バックアップなどのデータ損失対策利用も可能です。ユーザー定義ポリシーを使用したリージョン間自動バックアップなど、リージョン間でのバックアップをスケジューリングすることもできます。

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は、高いパフォーマンスと回復力のある信頼性を実現するため設計された次世代アーキテクチャです。OCIの各クラウドリージョン内では、ユーザーがアプリケーションを3つ以上のフォールト・ドメインに分散して保存できます。さらに、ハードウェアや電源障害からの保護やサーバーを連続して利用できる、ローリング・メンテナンスが受けられるなども特徴のひとつです。

Oracle Cloudリージョンは、効率的で持続可能なコンピューティング・プラットフォームを提供しています。Oracle Cloudリージョンはオンプレミスのシステムよりも高い利用率を達成できるため、オンプレミスでの利用にも適しています。最先端のエネルギー管理、冷却技術を活用し、必要に応じて成長するコンピューティング・プラットフォームは、将来的な需要の変化にも持続的に対応することが可能です。

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日本で利用可能なサービス一覧

現在、日本で利用可能なOracle Cloudリージョンは、「東京リージョン」と「大阪リージョン」の2拠点です。2019年に開設した東京リージョンに続いて2020年に大坂リージョンが開設されました。大坂リージョンは、オラクルの災害復旧対策としてのデュアル・リージョン戦略の一貫で開設されました。

国内にリージョンが複数あると、データを復元するアプリケーションの展開が可能になるほか、国内の同じ法律エリア内でデータを相互に保存できるためコンプライアンスの準拠にも対応できます。

【日本で利用可能なサービス(固定クラウドサービスは省略)】

  • Oracle Application Performance Monitoring
  • Oracle Autonomous Transaction Processing
  • Oracle Autonomous Data Warehouse
  • Oracle Autonomous JSON Database
  • Oracle APEX Application Development
  • Oracle Data Safe
  • Oracle Cloud Functions
  • Oracle Cloud Guard
  • Oracle Cloud Infrastructure API Gateway
  • Oracle Cloud Infrastructure Archive Storage
  • Oracle Cloud Infrastructure Audit
  • Oracle Cloud Infrastructure Block Volumes
  • Oracle Cloud Infrastructure Compliance Documents
  • Oracle Cloud Infrastructure Compute
  • Oracle Cloud Infrastructure NVIDIA GPUインスタンス
  • Oracle Cloud Infrastructure Compute HPC
  • Oracle Container Engine for Kubernetes
  • Oracle Cloud VMwareソリューション
  • Oracle Cloud Infrastructure Database Cloud Service
  • Oracle Cloud Infrastructure Data Catalog
  • Oracle Cloud Infrastructure Data Flow
  • Oracle Cloud Infrastructure Data Integration
  • Oracle Cloud Infrastructure Data Science
  • Oracle Cloud Infrastructure Data Transferサービス(東京リージョンのみ有)
  • Oracle Cloud Infrastructure DNS など

Oracle Cloudリージョンでは、まだ他にも数多くのサービスが利用できます(参考URL:https://www.oracle.com/jp/cloud/data-regions/#apac)。

リージョンの管理方法

リージョンのサブスクリプションを管理する場合、必須IAMポリシーと呼ばれるアクセス権を準備する必要があります。新しいユーザーを「ポリシーの開始」から作成して管理者グループに追加すると必要なアクセス権が作れます。ユーザーはアクセス権を利用して任意の種類のリソースでリージョンの管理をすることが可能です。

【リージョンのサブスクリプションを管理する方法】

  1. コンソールから「リージョン」メニューを開き「リージョンの管理」をクリックします
  2. 「プラットフォーム・サービス・リージョン」をクリックします
  3. リージョンリストが表示されるので、サブスクリプションするリージョンを選び「サブスクライブ」をクリックします

まとめ

リージョンとは、クラウドコンピューティングにおいてはデータセンターが設置されているエリアのことです。Oracle Cloudリージョンは世界中で利用が可能で、現在も新しいリージョンが開設され続けています。日本には、災害復旧対策で東京と大阪の2箇所にリージョンがあり、リージョン間自動バックアップなどのサービスを設けています。

Oracle Cloudリージョンはその効率的なコンピューティング・プラットフォームと高いデータ保護対策のため、クラウド環境ではなくオンプレミス環境での利用にもおすすめです。

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