新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、多くの企業でテレワークが急速に普及しました。
東京都の調査では、都内の企業におけるテレワークの実施率は最大時で65%にも上ったとの結果が出ています。
【参考東京都 テレワーク実施率調査結果】
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/16/09.html
通勤が不要になり、柔軟な働き方ができるようになった一方、デメリットや課題も存在します。
多くの企業で挙げられるのはコミュニケーション不足や社員の管理に関する問題ではないでしょうか。
対面での業務とは異なり、テレワークでは物理的に距離ができるため、どうしてもコミュニケーションの質や密度が低下してしまいます。
相手の状況が見えないことから、「部下の様子がわからない」「質問がしづらい」といった悩みも多くあるでしょう。
本記事では、テレワークならではの課題とテレワークのメリットを維持しつつコミュニケーション不足を解消する4つの方法を紹介します。
テレワークならではの課題
テレワークが普及したことによって新たな課題も見えてきました。
ここでは一般的に考えられる課題を挙げていきます。
コミュニケーション
オフィスや同じ空間で作業している場合は相手の表情や様子から質問のタイミングを掴みやすいですが、テレワークにおいては相手の様子が分かりづらいため、質問をする際のハードルが上がってしまいます。
特に上司や先輩への質問は気を遣ってタイミングを窺いすぎてしまい、結果、問題解決が遅れ進捗に影響を及ぼすことも考えられます。
また、テレワークでは口頭による会話が激減し、メールやチャットツールなどの文章による会話が増えた企業も多いでしょう。
文字だけでのやり取りでは文章に含まれたニュアンスまで汲み取ることは難しく、不要なトラブルを招くことになりかねません。
上司から部下へ指示を出す際、内容をどの程度理解しているのか、相手の表情や様子から読み取るのが難しいといった例が挙げられます。
モチベーションの低下
業務風景が直接見えないことで、上司から正当に評価されないと感じる方も多いのではないでしょうか。
本来評価されるべき実績が見落とされないよう、評価者は日頃から社員の活躍により一層目を配り、被評価者は従来よりも積極的にアピールしていく必要性が高まりました。
また、大勢の人が作業するオフィスとは異なり、テレワークでは人の目がないことで作業効率や集中力が低下してしまう方もいるのではないでしょうか。
思い通りに作業が進まないことによって、モチベーションの低下につながることもあるでしょう。
新入社員の人脈づくり
かつては新卒社員では同期同士のつながりが深く、時にはランチや飲み会で信頼できる同期に悩みを打ち明けたりすることもあったでしょう。
しかしながら、テレワークにおいては対面での集まりはおろか、業務以外の話題で会話することも少なくなり、テレワークが一般的になった以降の世代では同期間の横のつながりが薄くなってしまうことが課題として挙げられます。
これは中途入社の社員でも同じことが言え、顔見知りの社員がなかなか増えずに苦労することが想像に難くありません。
気軽に相談や雑談ができる相手がおらず、社内で孤独感を抱えてしまうことによって離職率の増加にもつながりかねません。
勤怠管理
スケジュール管理ツールなどが導入されていない場合、誰がどこで何の作業をしているのか把握することが難しくなります。
会議中、作業中、休憩中などのステータスが見えないことで、「本当に業務に当たっているのか」という疑念さえ生んでしまいかねません。
コミュニケーション不足への対策
これらの課題は、いずれもコミュニケーションが円滑に行われていれば解決できる問題であると言えるでしょう。
顔を見ながら業務を進めることができない分、より一層、報連相を始めとしたコミュニケーションの強化が重要になります。
テレワークのメリットを維持しつつコミュニケーション不足を解消する4つの方法を紹介します。
コミュニケーションツールの導入
コミュニケーションロスが最も少ない対面による会話の機会を失った今、代替となるコミュニケーションツールの導入は非常に重要な課題となります。
社内連絡におけるメールはかしこまった定型文などの煩雑さから敬遠されがちですが、チャットツールでは文章を推敲する時間を取られることが少なく、用件のみを気軽に連絡できることから好んで使う人が多いようです。
また、会議の際はZoomやSkypeなどのツールを用いて互いに顔を見ながら意見を交わし合うことで、相手の表情や様子を確認しながら発言することができるため、対面に近い感覚で会議に臨むことが可能です。
メタバースの活用
「メタバース」という単語を聞き慣れない方も少なくないかと思いますが、一言で表すならば「仮想空間」を指す単語です。
昨今は仮想のオフィスに自身のアバターを配置し、バーチャル出社ができるツールも増えています。
実際に複数人がオフィスに集まって作業しているような感覚を共有することができるため、単なるテレワークと比較するとコミュニケーションに関するハードルは格段に下がるのではないでしょうか。
メンバーのスケジュール管理の徹底
働く場所が自由に選択できるようになった一方、管理者目線ではメンバーの勤務実態の把握が非常に困難になり、作業の計画や管理がしづらくなりました。
このような課題にはスケジュール管理ツールの導入をおすすめします。
スケジュール管理の正当性を周知することで、メンバーも計画通りに仕事を進める意識が強まり、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
あえて雑談を目的とした時間を設ける
テレワークによって気軽な雑談のハードルが上がってしまった今、ささいな話題で盛り上がる機会が激減しました。
雑談によってチームワークが強化されるケースもあるため、この機会損失は組織運営に大きな影響をもたらしかねません。
他メンバーとのラフな1on1や、リモートのランチ会・飲み会などであえて雑談の機会を生み出すことで、メンバー間の結束を強めるとともに、心理的安全性をもたらすことは組織にとって大きなメリットとなるでしょう。
おわりに
個人の働き方が柔軟に選択できる世の中になってきましたが、過去に築き上げてきたチームワークや人間関係が希薄になってしまう事態は避けたいところです。
快適なテレワーク勤務のために、管理者目線では管理のしやすさ、従業員目線では働きやすさを両立できるよう、ルールづくりやツールの導入などの整備を検討されてはいかがでしょうか。
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