大分県 国東市様

MaaSプラットフォームを用いて、
コミュニティバスの利用促進に向けた実証実験を実施


プロジェクト背景

国東市は放射線状に広がる谷あいの地形であることや、市内に鉄道路線がないことから、主な公共交通機関がバスとなっています。地域拠点と各谷あいを結ぶ地域内交通を市の運行するコミュニティバス等が担い、地域拠点間の広域交通を民間路線バスが担っています。

しかし近年、過疎化や人口減少によりバスの利用者が減少し、特に民間路線バスにおいては、ほぼ全ての路線が不採算路線となっており、市が運行の補助を行うなどして路線の維持を図っています。

谷あいに点在する集落を結ぶためには多くのバス路線が必要であることから、市が運行するコミュニティバス等は週に1日(1.5往復便)、曜日替わりで24路線、2区域を運行しています。

今回、システムエグゼが開発したMaaSプラットフォームサービスを用いて、コミュニティバスの新規利用者の増加と、住民のデジタルデバイスの利用に対する関心や課題の調査を目的に実証実験を約2カ月間行いました。

大分県 国東市様

実施内容

コミュニティバス7路線の利用者にQRコード付きのポイントカードを配布。乗車の際にバスに取り付けたタブレット端末にカードをかざすと、ポイントが付与される仕組みで利用を促進しました。貯まったポイントは、日用品との交換が可能としました。また、ポイント交換時には実験に関するアンケート調査も実施しました。

さらに停留所のロケーションシステムにより、バスの現在位置をアプリでリアルタイムに確認できるようになり、利便性が向上しました。

大分県 国東市様

実施結果

コミュニティバス利用者のうち、約9割の方に実証実験にご参加いただきました。

新規利用者の増加は路線によって差があったものの、7路線のうち4路線では利用者が増加し、実証実験をきっかけに普段はコミュニティバスを利用しない住民が、複数回利用したケースもありました。

懸念されたポイントカードの使い方についても、実証実験が進むにつれてスムーズに利用いただけるようになりました。

全体的に今回の実証実験に対する満足度は高く、ポイント交換時に行ったアンケートでは乗車するとポイントがもらえる仕組みに対しての満足度は5点中3.9点と高い水準で、「また実施してほしい」という声もありました。

「コミュニティバス乗車ポイントが本格導入されたら利用しますか」という質問に対しては「ぜひ利用したい」という方がほとんどでした。

今後の展開

今回の実証実験で得られたデータを元に、コミュニティバスのダイヤや運行経路の見直し等、新たな利用者の増加を目指し施策を検討していきます。また、コミュニティセンターといった地域の公共施設にタブレットを設置して外出のきっかけづくりを行う等、高齢者のヘルスケア全般と公共交通を連携させた取り組みも検討していく予定です。

大分県 国東市様

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