大分県 国東市様
- ホーム
- Oracle Cloud
- 導入事例
- 大分県 国東市様
MaaSプラットフォームを用いて、
コミュニティバスの利用促進に向けた実証実験を実施
- 国東市概要
-
人口:25,486人(2024年3月末日現在)
高齢化率:43.57%(2024年3月末日現在)
面積:318.1平方キロメートル
(国土地理院 令和2年全国都道府県市区町村別面積調査)
隣接市:豊後高田市、杵築市
URL:https://www.city.kunisaki.oita.jp/大分県の北東部に位置する国東市では、水稲やシイタケの栽培が盛んで、雨水とため池を活用して行われる循環型農林業は国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産(GIAHS)に認定されています。
市内には大分空港があり、大分県の空の玄関口として発展を遂げてきました。大分空港では宇宙港事業や、空港と大分市とを海路で結ぶホーバークラフトの就航等、交流人口の増加が期待できる事業も計画されており、その経済効果に期待が寄せられています。
- プロジェクト背景・目的
-
- 市内に鉄道が通っておらず公共交通機関はバスが主となっているが、利用者や運転手の担い手が減少し、事業規模の縮小が続いている。
- コミュニティバスの運行地域によって利用者の隔たりが大きく、新たな利用者が増えていない。また潜在的な利用希望者がどの程度いるか把握できていない。
- 市が運行するコミュニティバスの新規利用者を増やし、公共交通の持続可能性を高めたい。
- 交通DXの検討に向け、スマホやタブレットなどデジタルデバイスの利用が高齢者を中心とした利用者に受け入れられるかどうかを検証したい。
- ポイント
-
- ポイントカードを使ってコミュニティバスの乗車インセンティブを付与し、新規利用者の増加を促進。
- 二次元バーコードを使ったポイントカードや専用タブレットを用いることで高齢者も含めた幅広い利用者に対応。
プロジェクト背景
国東市は放射線状に広がる谷あいの地形であることや、市内に鉄道路線がないことから、主な公共交通機関がバスとなっています。地域拠点と各谷あいを結ぶ地域内交通を市の運行するコミュニティバス等が担い、地域拠点間の広域交通を民間路線バスが担っています。
しかし近年、過疎化や人口減少によりバスの利用者が減少し、特に民間路線バスにおいては、ほぼ全ての路線が不採算路線となっており、市が運行の補助を行うなどして路線の維持を図っています。
谷あいに点在する集落を結ぶためには多くのバス路線が必要であることから、市が運行するコミュニティバス等は週に1日(1.5往復便)、曜日替わりで24路線、2区域を運行しています。
今回、システムエグゼが開発したMaaSプラットフォームサービスを用いて、コミュニティバスの新規利用者の増加と、住民のデジタルデバイスの利用に対する関心や課題の調査を目的に実証実験を約2カ月間行いました。
実施内容
コミュニティバス7路線の利用者にQRコード付きのポイントカードを配布。乗車の際にバスに取り付けたタブレット端末にカードをかざすと、ポイントが付与される仕組みで利用を促進しました。貯まったポイントは、日用品との交換が可能としました。また、ポイント交換時には実験に関するアンケート調査も実施しました。
さらに停留所のロケーションシステムにより、バスの現在位置をアプリでリアルタイムに確認できるようになり、利便性が向上しました。
実施結果
コミュニティバス利用者のうち、約9割の方に実証実験にご参加いただきました。
新規利用者の増加は路線によって差があったものの、7路線のうち4路線では利用者が増加し、実証実験をきっかけに普段はコミュニティバスを利用しない住民が、複数回利用したケースもありました。
懸念されたポイントカードの使い方についても、実証実験が進むにつれてスムーズに利用いただけるようになりました。
全体的に今回の実証実験に対する満足度は高く、ポイント交換時に行ったアンケートでは乗車するとポイントがもらえる仕組みに対しての満足度は5点中3.9点と高い水準で、「また実施してほしい」という声もありました。
「コミュニティバス乗車ポイントが本格導入されたら利用しますか」という質問に対しては「ぜひ利用したい」という方がほとんどでした。
今後の展開
今回の実証実験で得られたデータを元に、コミュニティバスのダイヤや運行経路の見直し等、新たな利用者の増加を目指し施策を検討していきます。また、コミュニティセンターといった地域の公共施設にタブレットを設置して外出のきっかけづくりを行う等、高齢者のヘルスケア全般と公共交通を連携させた取り組みも検討していく予定です。
大分県 国東市様
MaaSプラットフォームに関するお問い合わせ