業務改善報告書とはどんな文書? 書き方をテンプレートで解説

 2021.11.30  株式会社システムエグゼ

日々の業務の中で非効率になっている課題に対する業務改善は、作業の効率化や生産性の向上のために重要なアクションです。その際に、施策の成果を取りまとめて上長へ報告する業務改善報告書は、組織活性化に大きく貢献します。本記事では、業務改善報告書の目的と記載方法についてサンプルとともに紹介します。

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業務改善報告書とは

ビジネスにおいて、業務効率と生産性を上げる業務改善は、企業が継続的に取り組むべき業務の1つです。その評価と考察を取りまとめた業務改善報告書は、次の業務改善の指標となる重要な書類で、改善実施の責任者が作成するのが一般的です。ここでは、業務改善報告書の内容と作成の必要性について解説していきます。

業務改善提案書との違い

業務改善報告書と近い書類に「業務改善提案書」があります。組織によっては、2つの資料を同じ意味で取り扱っている場合もありますが、ここでは別の用途で扱うケースを紹介します。
「業務改善提案書」は、社内の特定の業務で非効率的な工程や課題が発覚したときに、上長に改善を行う許可を得るための書類です。これから実施したい改善提案をまとめて提出します。それに対して、業務改善報告書は、既に実施をした改善提案、または途中経過を報告するためのレポートとして提出されます。

業務改善報告書の目的とは

業務改善報告書を作成する目的は「結果の報告」だけではありません。発生要因に対する改善のスケジュールや防止策の効果を記録として残すことで、組織に業務改善のノウハウが蓄積されていきます。また、成果のあった施策を再現可能なものとして組織全体に共有することで、他の事業所でも同様の取り組みが行われ、企業全体の生産性向上が見込めます。第三者からの評価をもとに、さらなる改善点の発見や新しい取り組みのヒントが得られるので、企業のさらなる成長につながるでしょう。

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業務改善報告書の項目と書き方

業務改善報告書に記載するべき項目と、その書き方についてテンプレートをもとに紹介します。重要視するべき項目は用途によって異なりますが、どのような場合でも「改善結果」が把握できるように記載します。

業務改善報告書のテンプレート例文

請求業務に関する業務改善を実施した場合

〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇部 〇〇課
〇〇部長

改善報告書(タイトル)

  • 書き出し(テーマ)
    請求業務の効率化を目的としたツール導入施策のご報告

  • 改善の背景と目的
    経理部で行う月末の請求書の承認業務で発生する請求書提出期限が守られておらず、月末の経理の残業時間が週40時間に達していたことから、請求書の処理工程の改善を行いました。請求システムの導入によって業務プロセスを見直し、経理部の労働環境の改善を目的としました。

  • 発生要因
    • クライアントごとに請求書の期限が異なる。
    • 担当者へのアラートができていない。

  • 改善策の実施内容
    実施内容:請求業務のプロセスの可視化とツールの導入
    経理部に請求書を提出する期限の徹底を目的とする。

  • 改善前後の状況
    • 改善前
      経理部は各部署及び担当者にクライアントの発注分の取りまとめを依頼する方法が好ましいが、クライアントごとに請求書の締め日が異なるため、適切なタイミングでアラートができていなかった。
    • 改善後
      請求システムを導入した。クライアントごとの請求書の締め日に自動的にアラートを通知し、タスク管理の手間が大幅に軽減された。また、システムによって一元管理することで、タスクの進捗が見える化でき、遅れているものに関して担当者に状況を問い合わせできる体制となった。

  • 改善の成果
    ツールを導入したことで請求書業務にかかっていた時間が30%短縮され、月末の経理部の残業が週40時間から週25時間まで軽減しました。

  • 考察と展望
    施策実施後、課題の発生要因であったタスクの実施状況や期限のアラートが自動で行われるようになったことにより、進捗管理の労力が軽減されました。これによって請求業務に集中できる環境が整い、システム導入による効率化に加えて、従業員一人ひとりの生産性の向上にも寄与したと考えられます。また、可視化されたことで新たに営業部の承認作業のプロセスにも以下のロスの発生が見られるため、更なる改善の余地が見込めます。
    • 管理シートの情報量が多く、Wチェックに時間がかかる。
    • クライアントの対応に時間が取られ、請求書の申請が後回しになっている。
      今後の取り組みとして営業部の承認フローを確認し、必要に応じて営業事務の増員を検討します。
    以上

書き出し

書き出しは、最上段に記載する基本情報です。「日付」「報告者情報」「提出先」「タイトル」などが分かるようにしましょう。何に対する改善報告書なのかが素早く伝わるように、テーマや内容、結果などを要約して端的に記述します。サンプルでは汎用的な内容で記述していますが、読み手や施策に合わせて概要を記載しても問題ありません。

改善の背景と目的

改善提案書を作成した際に記載した「現状分析」や「目的」を再掲載する場所です。発信先にいる読み手(上長)に改善を実施した理由や文脈を思い出してもらう目的があります。
サンプルでは文章で説明をしていますが、現状分析で抽出したデータを可視化したグラフがあれば、掲載しても問題ありません。ただし、想起が目的のため、長くなりすぎないように注意が必要です。

改善策の実施内容

改善施策の具体的な内容を記載します。ここに記載するのは「実施した施策」であり、提案した施策は記述しないので注意が必要です。
スケジュールや実施状況を踏まえて「結果」を記載し、場合によっては図表を使用して視覚的に見やすく伝えます。ノウハウとして共有することが目的の場合は、取り組み内容を詳細に記載しましょう。

改善前後の状況

改善を行う前と行った後の状態を比較する形で記載し、施策を行った結果を読み手に把握してもらいます。対比しやすいように「改善前」「改善後」と対照させた書き方がおすすめです。特に定量的な数値は、差分として絶対量や比率を記載すると施策の効果や影響度の説明が簡易的になります。
評価を行う際に重要な項目となるため、データが良く見えるように編集してはいけません。数値は、客観的なデータをもとにした正確な記載が求められます。写真や図版などで変化を示せれば直感的に変化が理解できます。

改善の成果

改善によって得られた効果の総評を記載します。改善前後の情報を分かりやすくまとめ、かかった費用や削減されたコストに関しても示します。また、数値にすることができない定性的な変化や効果もできるだけ添えます。継続して得られる成果やメリットの見通しも併記し、施策の有効性を説明します。「成果をもとに次にどう繋げていくか」という視点があれば、業務改善そのものの見方や今後の取り組みも変化するため、意識しながら書いてみてください。

考察と展望

改善の結果から得られた教訓やノウハウを記載し、実施した改善の継続をすることでどのような効果が得られるのかを予測します。また、未達の課題に対しても反省点と改善するために必要な取り組みを記載すると、次のフェーズについても検討できます。さらなる改善の可能性を提示し、次の展望で締めくくりましょう。

まとめ

業務改善を実施したら、その成果に対して「目的」「実施内容」「結果」「今後の展望」と具体的に施策の効果の報告を行います。この作成した業務改善報告書をもとに、次の課題に対して改善を実施し、業務改善の提案と報告のサイクルを回していきます。改善のサイクルを回す際には、業務効率化を促進するツールを導入すると、より効果的です。
たとえば、申請・承認業務を効率化したい場合、ワークフローシステムAppRemoを導入することで、業務管理者の負荷を軽減しつつ業務の見える化を図ることができます。報告書や施策実施時の申請を行う際に、スムーズな承認処理を可能にし、改善のスピードを引き上げてくれます。業務改善の提案と報告のサイクルを効果的に回していく一環として、「AppRemo」を検討してみてはいかがでしょうか。

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